清水 祐紀 M2 | 藤原 秀雄 | 中島 康彦 | 井上 美智子 | |
発表題目:ADDを用いたテスト環境生成問題について
発表概要:LSIの大規模化,高集積化に伴い,ゲートレベル回路の要素数が膨大となっているため,現在開発されているテスト生成アルゴリズムでは,回路の故障の有無を調べるためのテスト系列を高速に生成することは困難である.そこで本研究では,ゲートレベルに比べて扱う要素数の少ない設計の上流からテスト生成する方法として,ADD(Assignment Decision Diagram)で表現されるレジスタ転送レベル回路を対象に,それらを構成する各要素のテスト環境を生成する問題を考察する.従来手法として,GhoshらやZhangらの方法が提案されているが,本来テスト環境が存在するにも拘らず生成に失敗する場合が数多く存在する.本発表では,さらに多くのテスト環境を生成するためのアイデアを示し,従来手法との比較から提案手法の有効性を示す. | ||||
吉田 宜司 M2 | 藤原 秀雄 | 中島 康彦 | 井上 美智子 | 米田 友和 |
発表題目:マルチクロックドメインコアに対するラッパーの一構成法
発表概要:LSI設計と生産技術の発展により,複数のコアが搭載されたSoC(System-on-Chip)が実現されている. SoCのテストを行うためには,テストアクセス機構とラッパーの設計が必要である. また,近年のSoCに組込まれるコアでは,複雑な機能や低消費電力を実現するために,コア内部に複数のクロックドメインを持つ. そこで本研究では,複数のクロックドメインを持つコア(マルチクロックドメインコア)に対する再構成可能ラッパー設計法を提案する. 提案手法では,マルチクロックドメインコアにおけるドメイン内テストおよびドメイン間テストのテストデータ量のばらつきを考慮し,テスト実行を2つのステップに分割する. 分割した各ステップに対して最適なラッパーを設計し,再構成可能とすることでテスト時間を削減する. 本発表では,提案手法のアイデアを示し,従来手法に対するテスト実行時間の削減率をを示す. | ||||
吉村 智浩 M2 | 藤原 秀雄 | 中島 康彦 | 井上 美智子 | 大竹 哲史 |
発表題目:RTL回路情報を用いた故障診断
発表概要:LSIのテストには故障の有無を確認する故障検出と故障の位置を特定する故障診断がある。また、故障検出/診断にはテストパターンを生成するテスト生成と、実際に故障の有無を確認、または、故障の位置を特定するテスト実行とがある。そして近年は、テスト容易化設計によりテストの容易性を向上するように回路構造を変更することが行われている。テスト容易化設計には完全スキャン設計や強可検査法などがある。完全スキャン設計はテスト生成が高速に行えるが、テスト実行に時間がかかる。強可検査法では外部入出力とモジュール間で任意の値を伝搬できるようにすることにより、テスト生成・テスト実行共高速に行える。完全スキャン設計では故障検出と故障診断共に容易になるが、強可検査法では故障検出は容易になるが故障診断の能力についてはよくわかっていない。そこで、本研究では強可検査回路と完全スキャン回路の、互いに区別できない故障数の平均である診断分解能を測定・比較することにより強可検査回路の故障診断容易能力について調査し発表する。 | ||||
植本 雄一 M2 | 藤原 秀雄 | 中島 康彦 | 井上 美智子 | 大竹 哲史 |
発表題目:テストコスト削減のためのレジスタバインディング法
発表概要:近年、LSIの微細化、高速化によって遅延故障の製造テストが重要になってきている。代表的な遅延故障のモデルにパス遅延故障がある。パス遅延故障とは、LSI上のパスの視点でおこった遷移が規定時間内に終点に伝搬しない故障のこ とである。パス遅延故障テストには微小な遅延が検出できるという利点がある一 方で、LSIのゲートレベルパス数が膨大になるため、テストコストが大きくな るといった問題がある。また昨今、LSIは生産性向上のために抽象度の高いレ ベル(高位)からの設計がされており、これによってパスの基本構造も決定す る。そこで本研究ではLSI上のパスを最小化することでテストコストを削減す るリソースバインディング法について提案する。ここでリソースバインディング とは高位の設計の工程の一つでLSIの実現すべき機能のためにハードウェアリ ソースを割り当てることをいう。これによって高位でテストすべきパスの数を削 減することができるため、テストコスト削減のために大きな効果が期待される。 | ||||
森本 智志 D2 | 石井 信 | 松本 健一 | 柴田 智広 | |
発表題目:推論に関わる脳部位の機能分離 発表概要:ヒトは不完全な情報を推論によって補うことで、適応的に意思決定を している。こうした推論には脳の前頭前野が関与していることが示唆されてきた。しかし、実環境は複雑であり複数の推論を同時に行うことがあるが、複数の高次な認知負荷の切り分けは実験デザインそのものが困難であるため、未だ脳内でどのように実現されているのかよくわかっていない。本研究では、特に時間的優先度の異なる二つの推論に注目した。時間スケールの異 なる二つの推論を同時に行う心理課題を作成し、推論の負荷を数理モデルで記述 することで、両推論を行う脳の機能マッピングを試みる。なお、まだ脳 計測を行っていないため、本発表では心理課題のデザインと推論負荷のモデル、現在進めて いるテスト実験について報告する。 | ||||
内田 肇 D2 | 石井 信 | 松本 健一 | 川人 光男 | 神谷 之康 |
古田 賢吾 M2 | 石井 信 | 松本 健一 | 川人 光男 | 神谷 之康 |
発表題目: 選択的注意による形探索パフォーマンス向上の神経機構 | ||||
前田 雄翔 M2 | 金谷 重彦 | 小笠原 直毅 | 川端 猛 |
発表題目:塩基配列情報に基づいたtRNAアーキテクチャ解析
発表概要:大量のtRNA塩基配列情報を有したデータベースtRNA-CEが構築された。本研究では、tRNA-CEデータベースから全30544種のバクテリアのtRNA塩基配列情報を用いて、tRNAの様々なセグメントの配列出現頻度を調べてtRNAの二次構造に依存しないが保存性のあるセグメントを検討することを目的とする。また、細胞の構造や進化的に大きく異なるEubacteriaとArchaeaに分けて同様の解析を行なうことにより、両者のtRNA塩基配列の違いを検討する。 | |||
宮崎 菜穂 M2 | 金谷 重彦 | 小笠原 直毅 | 川端 猛 |
発表題目:16SrRNA遺伝子を用いたヒト常在細菌フローラの多様性解析
発表概要:ヒトの体内には病原細菌や常在細菌が生息している。これらの細菌はヒトの健康に影響を及ぼしており、ヒトの体内に生息する細菌のゲノム研究は重要なテーマと位置づけられる。しかしながら、ヒトの体内を含めた環境中に生息する細菌の99%以上が難培養性細菌であるため、通常の単離・培養を要する研究は難しい。本研究で用いた16SrRNA遺伝子は配列の保存性が高く、全ての細菌種に存在するため、種の同定など系統マーカーとして用いられる遺伝子である。このような系統マーカーを用いると、ヒト常在細菌のように難培養性細菌が多く存在する細菌フローラでも、単離・培養することなく網羅的に解析することが可能である。本研究では、比較的情報量の多い、ヒトのGut(大腸)、Skin(皮膚)、Lung(肺)、Oral(口腔)、Vagina(膣)の5部位に生息する常在細菌、計53,208本の16SrRNA遺伝子の解析を行い、各部位における常在細菌フローラの多様性やその特徴を探る。 | |||
伊藤 世士洋 M2 | 金谷 重彦 | 小笠原 直毅 | 川端 猛 |
発表題目:ヒト腸内メタゲノムデータと既知の細菌ゲノムの比較による腸内細菌の特徴の抽出
発表概要:ヒトの腸内に存在する大腸菌は病原性や免疫などヒトの健康に直接関与する因子であると考えられ、ヒトの腸内大腸菌の特徴を理解することは重要である。現在、10種類以上の大腸菌株のゲノムが公的データベース上に登録されている。しかし、データベース上に登録されている大腸菌株が自然界に存在する大腸菌種の全体の特徴を示しているとはいえない。細菌種全体の特徴を抽出するために、従来のゲノム解析と比較して偏りの少ない情報を得ることができるメタゲノムデータを用いることが有効であると考えられる。本研究では腸内大腸菌の特徴を抽出することを目的として、ヒト腸内メタゲノムデータに含まれる腸内大腸菌の配列情報と既知の大腸菌株のゲノムの比較解析を行う。 本発表では現在までに得られた研究結果と今後の研究方針について報告する。 | |||