ゼミナール発表

日時: 9月28日(月)2限 (11:00-12:30)


会場: L1

司会:中村 文一
若原 達朗 D2 西谷 紘一 杉本 謙二 野田 賢
発表題目:固体酸化物型燃料電池(SOFC)の最適運転に関する研究
発表概要:SOFCシステムはガス事業者にとって大きな技術開発テーマであり,エネルギー効率の改善や耐久性向上のための最適運転法の確立は重要課題である.一般にSOFCシステムのような化学プロセスの最適運転問題は非線形計画問題として定式化される.しかし,評価関数や制約式は大部分の変数に対して線形である場合が多い.本発表では,このような特殊な構造をもつ非線形計画問題の解法として効率的な分解法を提案し,数値実験を通じてその有効性を検証する.また,円盤状セルスタックからなるSOFCシステムのモデル化の進捗状況について報告する.
 
三田 勝史 D2 岡田 実 杉本 謙二 原 孝雄 齋藤 将人 宮本 龍介
 
栗原 奈巳 M2 西谷 紘一 木戸出 正繼 野田 賢
発表題目:マイクロリアクタの多重閉塞検出法
発表概要:精密温度制御、反応速度制御が可能なマイクロ化学チップを集積して構成する次世代プラントであるマイクロ化学プラントに注目が集まっている。その中で、主に化学反応などを行うものをマイクロリアクタという。このマイクロリアクタの実用化には、反応装置等ハードウェア・計測制御システムに加えプラント保全を目的とした異常診断システムが必要不可欠である。しかし、これに関する研究はあまり行われていないのが現状である。マイクロリアクタにおいて、最も発生頻度が高い異常はチャネルの閉塞であり、まず閉塞に対する診断システムを開発することが必要とされている。過去の研究では、実験やシミュレーションにより各リアクタの閉塞発生時のデータを蓄積しておき、これらのデータから運転中の計測データに最も類似度が高いデータを選出することにより閉塞箇所を推定する手法が提案されている。しかし、これらは一つのチャネルで閉塞が発生する場合についてしか検討されていない。実際に工業的に用いられる場合には、同時に複数箇所が発生する可能性も大いに考えられる。本研究では、複数のチャネルで閉塞が発生した場合において閉塞チャネルを検出する手法の提案を目指す。
 

会場: L2

司会:孫 為華
野口 晃司 M2 伊藤 実 飯田 元 安本 慶一
発表題目:各ユーザの役割に応じて画面レイアウトの変更を可能とするテレビ会議ベース遠隔教育支援システムの提案
発表概要:近年,時間の制約がある社会人や学校に通うことが難しい病弱者に対する学習機会の提供や,大学単位互換協定における学校間連携講義での利用などを目的とした遠隔教育の必要性が高まっている.遠隔教育において,テレビ会議システムやネットワーク仮想環境に基づいたアプリケーションを使用した同期型e-Learningによる遠隔教育システムが使用されている.しかし,これらの遠隔教育システムを使用した講義では,実空間における講義と比較すると,実施できる講義の形態が限定される,各ユーザが必要とする情報の提供が難しい,各ユーザの講義空間内における視点が限定される,などの問題点がある.本研究では,様々な講義形態(講義,演習,グループワークなど)での講義を可能とし,ユーザ毎に画面レイアウトのカスタマイズを可能とする機能を持つ遠隔教育システムを提案する.本発表では,提案するシステムの概要,実現方法に関して述べ,さらに,提案するシステムの有効性を評価する方法についても説明する.
 
福永 隼也 M2 関 浩之 伊藤 実 楫 勇一
発表題目:公開鍵暗号を用いたパスワード認証プロトコルの提案
発表概要:Webでサービスを提供するとき情報保護の観点などから、利用者を特定し不正なユーザの利用を防止しておきたい状況が考えられる。またそれとは反対にサーバ側である不正が行われ、ユーザの個人情報を盗み取ろうとする、いわゆるフィッシングと呼ばれる悪意のある攻撃の増加が近年問題となっている。これらに対しては、相互認証と呼ばれる、ユーザ側とサーバ側が互いに相手を認証する手法を導入することは有効な対策である。しかし従来の方式では、認証を行う際には大きな情報を端末に記憶させておく必要があることや、サーバから情報が漏えいした場合にユーザの秘密情報が直接露呈してしまう危険性などが問題として残っている。本研究では鍵を任意に選ぶことができる公開鍵暗号を組み合わせて利用する事によりこれらの問題を解決する手法の提案を行う。
 
武田 隆之 M2 松本 健一 伊藤 実 門田 暁人
発表題目:コーディングスタイルに基づくプログラム盗用検出手法
発表概要:大学などの教育機関のプログラミング演習課題において、他の学生が作ったプログラムを盗用して提出するという問題が頻出している。ひとつの課題に対し多くの類似した解答が提出されるため、その中から盗用を検出するのは非常に困難である。本発表では、解答のソースコードに対しコーディングスタイルの特徴量を取得し、比較することで盗用を検出する手法を提案する。手法の概要の説明、進捗状況と今後の課題について述べる。
 

会場: L3

司会:高橋 弘喜
夏原 一彰 M2 金谷 重彦 MD.ALTAF-UL-AMIN 湊 小太郎
発表題目:遺伝子機能推定を指向したタンパク質の分子系統解析
発表概要:次世代シークエンサーなどの新技術により、ゲノム情報は急速な勢いで増加しつつある。一方で、実験による遺伝子の機能アノテーションは非常に時間のかかるプロセスであるため、バイオインフォマティクスによる機能推定が期待される。 個々のタンパク質が活性サイトの変異により新しい機能を獲得して来たプロセスを解析することで、未知タンパク質の機能推定に役立てることを目指す。 具体的な例として、窒素循環に大きな役割を果たしているウレアーゼを含むスーパーファミリーを、金属結合サイトに着目した分子系統解析について報告する。
 
小川 祐樹 M2 金谷 重彦 MD.ALTAF-UL-AMIN 湊 小太郎
発表題目:真正細菌におけるFur結合領域のコンセンサス配列探索
発表概要:真正細菌にとって、鉄は生存に必要不可欠な要素のひとつである。鉄のホメオスタシスはsiderophore(三価鉄輸送キレート)によって保たれている。FurはDNAと結合することで、siderophoreの転写を厳密に制御している。また、Furは病原性細菌の毒素合成にも関わっている。Furが結合するDNA領域の配列はコンセンサスであることが知られているが、その配列はゆらぎが大きく、その法則性も曖昧である。本研究では、大腸菌のタイリングアレイデータからFur結合領域を同定、コンセンサス配列を探索する。また、病原性大腸菌のデータと比較することで、毒素合成に関わる領域の配列を予測し、他の病原性細菌における毒素合成領域の探索に応用する。
 
鎌倉 徳彦 M2 金谷 重彦 MD.ALTAF-UL-AMIN 湊 小太郎
Title : Distribution of interacting protein pairs with respect to their sequence similarity
Abstract : After determination of the genome sequences of a number of organisms, molecular biological research currently focusing on proteomics, especially on protein-protein interactions. To understand the evolutionary trend of protein-protein interactions , we determined distribution of interacting protein pairs with respect to their sequence similarity using BLAST-P for Arabidopsis. thariana. and Saccharomyces cerevisiae. We observed that most of the interactions occur between protein pairs having high similarity or high dissimilarity in terms of sequences (P-value less than 0.1 or more than 1.0). But we found that the probability of occurring an interaction between two proteins is higher if their sequence similarity P-value falls within the range 0.1
 
納庄 達也 M2 金谷 重彦 MD.ALTAF-UL-AMIN 小笠原 直毅
発表題目:生物活性と関連した最適塩基配列の抽出法
発表概要:生物活性に影響を及ぼす機能性塩基配列は、種々の生物において広く保存されている場合、多重配列アラインメント等により見出すことが可能である。しかし、明瞭に保存されていない配列の場合は、既存の解析方法では特徴的な配列を見出すことは困難である。また生物活性に対する任意の塩基配列の影響の強さを解析する方法は存在せず、その方法論もあまり多く研究されていない。そこで本研究では、シロイヌナズナ遺伝子に由来する5’UTRの熱ストレスに対する影響を調べ、そのデータを基に塩基配列と活性値を関連付けることで、活性値に最も寄与する塩基配列(最適配列)を抽出する新規の解析手法を検討した。多重共線性の問題を解決できるPLS (Partial Least Squares)を解析に用いて、塩基配列中に含まれるn塩基配列の頻度から発現量を予測するモデルを構築する。さらに、得られたn塩基配列頻度の係数をもとに、独自のアルゴリズムを用いて翻訳効率を促進するための最適塩基配列を抽出する。今回の発表では現在の進捗状況と今後の課題について述べる。