ゼミナール発表

日時:11月28日(金)3限(13:30-15:00)


会場:L1

司会:中田 尚
水谷 后宏 インターネット・アーキテクチャ 砂原 秀樹
発表題目:実環境において複数のOverlay Networkの並列検証を可能にする基盤の構築
発表概要:提案するOverlay Networkの優位性を示すために、多様化する既存のOverlay Networkとの比較検証が重要になる。しかしエミュレーションでの検証では外部要因(churn/トラフィック異常/ネットワークリソースの変化)が存在しないため、比較的容易に検証が可能だが、実環境では、外部要因が存在するため、様々なOverlay Networkを公平に検証することが困難である。そこで本提案では、様々なOverlay Networkを一つのOverlay Network(infra)上で並列に管理することにより、infra上での外部要因の発生を並列化されたOverlay Networkにフィードバックし、同一環境での公平な検証が可能とする基盤を構築する。
 
森部 皓裕 インターネット工学 山口 英
発表題目:論文紹介"Identifying MMORPG Bots:A Traffic Approach"
発表概要:MMO(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game)においてBOTというスクリプトで設定されたAIプレイヤーがゲームバランスを壊してしまうという問題がある。この論文では、この問題を効率的に対処するため、BOTのトラフィック分析を行い、分析結果からBOTの検知指標を提案し、その評価を行っている。また、今回提案を行った指標に対する想定されるBOT開発者による対策にも検討も行っている。
 
和田 哲英 情報コミュニケーション 岡田 実
発表題目:TDDシステムにおける自己組織型基地局間同期に関する研究
発表概要:WiMAXに代表されるTDD(Time Division Duplex)では,基地局間のフレーム同期がシステム性能を決める重要な指標となる.同期を取る手法として現在広く用いられているのは,GPS受信機を各基地局に配置して時間基準を抽出するという手法であるが,高精度のclockが非常に高価であることやそもそもGPS信号が届かない場所が存在することから,GPS信号を用いない同期手法が望まれている.そこで本研究では,各基地局が周囲の基地局の送信信号を受信し,受信した信号のタイミングエラーの重み付き平均を取ることで自律分散的に基地局間の同期を取る手法を提案し,その有効性を検証する.
 
渡部 進一 情報コミュニケーション 岡田 実
発表題目:スペクトル拡散を用いた領域判定システム
発表概要:スマートエントリーシステムにおいて使用される携帯機のバッテリーは大きさに制限があるため、容量に限界が生じる。現在のシステムにおいては、消費電力の削減のため間欠受信を行っているが、数年でバッテリーの交換が必要となる。消費電力の削減を行う方法の一つとして、自動車の車内か車外かを知ることで間欠受信の間隔を変化させる手法が考えられる。そこで、車内と車外を区別する方法として、3 つのアンテナを使用してスペクトル拡散を用いた信号を送信し、その相関値を求めることにより領域を判定するシステムを提案し、その特性を評価する。
 
辛 イー斌 情報コミュニケーション 岡田 実
発表題目:地上デジタルテレビ放送のガードインターバル越干渉の周波数領域キャンセラに関する研究
発表概要:OFDMはマルチパスに強い特徴を持ち、このような複数キャリアの問題を克服するため、最小の周波数間隔によってマルチキャリアを実現し、非常に高い周波数利用効率を誇っている。しかし、マルチパスの遅延広がりがガードインターバル(GI)を超えると誤り率特性は著しく劣化する。本研究では、地上デジタルテレビ放送の通信環境下でGI長を超える遅延波による干渉をキャンセラする方法を提案する。
 
房 聖恵 インターネット工学 山口 英
発表題目:Introduce a paper of "Assessment of Urban-Scale Wireless Networks with a Small Number of Measurements"
発表概要:The wireless mesh network (WMN) is a communications network consisting of multiple radio nodes. Since spreading radio nodes provide the wireless Internet connectivity anywhere, WMN enables users to seamlessly access the Internet. Then, we have more stability and mobility in WMN. In order to evaluate, improve, or expand a deployed citywide wireless mesh network, it is necessary to assess the network's spatial performance. In this paper, the authors presented a general framework to accurately predict a network's well-served area, termed the metric region, based on a small number of measurements. In this study, to estimate performance metrics such as signal strength, in the coverage area of a radio node, they used path loss of metric region. Furthermore, as terrain features affect path loss, they also had refinement framework which is to predict coverage based on a small number of measurements. After the explanation of the paper, I state my thinking about WMN construction.
 

日時:11月28日(金)3限(13:30-15:00)


会場:L2

司会:中西 正樹
柴田 淳一郎 ソフトウェア工学 松本 健一
発表題目:論文紹介:"A Model for Detecting Cost-Prone Classes Based on Mahalanobis-Taguchi Method", Hirohisa AMAN, Naomi MOCHIDUKI, Hiroyuki YAMADA, IEICE Transaction. Information & Systems., VOL.E89-D, NO.4 APRIL 2006
発表概要:ソフトウェアレビューとテストは,ソフトウェアの品質を高め,保守の費用を抑えるために重要である. しかし, 近年ソフトウェアは大規模になっており,労働力の制約もあるため,レビューやテストを網羅的に行うことは困難である.本論文では,コードの修正行数が増加しやすいモジュールを,テストやレビューを優先的に行うべきモジュールとみなし,これらのモジュールをコストプローンモジュールと定義する.そして,これらのモジュールをマハラノビスタグチ法を用いて判別することを提案する.そして,オープンソース開発のソフトウェアに提案方法を適用し,提案方法の有用性を明らかにした.本発表では,本論文の紹介を行い,最後に今後の研究方針について述べる.
 
下村 洋介 ソフトウェア工学 松本 健一
発表題目:論文紹介"Eliciting Design Requirements for Maintenance-Oriented IDEs: A Detailed Study of Corrective and Perfective Maintenance Tasks", Andrew J. Ko, Htet Htet Aung, and Brad A. Myers, ICSE '05: the 27th International Conference on Software Engineering, pp. 126-135, 2005.
発表概要:ソフトウェア開発における保守作業は,設計や実装よりも多くのコストを必要とする.さらに,保守業者のコード理解には,ソフトウェア開発コストの60〜90%がかかることが知られている.ソフトウェア開発を支援するためのツールとして統合開発環境(IDE)が広く使用されているが,既存のIDEはコードの編集に主眼が置かれており,保守作業におけるコード理解を支援するものとはなっていない.本論文は,IDEを用いて保守作業をする熟練プログラマを調査・分析し,コードの理解を支援するIDEを設計するための要求を抽出したものである.本発表では,本論文の紹介を行い最後に今後の研究方針について述べる.
 
瀧 寛文 ソフトウェア工学 松本 健一
発表題目:Q&Aコミュニティを対象とした回答の有効性指標構築に向けた実験的評価
発表概要:Web上での情報交換の場であるQ&Aコミュニティが急成長している.Q&Aコミュニティに参加する質問者は回答者から多数の回答を得る場合があり,どの回答が質問者にとって最も良い回答であるかを回答に対する知識の少ない質問者が判断することは困難なことが多い.本研究の目的は,Q&Aコミュニティにおける回答の良さを評価する指標を構築し,質問者が良い回答を効率的に入手できるよう支援することである.本発表では,回答の良さを評価する指標についての仮説を提示し,仮説を検証するためにQ&Aコミュニティの質問・回答データを用いておこなった実験結果について述べる.
 
布川 雄大 ソフトウェア基礎学 伊藤 実
発表題目:携帯端末間のアドホックネットワークを経由したビデオ中継による ワンセグ難視聴エリア救済手法
発表概要:2006年から地上デジタル放送の携帯端末向けサービス(ワンセグサービス)が提供されている。一般的にワンセグ放送は移動受信に強いと言われているが、ショ ッピングセンターや駅構内、ビルの陰となる場所では、電波が遮られてしまう難 視聴エリアが発生する。本研究では、近隣の複数携帯端末がアドホックネットワ ークを形成し、ワンセグ放送の電波受信品質の良い端末から悪い端末に対してデー タ中継を行うことで難視聴エリアを救済する方法を提案する。本発表では、無線 通信帯域の制約、リアルタイム性を損なわないための伝送遅延の制約を満たした 上で,難視聴エリアにおいて救済される端末数を最大化する問題を定式化し、そ の問題を解くヒューリスティックアルゴリズムを提案する。また、これまでに得 られた実験結果を報告する。
 
野口 晃司 ソフトウェア基礎学 伊藤 実
発表題目:様々な講義スタイルをサポートする遠隔教育支援フレームワークの提案
発表概要:現在,遠隔教育において,テレビ会議システムや仮想空間アプリケーションなどの遠隔講義システムが使用されている.これら既存の遠隔講義システムを使用した講義では,講義の形式が限定される,教師による生徒の学習状況の把握が難しい,などの問題点が生じている.本研究では,遠隔教育において,シチュエーションに応じた様々な講義形式(講義,質疑,演習,グループワークなど)をサポートし,教師による生徒の学習状況の把握を支援する遠隔講義システムを提案する.本発表では,既存の遠隔講義システムの問題点を明確化し,それら問題点の解決方針とともに提案する遠隔講義支援システムの概要を述べる.
 

日時:11月28日(金)3限(13:30-15:00)


会場:L3

司会:戸田 智基
中久保 佳幸 像情報処理学 千原 國宏
発表題目:論文紹介“Architecture and applications of the FingerMouse: a smart stereo camera for wearable computing HCI”,Patrick de la Hamette, Gerhard Troster, Personal and Ubiquitous Computing., Volume 12, Number 2, pp.97-110
発表概要:コンピュータの新しい世代として,ウェアラブルコンピュータがある.しかし,ウェアラブルコンピュータで用いる入力装置を考えたとき,キーボードやマウスのような従来の入力装置はユーザの自由度を奪ってしまう.そこで,新しいタイプのヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)装置が必要となってくる.本論文では,ユーザの手の動きをそのまま使い,コンピュータを操作する事を考え,ユーザの手の形と動きを検出するデバイス:Finger Mouseを提案している.発表では,本論文の紹介と自身の研究との関連について述べる.
 
長嶋 翔 知能情報処理学 木戸出 正繼
発表題目:運動学習プリミティブに基づく動的環境下における運動スキルの実現
発表概要:実世界の環境は様々で動的に変化するため、環境適応性を持ったロボットが必要不可欠である。現在多自由度を持ったロボットにおいて、人間のように複雑で滑らかな運動を見まね学習により実現する方法が効率のよい運動学習法として注目されており、過去に運動学習プリミティブを用いた手法が提案されている。しかし、提案された手法ではロボットが動的な環境に対応する運動を行うことができない。そこで、本研究では運動学習プリミティブに基づき、動的な環境下で適切な運動を実現するための手法について考える。本発表では、現在の進捗状況についても報告する。
 
西行 健太 知能情報処理学 木戸出 正繼
発表題目:人物交通情報を用いたコンテクストの抽出
発表概要:近年,監視カメラによる通行人物の行動解析が盛んに行われている.その行動解析結果は不審人物の特定やマーケティングなどに利用されている.そこで,人物交通情報を用いたコンテクストの抽出を行うことを本研究の目的とする.本発表ではコンテクストの抽出に必要な通行人物の運動情報を取得するシステムのデモと現在の進捗状況についての報告を行う.
 
野_ 康 知能情報処理学 木戸出 正繼
発表題目:部分観測画像からの全身運動予測
発表概要:近年,人間とロボットの自然な共存への期待が高まっている.ロボットが周囲の環境に対する視覚情報を受け取って,人間の動作を認識・予測することで自然な共存を達成することができると考える.例えばロボットが人物の動作などを認識する際,その対象の全体を観測することは困難なことが多い.しかし,用具を扱うときのような人間の動作であるなら,部分的な観測情報からでも全体の動きを推定できる.本研究では,人間が用具を扱うときの部分的な観測から全身運動を認識・予測することで,人間とロボットの自然な共存の実現を目指す.
 
藤木 健史 像情報処理学 千原 國宏
発表題目:論文紹介“Handy AR: Markerless Inspection of Augmented Reality Objects Using Fingertip Tracking”
発表概要: HMDを想定したウェアラブルコンピュータにおいて、AR(拡張現実感)のオブジェクトを直接操作できるインタラクション装置にPinch Globes, Wear Trackといったものがある。しかし、いずれも手や頭に追加で機材を搭載する必要があった。そこで本論文では、我々がいつでも利用できる“手(指先)”に注目し、手によるARオブジェクトとの直接的なインタラクションを実現させた。そのためにはリアルタイムでの処理が必要不可欠であり、指先を検出するための高速かつ確実なアルゴリズムが重要であった。本発表では、この手法を実現したアルゴリズムについて紹介する。