講演者:
| 林 和則(京都大学大学院 情報学研究科) |
題目:
| 代数的トポロジーとセンサーネットワーク被覆問題 |
概要:
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Robert Ghrist(イリノイ大学)によって導入された代数的トポロジーのセンサーネットワークへの応用に関する研究が注目を集めている.これは,センサーネットワークにおけるセンシング対象領域の被覆やターゲット数え上げといった問題に,”トポロジー”という我々多くの通信工学の研究者にはあまり馴染みのない数学の道具を用いて解を与えたものであるが,近年計算数学の分野で開発された高速ホモロジー群計算ソフトウェアの登場と相まって,理論的にも工学的な応用上も大変興味深い手法である.本講演では線形代数に関する予備知識のみから,単体複体やそのホモロジー群について
簡単な導入を行い,Ghristらの被覆問題に関する研究紹介を行う.また,ホモロジー群計算ソフト「CHomP」を用いて実際にデモを行い,パソコンで簡単にホモロジー群が計算出来ることを確認する.さらに,最近の荒井(北大),林(京大),平岡(広大)によるMayer-Vietoris完全系列を用いた分散型ホモロジー群計算アルゴリズムについても解説する.
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