ゼミナール発表

日時: 10月24日(水)3限 (13:30-15:00)


会場: L1

司会:前田
山本 眞也 D2 伊藤 実 加藤 博一 安本 慶一
発表題目:一般的な環境を用いた実・仮想空間混合インタラクション フレームワークの提案
発表概要:近年,様々な物体(以下,オブジェクトと呼ぶ)を,ユーザの目の前に,あたかも存在するように表示するMRやARなどのVR技術が注目されている.また,遠距離にいるユーザ同士がネットワークを介してインタラクションや協調作業を行うNVEやCSCWに関する研究も盛んに行われている.これらの技術を用いることで,様々な社会活動に,遠隔ユーザ(以下,仮想ユーザと呼ぶ)がネットワークを介して仮想的に参加することが可能になる.これらの実ユーザ・仮想ユーザ混合対話型アプリケーションにおいて,実ユーザおよび仮想ユーザが,円滑かつリアルにインタラクションできるようにするには,(1)実ユーザと仮想ユーザが同じ空間を共有できること,(2)ユーザが共有空間内を自由に移動でき,位置や向いている方向に応じて,実・仮想ユーザの区別なく同じように空間が見えること,(3)空間内へのオブジェクトの導入,および,各オブジェクトに対しアクション(移動や加工)を起こすことができ,かつ,そのリアクションが他のユーザに見えることが望ましい.また,普及性のためには,(4)特殊な装置や高性能・高価なサーバやネットワークを使うことなく上記(1)-(3) を実現できること,(5)多数のオブジェクト(ユーザを含む)が同じ空間に同時に存在できること,も望まれる.本研究では,多数の実ユーザ・仮想ユーザ混合対話型アプリケーションを普及したコンピューティング環境で実現するための新しいフレームワーク FAIRVIEWを提案する.
 
村上 伸太郎 M2 湊 小太郎 加藤 博一 杉浦 忠男 中尾 恵
発表題目:術前シミュレーションのための切開テンプレートの開発
発表概要:近年、ボリュームレンダリングによって可視化された三次元再構築像(ボリューム像)上で手術をシミュレートし、医学教育や手術計画、患者への説明に利用することが考えられている。術前シミュレーションの臨床現場における実用のためには、患者個人の医用画像データからできる限り即座に、かつ、簡便な操作でシミュレーションを実施できることが望ましい。しかし現状では、実測ボリュームデータからのセグメンテーションに加えて、メッシュ生成や物理条件の設定、手術手技の入力など一定の知識と、複雑な入力操作等が必要となっている。また、患者個人のデータごとに毎回定義が必要で、セットアップに時間を要している。一方で、臓器の形状や弾性には個人差があるものの類似点が多く存在する。また、手術時におけるアプローチや手術手技は手術書などに見られるように一定の体系化がなされている。このような手術シミュレーションに共通の情報を事前にデータベースとして保持することで一連の作業や入力の複雑さを解消できる可能性がある。 本研究では、術前シミュレーションにおける患者個人の体形・手術に適応可能な切開テンプレートの開発を目的とする。臓器の形状や弾性に関する情報、手術シミュレーション、特に切開シミュレーションに要する初期条件等を保持したテンプレート(切開テンプレート)を構築する。本テンプレートを患者個人の医用画像データ、手術法に適応させることで、症例ごとに逐次モデルを作成することなく切開を表現する手法を提案する。また、テンプレートは手術法ごとに準備するが、より綿密に切開の位置、長さ、方向などを微調整することも考えられる。このためにユーザがマウスあるいはペン型デバイスを通して切開創を簡便に3次元的に編集できるインターフェースを開発した。本発表では、これら提案方法の詳細と検証結果を報告する。
 
矢野 哲 M2 湊 小太郎 加藤 博一 杉浦 忠男 中尾 恵
発表題目:変形に対応した実時間ボリュームシェーディング
発表概要:近年、大規模なボリュームデータの可視化や、それらを用いたシミュレーションの機会が増加している。医療分野では,手術計画や臨床教育を目的とした手術シミュレーションが注目を集めており,CG技術を応用して,ボリュームデータを変形させた結果を高精度かつリアルタイムに描画することが求められている.描画対象を立体的に描出し,形状を認識しやすくするにはシェーディングが不可欠であり、対象に変形が生じるなど,時間変化するボリュームデータに対して適切なシェーディングを達成するにはボリューム勾配の変化を扱う必要が生じる。本発表では、ボリュームデータの変形時において実時間でシェーディングを行う方法を提案する。物体を構成するメッシュの頂点単位で勾配の変換行列を求め、GPU 上で補間することで変形後のボリューム勾配を高速に算出する。 本方法を実装し、サンプルのボリュームデータを用いたシェーディング結果を確認したので報告する。
 
羽田野 あゆみ M2 小笠原 司 杉本 謙二 松本 吉央(大阪大学)
発表題目:物体操作時の特徴抽出による多指ハンドの作業教示
発表概要:人間の生活環境においてロボットの活躍する場が増えるにつれ,人間の道具をロボットの手で扱う事が必要となる.この問題を解決する方法として,ロボットハンドの人型化が考えられる.しかし,機構が複雑になることにより,誰もが簡単に操作することは困難である.そこで,本研究では,人間による手内操作から物体操作を獲得し,多指ロボットハンドで実現する手法として,操作特徴を用いたシステムを提案する.操作特徴を抽出するため,人間の手と多指ロボットハンドの関節角度に対して主成分分析を行い,次元縮約後に再現された人間の手と多指ロボットハンドの姿勢の比較を行う.
 

会場: L2

司会:垣内
KHAMPHAO SISAAT D2 山口 英 砂原 秀樹 門林 雄基
発表題目:Source Address Validation Support for Network Forensics in Domain Network
発表概要:In this research, we present a new algorithm called source address validation for supporting network forensics in domain network. The key idea of our approach is that it uses a confirmation technique to verify whether or not a sender host sent a packet with the real source address. Our approach also establishes where the real sender host of the packet is located by identifying the switch port number of the layer 2 switch. Furthermore, our approach stores specific information about the network users including IP addresses, link-layer (MAC) addresses, switch port numbers, logged times, and details of events, in order to analyze and handle when responding to security incidents after they have been taken place. Our approach provides extensive evidential information about network users, which always indicates the true location of their source hosts. This helps network administrators to analyze and trace attacks back to their origin source hosts for most cases of the security incident. Thus, by using our approach, an attacker can no longer hide its host location, whatever the patterns of attack. In this presentation, I will talk about the detail of our approach and show the current status of my study.
 
諏訪 公洋 M2 山口 英 砂原 秀樹 門林 雄基 河合 栄治 河野 健二(慶応義塾大)
発表題目:仮想計算機環境でのネットワークアクセス制御
発表概要:複数台の共用で使用する計算機のある環境において, OSの管理者は,マルチユーザOSを用いることで, 複数のユーザに対して同一のOS環境の提供を行うことができる. しかし,このようなOS環境がユーザに適しているとは限らない. 例えば,使用できるソフトウェアが限られてくる等, ユーザの自由度が低下してしまうためである. このような問題の解決策として,仮想計算機を用いることを考える. 仮想計算機を用いれば,それまでの共用計算機環境を利用して, ユーザに管理者権限を与えて,個人のOS環境を提供することが可能になる. けれども,ユーザに管理者権限を与えているため, OSの設定もユーザに委ねられてしまい, OS内でのセキュリティの担保ができない. そこで,本研究では仮想計算機環境モニタにて ネットワークアクセス制御を行うことにより, ネットワークのセキュリティを確保したり, アクセス制御ポリシの記述に仮想計算機環境の概念を取り入れる等, 仮想計算機環境に適したネットワークアクセス制御を行う.
 
松田 智 M2 伊藤 実 砂原 秀樹 安本 慶一
発表題目:企業のコラボレーション活動に適した分散仮想環境を実現するフレームワークの提案
発表概要:Second Lifeなど,インターネット上の仮想世界が注目を集めている.現在はインターネット上のサービスとして普及し始めているが,今後は企業内のイントラネット上でのコラボレーション環境としても利用されることが予想される.しかし現状の仮想世界サービスでは,仮想空間内の複数地点で進行するような大規模な活動の状況を把握し,効率的に指揮伝達することは困難である.本研究ではコラボレーション環境に適した機能を盛り込んだ仮想空間のフレームワークを提案する.提案するフレームワークではアバタの分身を仮想空間の複数地点に配置することにより、仮想空間の離れた場所で進行している活動を同時に把握することを可能とする.またアバタの分身には非同期通信機能を持たせ,ユーザが都合の良いタイミングで複数の会話グループとコミュニケーションできるようにする.本発表では提案方式の詳細について説明する.