ゼミナール発表

日時: 10月26日(金)3限 (13:30-15:00)


会場: L1

司会:井村
伊藤 智博 M2 加藤 博一 千原 國宏 宮崎 純 中島 伸介
発表題目:文書構造を用いた情報検索支援
発表概要:現在、検索エンジンによって作成される検索結果一覧は大変見難くく、それに含まれる要件を見ても内容の理解できない物が多いため得られた検索結果の中で検索対象となっている語がどの様にwebページで使われているかを知るためにはそれらを参照しその内容を確認して判断しなければならない。 本研究では本研究では文書構造を使うことにより検索対象の語がwebページ内でどの様に使用されているかを事前にユーザに知らせることによって検索エンジンのユーザビリティの向上を図る。
 
仁科 勇作 M2 横矢 直和 千原 國宏 山澤 一誠 神原 誠之
発表題目:拡張現実感のためのハイダイナミックレンジ画像合成による光学的整合性の実現
発表概要:拡張現実感(AR)における光学的整合性問題は,実環境の照明条件と仮想物体の陰影,影や写り込みの不一致によってユーザに違和感を与えないために解決すべき課題である. 一般的なカメラで,ARにおける画像からの光源環境の推定に基づく光学的整合性の実現する際,ダイナミックレンジの不足による黒つぶれや白とびによって光源環境が正しく推定できず,ユーザに違和感を与えてしまうことがある.このようなカメラのダイナミックレンジ不足問題を解決する従来研究として,異なる露光時間で撮影した複数枚の画像群からダイナミックレンジの大きい画像を生成するハイダイナミックレンジ(HDR)画像生成手法がある.本研究ではHDR生成手法をARに適用するため,撮影環境のダイナミックレンジに応じて画像群の枚数,露光時間を変更する事でHDR画像生成に要する時間を軽減した.本発表では生成したHDR画像から仮想物体をHDRレンダリングし,ユーザ視点画像との光学的整合性を実現するためのダイナミックレンジ圧縮を行ったAR画像合成の結果を報告する.
 
辰巳 格 M2 木戸出 正繼 千原 國宏 浮田 宗伯
発表題目:拡大本作成のための文脈構造を重視したレイアウト最適化
発表概要:弱視と呼ばれる視覚障害を持った児童・生徒用の拡大教科書の慢性的な不足がわが国で問題となっている.この拡大本の製本時に,原本中の図や文字を弱視者の弱視の度合いに応じて拡大するため,原本1ページの内容を崩さないように複数ページに分割してレイアウトする必要が生じる.しかし,現状では人手でレイアウトが行われており,このレイアウト決定の難しさが慢性的な拡大教科書の不足の一要因であると考えられる.
 そこで,本研究では拡大された原本中の図や文字を紙面におさめ,かつ,なるべく内容を崩さないようなレイアウト再構成を行うシステムの開発を目的とする.
 本システムでは,まず人手で原本の文脈を表現するモデルに変換し,モデルを用いて各パーツをどのページに当てはめるかを考え,紙面におさまるようにレイアウトする.発表では,文脈を表現するモデルとして文脈構造グラフを提案し,このグラフを分割する問題を考える.さらに,分割した部分グラフを用いてレイアウトする問題では,各パーツは矩形で近似可能であるとして,Sequence-Pair法を用いてレイアウトの再構成を行った.特に,文章の形状は1文字を最小単位として様々な形状が考えられ,この問題に対する解決方法も提案する.
 
坂本 祐輔 M2 湊 小太郎 千原 國宏 杉浦 忠男 佐藤 哲大
発表題目:2層のシンチレータを用いたポジトロン検出器の開発とそれを用いた血中RI濃度連続測定システムの構築
発表概要:近年,PET(Positron Emission Tomography)を用いて生理学的なパラメータを求める研究が行われている.その際,正確な血中RI(Radio Isotope)濃度が必要となる.しかし,小動物の場合,ヒトやサルと違い採取できる血液量が少ない.またチューブを用いて採血を行うため,チューブの長さ等に対してなまりが発生する.そのため,検出器から測定対象までの距離を小さくする必要がある.従って,小型で高感度な検出器が求められている. 本研究では,2層のシンチレータを用いてポジトロン検出器を開発し,それを用いた高感度血中RI濃度連続測定システムの構築を目的とする. この検出器はシンチレータを2層構成とし,1層目でポジトロンとポジトロンから発生する消滅γ線を,2層目で消滅γ線を検出する.その後,1層目から2層目を引くことでバックグラウンドノイズ(消滅γ線)を除去し,ポジトロンによる計数を求める. 本発表では,実際に2層のGSOシンチレータを用いたポジトロン検出器を製作し,性能評価を行ったので報告する.