モバイルアドホックネットワーク（MANET）は，今後の重要なインフラストラクチャの一つになると期待されている．しかし，MANETを構成する端末（ノード）は頻繁に移動するため，ネットワークトポロジも頻繁に変更される．これに対応するため，多くのルーティング手法が提案されてきており，それらはオンデマンドに経路を発見する際の経路発見 メッセージの転送オーバーヘッドや，ルーティングテーブル維持のオーバーヘッドを緩和することなどを設計目標としてきた．本発表では、これらを目標とするルーティング手法を紹介する．

インターネットが全世界をつなぐ通信基盤となり，SkypeなどのP2Pオーバーレイ アプリケーションなど世界中の数百万オーダーのユーザが利用するアプリケー ションの公開や事業展開が一般的になってきた． しかしながら，アプリケーションについてのスケーラビリティテストの多くは， アプリケーションのリリース後に実インターネット環境で実際に動かすことで行 われることがほとんどである．これは公開前にアプリケーションの実行プログラ ム自体を用いて実インターネットを想定したスケーラビリティテストを行えるテ スト環境やテスト手法がほとんど存在しないためである．

本講演では，講演者が情報通信研究機構の三輪信介氏，鈴木未央氏と行っている 実インターネットを模倣した「模倣インターネット環境」の構築手法と，「模倣 インターネット環境」上でのアプリケーションスケーラビリティテスト手法の研 究について紹介し，実際に北陸リサーチセンター内にある大規模シミュレーショ ン設備を使用して構築した「模倣インターネット環境」を用いたいくつかのアプリケーションスケーラビリティテストを紹介する．