山本 博之 | ソフトウェア工学 | 松本 健一 | |
発表題目:プログラム中の名前とバグの関係の分析
発表概要:ソフトウェア開発において,限られた開発期間で信頼性を確保するためには,テスト工程の効率化が重要である.Fault-proneモジュール(バグを含む可能性の高いモジュール)を特定できれば,テスト工数を重点的に割り当てることができる.既存研究に,ソースコードの構造や複雑さを数値化したメトリクスを用いてFault-proneモジュールを特定する手法が提案されている.しかし,作り込みが不十分なために,構造には問題がないがバグが存在するモジュール(実装不十分モジュール)も多く,それらの特定が課題であった.本研究では,「実装不十分モジュールはプログラム中の特定の名前と関連がある」という仮説に基づき,Eclipse3.0を題材として,モジュール中の変数名とモジュール内のバグの有無との関係を分析した.分析の結果,一部の名前はバグと強い関連があり,それらは特定のソフトウェア機能に集中していることなどが分かった. | |||
山本 瑞起 | ソフトウェア工学 | 松本 健一 | |
発表題目: OSSコミュニティにおけるソフトウェア開発理解のための時系列分析
発表概要:多くのOpen Source Software(OSS)はバザール方式と呼ばれる開発形態によって開発が進められている.バザール方式では,バザールでの売買のようにコミュニティの参加者を限定せず,指揮系統の少ない組織構造で開発が進められるという点で,企業における開発形態と大きく異なる.従来の研究では,OSSコミュニティは成長と共にバザール方式のようなオープンな組織構造から保守的な組織構造へと進化するということが指摘されている.しかしながら,バザール方式から他の開発形態に進化するに伴って,コミュニティやプロダクトがどのように変化するかについては明らかにされていない.そこで,本発表では,代表的なOSSの1つであるApache HTTP Server プロジェクトをケーススタディとして,コミュニティやプロダクトがどのように変化したかについて報告する. | |||
横峯 大輔 | コンピューティング・アーキテクチャ | 中島 康彦 | |
発表題目:論文紹介“Upper bounds of a class of imperfect quantum sealing protocols”
発表概要:量子力学を基にした量子暗号通信として量子封印が提案されている.量子封印とは,すべての受信者は送られたメッセージを読むことが可能であるが,送信者は読まれたことについていつでも知ることが可能であるというものである.イメージ的には,ソフトウェアのパッケージを開く際のシールがはがされているかどうかで開封確認を行うようなものである.本発表では,1ビットの封印を行う量子ビット封印について,その復号率と検出率の間にはトレードオフの関係があることを示すことにより量子ビット封印の安全性には問題があることを示した論文を紹介し,最後に今後の研究テーマについて述べる. | |||
吉村 巧朗 | ソフトウェア工学 | 松本 健一 | |
発表題目: デバッガ使用環境下におけるデバッグ行動の分析
発表概要:ソフトウェア中にバグの存在が確認されれば早期に除去しなければならない. そのためデバッグ作業の効率化が求められ,デバッガ等の支援ツールが開発されてきた. しかし,デバッグ作業の効率はプログラマの能力に大きく依存することが指摘されている. そこで過去,デバッグ作業を分析し,作業効率を高めようとする研究が行われてきた. これらはデバッガなどの支援ツールを使用しない環境に対して分析を行っている. だが統合開発環境が普及し,開発されるソフトウェアの規模が増大してきた現在において, デバッガを用いずにデバッグ作業を行うのは現実的ではない. そこで本研究ではデバッガ使用環境下において,プログラマのデバッグ能力によりプログラムの 読み方にどのような差異が表れるか明らかにすることを目的としている. | |||
吉竹 大輔 | 像情報処理学 | 千原 國宏 | |
発表題目:自由飛行時におけるトンボの3次元全周形状計測手法 発表概要:昆虫などの生物の飛行メカニズムは,小型無人飛行体の開発を目標の一つとして日々研究されている. 昆虫の静止飛行におけるメカニズムの解明は昆虫型羽ばたきロボットを用いて実際に計測を行うことで行われている.しかし,実際の昆虫飛行とは違うため,昆虫型羽ばたきロボットでは急旋回のような自由飛行データの解明というのは行うことが困難である.そこで本研究では,トンボを対象として自由飛行における3次元全周形状の計測と計測手法の提案を目的として研究を行う.今回の発表では,それらの環境を構築するため行った予備実験と今後の方針について述べる. | |||
若松 泰律 | 像情報処理学 | 千原 國宏 | |
発表題目:論文紹介”A hand gesture recognition system based on local linear embedding”
発表概要:ハンドジェスチャ認識の研究は、インタラクティブヒューマンインターフェース、仮想環境への応用のため、広く研究されている。ジェスチャ認識は、大まかに分けて、グローブなどのセンサーで姿勢を推定するタイプと、動画像から手を抽出して形状を推定するビジョンタイプがある。しかし、グローブを使用するタイプは装置を装着しなければならないという点から、近年はビジョンタイプのジェスチャ認識が盛んである。本論文では、特殊な装置を使用せず、USBカメラと計算機を使用することで実時間におけるジェスチャ認識を実現する。手の領域抽出には肌色の特徴を利用して抽出を行い、認識手法については局所線形埋め込み法を使用した。実験として、Chinese Sign Languageの属する30個のジェスチャ認識を行い、結果平均90%の割合でジェスチャ認識に成功した。 | |||
森家 康文 | 像情報処理学 | 千原 國宏 | |
発表題目:冷蔵庫内食材の在庫管理システムの構築
発表概要:近年におけるネットワーク技術の進展に伴い,ネットワークを介して他の家電やインターネットに接続することで様々な機能を提供するネットワーク家電への期待が高まっている.ネットワーク家電の例として,専用端末でデータベースを管理することにより,冷蔵庫内の在庫や在庫を用いたレシピを携帯端末で確認できる冷蔵庫がある.しかし,データベース更新の度に専用端末を操作するのは非常に不便である為,本研究では画像認識の技術を用いることによりこの作業の簡便化を図る.また,データベース内容の更なる充実も目指しており,その付加要素として,鮮度などの情報を利用することを視野に入れている.本発表では現在の進捗状況を報告し,今後の方針について述べる. | |||
山端 寿久 | 像情報処理学 | 千原 國宏 | |
発表題目:論文紹介"Radiance caching for participating media",Wojciech Jarosz. 2008. ACM Trans. Graph. 27, 1, Article 7
発表概要:高品質な3次元コンピュータグラフィクスの画像を生成するには大域照明の計算が必要である.しかし生成画像の雑音を抑えるためには膨大な計算時間や計算機資源が求められる.この課題に対して放射照度キャッシングという手法が近年注目されている.本発表では,放射照度キャッシング法を方向成分を含む放射輝度に拡張することで関与媒体における散乱光のレンダリングが可能であることを示した論文を紹介する.またこれを踏まえた自身の研究テーマについて述べる. | |||
平松 達也 | インタラクティブメディア設計学 | 加藤 博一 | |
発表題目:災害復興活動の現状を考慮した災害ボランティア活動支援システムの提案
発表概要:阪神大震災の発生によって広域災害対応における問題点が明らかになり,それらへのアプローチとなる種々の研究が今までおこなわれてきた.しかし,近年の広域災害への対応をみると,それらの研究の成果があまり生かされていないということがわかった.本研究では従来の災害復興活動支援システムによるサポートがほとんど行われていない災害ボランティア活動に着目し,現状の問題点の分析とボランティア活動支援のために必要な機能の設計,構築を行う. | |||
"SOARES, FRANCISCO DALLA ROSA" | 自然言語処理学 | 松本 裕治 | |
発表題目:The Statement Map Project
発表概要:The Statement Map Project is dedicated to helping users evaluate the credibility of information sources on the internet. It does this by extracting key statements from various webpages and identifying relations between them. By helping the user identify supporting and conflicting opinions on a given topic, the user will be able to come to an informed decision about the a determined subject and about the credibility of a given source of information. The Statement Map Project combines aspects of RTE (Recognizing Textual Entailment) and MPQA(Multi-Perspective Question Answering) covering a wide variety of logical relations | |||
藤田 洋子 | 音情報処理学 | 鹿野 清宏 | |
発表題目:音声対話システムにおけるSVMを用いたタスク外発話識別 発表概要:質問例とのマッチングを用いた音声対話システムは,想定内の質問に対して柔軟な応答を可能にするが,タスク外発話に対して応答誤りをおかす.そこで本研究では,タスク外発話にも対処できる対話システムを目指し,今回はSVMを用いてタスク外発話とタスク内発話を識別する手法を検討した.本発表では,特徴量として(1)音声認識結果と質問例との類似度および入力形態素数,(2)応答ドメイン(全275種)ごとに最近傍法を用いて選び出した質問例との類似度を,検討した実験結果を報告し,今後の方針について述べる. | |||
藤吉 泰晴 | 生命機能計測学 | 湊 小太郎 | |
発表題目:胸腔鏡手術における肺の内部構造のリアルタイム可視化システムの研究
発表概要:近年,患者に負担がかからない内視鏡を使った非浸襲な手術方法が考案されている.しかし内視鏡は視野が狭いため作業が作業がしにくく,術者にかなりの負担があるといえる.最近では,術者の負担を減らすために手術箇所を術者に伝える手術支援システムに関する研究が行われている. そこで本研究では,胸腔鏡手術における肺の内部構造をリアルタイムで可視化するシステムの開発を提案する.本発表では現在行われている胸腔鏡を使った肺の手術支援システムに関する研究について紹介し,今後の研究方針について発表を行う. | |||
牧山 彰太 | 知能情報処理学 | 木戸出 正繼 | |
発表題目:車載マルチカメラによる死角のない広範囲合成映像の生成
発表概要:近年,高度道路交通システム(Intelligent Trasport Systems;ITS)に関する研究が盛んに行われており, その中でも,ドライバーの安全運転を支援するツールとして車載カメラが注目されている. 車載カメラを利用したドライバーの視界補助システムとして,マルチカメラによる車両周囲の映像を変換し, 表示するシステムが開発されているが,任意視点からの映像に変換するため死角となる部分が存在してしまう. そこで,本研究では車載マルチカメラによる映像から,死角のない広範囲合成映像を生成することを目的としている. | |||
増山 史倫 | 知能情報処理学 | 木戸出 正繼 | |
発表題目:目的指向型の運動プリミティブ抽出
発表概要:近年、機械は複雑化してきており、ヒューマノイドロボットが開発されるまでに至っている。そのような複雑な機械に滑らかな運動を実現させるには見まね学習というアプローチが有効である。しかし従来の見まね学習アプローチは設計者によって行動数の指定や運動パターンの分類作業が必要であり、また提示された運動をそのまま再生することしか可能でない。本研究では、ただ人間の動きを真似するのでなく、達成したいタスク、目的に沿った運動を行えるような運動プリミティブを抽出する仕組みについて提案していく。 | |||
道畑 暁 | 生命機能計測学 | 湊 小太郎 | |
発表題目:論文紹介(Linear Rotation-invariant Coordinates for Meshes)
発表概要:現在のメッシュ修正技術では、修正前後で体積が保存されないという問題がある。また、有限要素法を非線形問題へ拡張した方法では、計算時間が大きく不安定であるため、手術時における腎臓の回転やひねりに伴う変形、肺の術前術後の変形などを精緻にシミュレートするという医療現場の要望にこたえることが難しい。その解決方法として、メッシュ表現における線形かつ回転不変な座標系を用いたメッシュ修正の達成を目標とした上記の論文を紹介する | |||