ゼミナールI講演

日時: 平成22年1月18日(月)3限 (13:30 -- 15:00)
場所: L1

講演者: 奥野 恭史 (京都大学大学院薬学研究科 教授)
題目: 創薬を加速化するインフォマティクス
概要: ヒトゲノム解読完了を受けて、生命科学の研究対象は、個々の遺伝子の機能解明から、多数の因子の相互作用が生み出す複雑な「システム」としての挙動を明らかにすることに、移行しつつあります。このことは、ゲノミクスを出発点として、機能ゲノミクス、薬理ゲノミクス、ケミカルバイオロジー、システムズバイオロジーといった新しい研究分野の創出をもたらしました。また創薬においても、莫大なゲノム情報を用いた画期的な創薬「ゲノム創薬」に大きな期待が寄せられてきました。しかしながら、創薬はゲノム情報を出発点とし創薬の標的遺伝子探索からリード化合物探索を経て臨床段階に至る広範で高度に専門化した複合領域であり、開発過程で生成される膨大かつ多種多様な情報(バイオ情報、ケミカル情報、臨床情報など)を統合的に扱うインフォマティクス基盤「創薬インフォマティクス」の必要性が益々高まっています。本講演では創薬におけるインフォマティクスの応用例や可能性について紹介します。
講演者紹介: 奥野先生は、日本の薬学界では数少ない、情報科学の手法を活かした創薬 「創薬インフォマティクス」に取り組んでいらっしゃる気鋭の若手研究者です。 奥野先生は、平成5年に京大薬学部を卒業後、平成12年に 京大で博士(薬学)を取得、平成13年から京大化学研究所バイオインフォマティクスセンター等で博士研究員を勤めた後、平成18年より、 京大大学院薬学研究科・統合薬学フロンティア教育センター・准教授、平成20年10月から、京大大学院薬学研究科・寄附講座・システム創薬科学の教授に昇進していらっしゃいます。平成20年度には 「創薬を加速化する医薬候補化合物の革新的探索計算技術の振興」の研究題目で、 文部科学大臣表彰科学技術賞(科学技術振興部門)を受賞していらっしゃいます。
京都大学 大学院 薬学研究科 システム創薬科学講座 webページ
担当教員・司会: 川端 猛

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