ゼミナール発表

日時: 9月28日(月)3限 (13:30-15:00)


会場: L1

司会:高橋弘喜
西田 孝三 D2 金谷 重彦 MD.ALTAF-UL-AMIN 小笠原 直毅
発表題目:枯草菌における代謝ネットワークの再構築と解析
発表概要:生物種毎の分子の合成や分解の過程は、化合物と酵素反応情報をノードとした代謝ネットワークとして表現される。本研究では枯草菌において遺伝子改変などに伴い、代謝ネットワークにどのような変化が起きるかを知るため、正確な代謝ネットワークの構築と代謝ネットワークのグラフ特性の解析を行う。正確な代謝ネットワークの構築には、過去の文献情報に基づいた中心代謝情報に複数の代謝情報データベースのデータを追加することで拡張を行い、代謝ネットワークのグラフ特性の解析には、度数またはbetweenness(すべてのノードのペアについての最短経路が何回betweennessを求めるノードを通るかを表したもの)を指標として、これらの指標と遺伝子発現や代謝の相関解析を行う。今回の発表では現在の進捗状況と今後の課題について述べる。
 
庄條 昌之 D2 金谷 重彦 MD.ALTAF-UL-AMIN 箱嶋 敏雄
発表題目:遺伝子発現解析を用いた当帰芍薬散投与によるヒトの遺伝子発現プロファイリング
発表概要:当帰芍薬散は、婦人病、冷え性などの症状に処方される代表的な漢方方剤である。当帰芍薬散は6つの生薬から構成されており、その効用は多岐にわたる。近年、漢方方剤投与による遺伝子の発現の変化が、DNAマイクロアレイを用いた遺伝子発現解析により検討され、機能遺伝子の検出が試みられている。本研究では、婦人病、冷え性、むくみを愁訴している42名のヒト(女性)の当帰芍薬散服用前後の血液から得られた遺伝子の発現データの分析を行い、変化した遺伝子の検出を行った。さらに、遺伝子発現量の様相に基づきクラスタリングから得られた5つのグループについて、遺伝子の機能特性をGene Ontology解析を用いて検討した。今回の発表では現在の進捗状況と今後の課題について述べる。
 

会場: L2

司会:川波 弘道
呂 嘉 D2 松本 裕治 鹿野 清宏 乾 健太郎 浅原 正幸
発表題目:文字ベースの依存構造関係を利用した中国語合成語解析
発表概要:近年中国語形態素解析に関する自然言語処理の研究は活発になり、形態素解析システムの性能も向上しているが、高性能の汎用中国語形態素解析器はまだ作られていない。中国語には、合成語の派生現象が非常に多くて、統一的な分かち書きの標準を作りにくいので、今までいくつかの研究機構は各自のコーパスに基づく独自の形態素解析システムを構築した。この問題を解決するために、高性能の中国語形態素解析システムに利用できる合成語の内部構造情報は必要だと考え、本研究はこのような合成語内部構造情報を機械学習の手法で自動的に解析する方法と中国語合成語コーパスの構築に集中している。中国語合成語解析を行うために、過去の研究と文献に基づく、文字ベースの依存構造関係を利用し、内部単語境界を気にせずbottom-upの解析方法を提案している。それに、中国語合成語コーパスを構築するために、ツリー型の合成語内部構造を保存できる辞書管理システムも開発している。今回の発表では現在の進捗状況と今後の課題について述べる。
 
有木 隼人 M2 松本 裕治 鹿野 清宏 乾 健太郎
発表題目:事態性名詞の項同定
発表概要:事態性名詞とは、述語のように事態を示す名詞であり、述語同様に「誰が」、「何を」、「何に」といった項を持つ。そのため文の理解のためには、事態性名詞の項構造解析が必要である。発表では、機械学習により、事態性名詞の項構造解析を行う手法を扱う。
 

会場: L3

司会:大竹 哲史
上利 宗久 M2 中島 康彦 藤原 秀雄 嶋田 創 中田 尚
発表題目:線形アレイ型VLIWプロセッサの面積評価
発表概要:近年の画像処理や科学技術計算では,単一コア性能が頭打ちとなり, アクセラレータとしてメニコアプロセッサや小規模のベクトル演算が利用されている. これらのプロセッサでは,演算器に十分なデータを流し込むために広帯域のデータパスが必要であり, 高消費電力であるという問題がある.我々は機械語命令レベルの互換性を維持しつつ, 膨大な演算器を効率よく動作させるアーキテクチャとして,線形アレイ型VLIWプロセッサを提案している. FPGAへの実装に向けた設計状況をもとに,面積規模を見積もり,その効率について評価を行う.
 
大賀 健司 M2 中島 康彦 藤原 秀雄 嶋田 創 中田 尚
発表題目:二線式論理を用いた面積効率の良い高信頼演算器
発表概要:継続的なLSI 製造プロセス微細化に伴い,トランジスタの動作速度の向上は続いている.一方で,トランジスタの故障率や特性ばらつきの増大によって回路の歩留まり率が低下することが懸念されている. この問題を緩和するため,二線式論理で耐故障性に優れ,セル内/セル間のトランジスタ配置にも考慮した高信頼セルが提案されている.本発表ではこの高信頼セルを用いた回路設計において,AND-EOR構成をベースとすることで検証用の論理素子を削減し, 高い信頼性を維持しつつ面積効率を向上させた回路設計について提案を行う.
 
竹谷 啓 M2 藤原 秀雄 中島 康彦 井上 美智子 米田 友和
発表題目:フィールドにおける高品質遅延故障テスト手法に関する研究
発表概要:近年,LSIの微細化が進展し,製造時の出荷テストだけでなく,出荷後のフィールド運用時の故障発生への対応が重要な課題となっている.本研究は,フィールド運用時における高品質な遅延故障テスト手法の提案を目的とし,次に示す1),2)で構成される.1)テストデータ量制約下で高い品質を実現するテストパターンの選択手法,2)選択したテストデータをLSI内部で生成する組込み自己テストアーキテクチャ.本発表では,1)のテストデータ選択手法とその有効性を調べた実験結果を報告し,今後の方針について述べる.
 
中尾 良 M2 藤原 秀雄 中島 康彦 井上 美智子 米田 友和
発表題目:テスト時における温度均一化のためのテストパターン並び替え手法
発表概要:近年,LSIの微細化,高集積化により,テスト時の高消費電力・高発熱が問題となってきている. テスト時は,テストパターンごとに消費電力が大きく変化するため,テスト実行中のLSIの温度も大きく変化する. 一般的に回路遅延は,温度が上昇すると増加すると言われている.そのため,テスト実行時の温度変化が大きいと, 各テストパターンに対する温度による遅延増加量が異なり,正確な遅延テストが実行できなくなる. そこで本研究では,テスト時の温度変化を最小にするテストパターン並び替え手法を提案する. 提案手法は,テスト時の温度変化による遅延ばらつきを低減し,品質の高い遅延テストを実現する.