ゼミナール発表

日時: 11月30日(月)3限 (13:30-15:00)


会場: L1

司会:戸田 智基
庄司 賢太 インタラクティブメディア設計学 加藤 博一

発表題目:過去の痕跡を利用した状況推定支援システムの開発

発表概要:我々は普段の生活において暗黙のうちに自分や周りにいる人の状況を把握している。相手に配慮したコミュニケーションを行うためには,その人の状況を把握することが必要である。そこで本研究では『人がそこにいた』という目に見えない痕跡に着目した。痕跡とはその人がいつからそこにいて、いつまでそこにいたなどという情報である。これはユーザの行動を直接的に支援するものではないが、痕跡を元に推測し、行動に役立てることができると考える。本研究は過去の行動痕跡を提示するシステムを提案する。本発表では先行研究を紹介し、今後の研究方針を述べる。

 
田中 弘起 像情報処理学 千原 國宏
発表題目:論文紹介"Interference Avoidance in Multi-User Hand-Held Augmented Reality"
発表概要:共有物理環境における拡張現実感を用いたマルチユーザアプリケーションでは,ユーザ間の物理的な接触やユーザが他のユーザの見え方を妨害するといったユーザ同士の干渉が問題になる.そこでこの問題を解決するために,本研究ではハンドヘルド型ARにおいて,ユーザ同士の干渉の解決に効果的であり,気にならない干渉回避技術である"Redirected Motion"を提案している.
 
土屋 太二 視覚情報メディア 横矢 直和
発表題目:論文紹介"SLAP Widgets: Bridging the Gap Between Virtual and Physical Controls on Tabletops"
発表概要:ユーザフレンドリなインタフェースの研究として,近年マルチタッチテーブルインタフェースの研究が盛んに行われている.従来のマルチタッチテーブルインタフェースで用いられている指でのタッチ操作は,ユーザに直感的な操作を与える一方,触角フィードバックが欠如しているという問題がある.この問題を解決する手法として,本研究では,人が従来から使い慣れた道具を模った,SLAP Widgetsと呼ばれる装置を用いることで,触角フィードバックを伴った直感的操作を実現する.さらに,この装置を透明な素材で構成することで,リアプロジェクタによって装置に映像を投影することができ,装置の機能割り当てを動的に行うことが可能になる.
 
花光 政和 知能情報処理学 木戸出 正繼
発表題目:マルチカメラを用いた高精度姿勢推定
発表概要:モーションキャプチャは映画やゲームのCGキャラクターの動き、人間の運動解析などさまざまな場面で応用されているが、スーツの着用などのわずらわしい制約が付随するため、人間本来の細かな動きの再現を阻害している。そこで本研究では非接触のセンサであるカメラを用いたマーカレスモーションキャプチャの実現を目的としている。この分野の研究は既に多く行われており各々違ったフォーカスを設定しているが、本研究に関しては高精度という点に焦点を絞る。本発表では、これまで我が研究室で行われてきた同様の研究を説明し、課題や改善点について述べる。
 
馬場口 豊 視覚情報メディア 横矢 直和
発表題目:論文紹介"Single Image Haze Removal Using Dark Channel Prior"
発表概要:本論文では、Dark Channel Priorと呼ばれる単純であるが、効果的な事前情報を用いて画像中の霧を除去する手法を提案する。Dark Channel Priorとは霧のかかっていない野外で撮影された画像の一種の統計値であり、この事前情報と画像における霧のモデル式を用いることで高品位な霧除去画像を生成する。
 
林 浩一 視覚情報メディア 横矢 直和
発表題目:論文紹介"Coordinates for Instant Image Cloning"
発表概要:本研究ではポアソン画像合成の高速化を紹介する.従来,シームレスな画像合成を実現するためにポアソン方程式を用いた手法が提案されている.しかしながらこの手法ではポアソン方程式を解くための反復処理によって処理コストが大きくなる点が指摘されている.そこで本論文ではMVC(Mean Value Coordinates)によってポアソン方程式の近似解を高速に求める手法の提案と高速化したことにより実現した動画への応用を紹介する.
 

会場: L2

司会:小木曽 公尚
佐藤 拓 生命機能計測学 湊 小太郎
発表題目:自転車エルゴメータ駆動中における下肢筋の筋電図周波数解析
発表概要:自転車エルゴメータによるペダリング動作は、下肢の骨関節疾患全般に対する運動療法に用いられている。 しかしながら適切な運動処方を行うためには、運動時の筋の状態を十分に把握することが重要となる。 そこで表面筋電図を用いてペダリング動作における筋活動の評価を行うことを目的とする。 今回の発表では、表面筋電図を運動処方の指標として提案する論文の紹介を行い、今後の研究方針について述べる。
 
西田 将人 応用システム科学 杉本 謙二
発表題目:加減速を伴う移送遅れ系のむだ時間制御に関する研究
発表概要:制御プラントにおいてむだ時間はしばしば取り扱い難い問題の一因となりうる.このような現象が起きる例として鉄鋼業におけるランアウトテーブル(ROT)冷却プロセスが挙げられる.このプロセスは熱間圧延後の鋼板を目標温度に冷却するものである.圧延後の鋼板は水冷スプレーバンクで冷却されたのち放射温度計で温度が検出されるが,放射温度計はスプレーの影響を避けるため冷却バンクから離れた位置に設置されている.それにより,制御入力であるスプレーの影響があるむだ時間を経て温度として出力される.これに加え,生産性を得るために鋼板速度が変化するため,この系は加減速を伴う移送遅れ系となる.本発表ではROT冷却プロセスの温度制御を行った論文の例を紹介し,時変の移送遅れ系のむだ時間制御を検証する.さらにスミス法による制御結果について考察を加え,今後の研究方針について述べる.
 
前田 一真 生命機能計測学 湊 小太郎
発表題目:新生児先天性心疾患の心血管形状モデリング
発表概要:新生児の先天性心疾患の診断には心臓超音波検査(心エコー)が非常に有用である。専門医は心エコー画像から頭の中で3次元形状を構築することで診断している。 しかし、専門医が頭の中で構築している3次元形状を提示する方法がなく、専門医と第三者の間で共通認識を得ることが困難である。特に重症心疾患の場合、心内構造のみならず心臓周辺の血管の形態や相互の位置関係を把握することは治療戦略を立てる上で重要である。そこで本研究では、専門医の手入力でインタラクティブに心血管のモデリングを行うことで、専門医のイメージを第三者に正確に伝えることができるようなシステムの開発を目的とする。今回の発表では、提案手法と今後の研究方針について述べる。
 
張 祖杰 論理生命学 池田 和司

発表題目: Convergence Analysis Of Stereo Acoustic Echo Canceller With Preprocessing Units In Both Channels

発表概要: The convergence properties of stereo acoustic echo cancellers with preprocessing units in both channels will be examined. At first, the difference between this two preprocessing units model and the former one will be discussed. After that, we will take a look at how do we understand the convergence progress in a geometric method. At last, some results of the computer simulation will show the advantage of this model.

 
増田 博樹 生命機能計測学 湊 小太郎
発表題目:薬物治療おける薬剤選択支援システムの開発
発表概要:薬物治療における薬剤の選択は、患者の状態や薬剤の性質など幅広い知識を元に判断する必要がある。しかし、薬剤の選択に関して医師を支援するシステムは現在実用化されておらず、こういったシステムを提供することは医療の安全性確保や医師の負担軽減等の観点から重要な課題であると考えられる。 本研究では先行研究における問題点を元に、維持管理に適した効率的な薬剤のデータベースを構築し、合理的に薬剤の選択が可能なシステムの開発を目的とする。 今回の発表では、その実現へ向けた提案手法を紹介する。
 

会場: L3

司会:和泉 順子
小倉 和也 ソフトウェア基礎学 伊藤 実
発表題目:スマートスペースにおける省エネルギーを目指した行動支援及び情報家電制御
発表概要:近年,エネルギー問題に対する人々の関心が急速に高まっており,ユビキタスシステムの技術を活用して省エネルギーを達成するための情報家電の自動制御や消費電力モニタリングに関する研究が行われている.これまで,センサから取得したコンテキストを基にデバイスを適切に制御することで,消費電力量を削減する方法が研究されてきた(人がいない部屋のデバイスの電源を切ったり,複数の空調機を組み合わせて使用することで目的の室温をより少ない消費電力量で達成するなど).しかし,これら既存手法で削減できる電力量は数パーセント程度と限定的である.他方,各デバイスの消費電力を実時間で表示することで,ユーザの省エネ意識を高め,ユーザの自制により大きな省電力効果が達成できることが報告されており,省エネのためにユーザの自制を効果的に促す方法が求められている.本研究では,ユーザへのある程度の我慢を伴う行動支援を通して,指定した省エネ目標を実現する家電制御法を提案する.提案手法では,供給電力量を減らすことによるユーザの快適性の低下度合いが,各デバイス毎に与えられると仮定する.その上で,総合的な快適性の低下度合いが最小となり,かつ,省エネ目標を達成するような,各デバイスへの供給電力量を決定する問題を定式化する.発表では,本問題の定式化と問題を解く基本方針について述べる.
 
高松 悠 ソフトウェア基礎学 伊藤 実
発表題目:受信期限を考慮したBluetooth・携帯電話網併用協調ダウンロード手法の提案
発表概要:本研究では,携帯電話網を圧迫することなく多数ユーザによる大容量コンテンツの取得を可能にするため,Bluetoothと携帯電話網を併用する協調ダウンロード手法を提案する.本手法では,ユーザがBluetooth通信機能を備えた携帯電話端末を所持しており,幾つかの大容量コンテンツ(固定サイズの断片に分割されているとする)を指定した受信期限までに取得したいと仮定する.また,各ユーザが今後どのような経路で移動するかが分かると仮定する.提案手法では,各ユーザが移動経路上で出会う他のユーザとBluetoothにより効率よくコンテンツ(断片)を交換できるようにするため,ユーザの経路情報から,各ユーザがいつ誰とBluetooth通信可能な範囲に入るのかを予測し,できるだけ多くの断片を他ユーザからBluetooth通信により取得できるよう計画する.また,経路上で出会うユーザから直接欲しい断片をもらうだけでなく,それらのユーザに中継してもらうことで移動中に出会わないユーザが持っている断片を取得する方法も導入する.なお,上記の方法で,受信期限内に他のユーザから受け取ることができない断片は,携帯網からダウンロードする.以上の方法により,Bluetoothを使って取得する断片の数を増加させ,携帯電話網の圧迫を軽減する.
 
Kouakou Nanan Marc Thierry ソフトウェア基礎学 伊藤 実
発表題目:Semi-optimal deployment of Three-Dimensional Wireless Sensor Network for Full-Coverage in an indoor environment
発表概要:Three dimensional wireless sensor networks (3D WSNs) have attracted much research interest due to their wide variety of applications, such as home automation and smart environment monitoring. One of the challenges in 3D WSN is how to achieve full coverage of the target monitoring space and connectivity between sensor nodes with as low deployment cost as possible.
However, the 3D WSN coverage problem is NP-hard since it includes the minimum set covering problem known to be NP-hard. Some heuristic methods have been studied to solve the 3D WSN coverage problem by reducing the 3D geometry to the 2D or by neglecting the obstacles in the target space. Both methods could lead to some deployment errors caused by the inaccuracy of the obtained results.
The purpose of this research is to develop a new heuristic algorithm that produces a near optimal sensor node deployment that minimizes the cost for achieving the full coverage of a 3D target space with obstacles. First, we discretise the problem by representing the target 3D space (as well as the sensor node deployable space) by a set of grid points included in the space. Our algorithm puts sensor nodes one by one on a grid point of the deployable space in the descendant order of the number of the target space points covered by each node. Then, the algorithm adds extra nodes to cover the areas in the space that are cut off by the obstacles.
 
Noppawat Chaisamran インターネット工学 山口 英
発表題目:SPIT Detection based on SIP Signaling and Call Behavior
発表概要:SPIT or Spam over Internet Telephony is an unsolicited bulk calls sent via VoIP networks. It becomes serious problems as the use of VoIP grows. Countermeasures against SPIT face challenges in identifying and filtering SPIT in real time. Unlike e-mail spam, content filtering is ineffective against SPIT because it is difficult to analyze the real time audio content. The objective of my research is to propose the SPIT detection technique based on SPIT signaling and call behavior that does not require SIP server modification and can be deployed in a non-intrusive manner to users. Today, one research paper is introduced. The title is “Use call patterns to detect unwanted communication callers and number harvesters”. The proposed method calculates a score for each caller by using naïve Bayes with three parameters; user relationships, rate of unsuccessful calls, and average call duration. The current issue and my research plan are also described.
 
馬 妍妍 情報コミュニケーション 岡田 実
title: Research Article "Optimally joint Aubcarrier Matching and Power Allocation in OFDM Multihop System"
Summery:Orthogonal frequency division multiplexing(OFDM) multihop system is a promising way to increase capacity and coverage. I will introduce a paper in which a optimally joint subcarrier matching and power allocation scheme to further maximize the total channel capacity with the constrained total system power. And the simulation results show that the proposed scheme achieves the largert total channel capacity as compared to the other schemes.