ゼミナール発表

日時: 平成21年6月1日(月)3限 (13:30 -- 15:00)

場所: L1
司会: 中村文一

池田篤俊 D ロボティクス 小笠原司 西谷紘一 高松淳
題目:持ちやすさ定量評価システムに向けた腱張力推定と応用
概要:本研究ではピンチング評価システムの構築を目的とし,物体のつまみやすさの定量評価手法を提案する.つまみやすさを感じる要因の一つとして腱張力に着目し,人計測,腱骨格モデル,腱駆動ロボットハンドによる検証を行う.まず人間のつまみ動作を計測し,表面筋電につまみやすさの影響が表れていることを示す.次に人の腱骨格構造に基づいた手指モデルを作成し,つまみ動作のシミュレーションを行う.結果より推定された腱張力が人の筋活動と同じ傾向をしめしており,つまみやすさ評価に利用できることを示す.最後に腱張力によるつまみやすさ推定の応用として,人体模型を改造したロボットハンドによる実験を行う.これらの結果より腱張力がシミュレーションやロボットハンドを用いたつまみやすさ評価に利用可能であることを示す.

梶原康正 D システム制御・管理 西谷紘一 木戸出正繼 野田賢
題目:プラント運転技術・技能の伝承を支援するシステムに関する研究
概要:数年前から製造業では2007年問題が話題となり、技術・技能伝承 の重要性が高まっている。各企業においては、少人化された環境の中で運転員の 世代交代をスムーズに行うべく色々な試みをしている。平成18年度から3年間 に亘り取り組んできた経緯を振り返りながら、これまでの成果を報告する。 1)暗黙知の表出:運転技術の抽出・蓄積・利用のための統一手法として、時系 列分析シートとETOMチャートを用いる手法を考案した。工程トラブルが発生 都度、時系列分析シートを活用しその時の状況を振り返り分析することによる若 手へのOJT教育・思考訓練に活用する仕組みとベテラン運転員の判断の根拠と なる基礎的な知識、ノウハウの表出方法についての提案を行った。 2)スキル開発のための学習環境作り:製造現場では運転スキルの習得度を定期 的に調査している。スキルアップのための学習環境作りとして運転スキルと教材 との関連付けを行った結果、必要な教材が不足していることが判明した。不足す る教材(SOP)を充実する仕組みについて提案を行った。 3)作業標準手順書(SOP)の表現の工夫:運転員を育成する為の教材として SOPは基本的なものである。最近ではSOPに一部写真が添付されることがあ るが文字情報が主である。動画情報を取り込んだビデオマニュアルの位置付けの 明確化とビデオマニュアル作成指針を纏めた。

山口修 D 知能情報処理学 木戸出正繼 小笠原司 浮田宗伯
題目:分散局所アピアランスモデルによる不変量索引を用いた3次元物体認識に関する研究
概要:本研究は、幾何学的特徴ベースの手法にアピアランスベースの考え方を導入した物体認識の枠組みを提案しており、順次モデルの拡張を試みている。特徴点の数に比例して起こる組み合わせの爆発の問題に対して、Delauney 三角形分割に基づく幾何学的関係に対する制約の導入、3次元的な見えの変化に対応した不変量に基づくハッシング方法の検討、局所特徴量のマッチング法に関する、対象画素の同値関係、大小関係に基づいた定性的3値表現による類似度について紹介する。また、パターン識別の手法である相互部分空間法ベースの手法の改良に関しても述べる。


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