ゼミナール発表

日時: 9月27日(木)5限 (16:50-18:20)


会場: L1

司会:波部
伊藤 哲雄 M2 千原 國宏 木戸出 正継 眞鍋 佳嗣 池田 聖
発表題目:CG作業マニュアル作成のための器具操作アニメーション
発表概要:現在,工場で使われている紙の作業マニュアルでは,工具や部品等のCADデータや写真を用いて作業指示を行っている.しかし,紙面上では作業箇所の立体的な情報を把握し難い.そこで,視点変更が可能な3次元CGを用いた電子作業マニュアルを提案する.本研究では,提案する電子作業マニュアルの中で重要となる作業動作における手の動きに着目し,各工具や部品等に対する適切な指先の動きの表現手法を検討する.
 
二村 智康 M2 千原 國宏 木戸出 正継 眞鍋 佳嗣 池田 聖
発表題目:複数部分領域高速読み出しCMOSイメージセンサを用いた屋内ユーザ測位システム
発表概要:環境がユーザの状況や位置などに応じた適切な情報をユーザに提供する試みが注目されている.ユーザの位置情報を取得するシステムとして,本研究では,複数部分領域高速読み出しCMOSイメージセンサと赤外発光マーカのみを用いた,簡素なシステムを提案する.このCMOSイメージセンサは,30フレーム/秒の通常画像とは別に,指定した注目領域における速画像を同時に取得することができ,このセンサを用いることで,単一のセンサでユーザの位置推定と識別が可能である.本発表では,本システムにおけるユーザの識別と位置推定手法について述べる.
 
丸山 耕輔 M2 湊 小太郎 木戸出 正継 杉浦 忠男 佐藤 哲大
発表題目:MRIによる冠動脈検査に向けた静止相の自動決定
発表概要:冠動脈の検査において,CT血管造影法(CTangiography)が主流になりつつあるが,CTを用いた方法は放射線被曝とヨード造影剤による副作用の問題が避けられないという欠点がある.そこで現在,放射線被曝がなく,造影剤のコストや副作用の問題のないMRIを使った冠動脈検査(MRA)に注目が集まっている.本研究では,この冠動脈MRAを得るための静止相を自動で決定することを目的としている.心臓には,1心拍の間に静止したとみなせる時相(静止相)が存在する.静止相を決定するためには,4チャンバー(4室)のシネMRIにより得られた画像を用いるのが一般的である.しかし,この決定方法はユーザーの視覚により行うため非常に主観的で,多くの経験を必要とする.そこで本発表では,静止相の自動決定について述べる.
 
北村 龍平 M1 湊 小太郎 木戸出 正継 杉浦 忠男 中尾 恵
発表題目:実世界で生じる触覚情報の実時間共有に関する研究
発表概要:人間の五感を伝達するには、何らかの手段により直接伝達を行うことが効果的である。例えば、視覚や聴覚に関する情報については、音声や画像を直接、遠隔地の他人に伝達することが行われている。同様に、触覚情報に関しても実時間に他人と共有することができれば、触診の教育などの技能の伝達をはじめとして非常に有用であると思われる、しかしながら、触覚情報の共有に関しては、視覚的に動作を伝達する研究や、保存された動作を再生する研究、物体の硬さ等の物性を伝達する研究はなされているものの、実際の触覚情報を実時間に触覚情報を直接伝達する研究は未だなされていない。そこで、本研究においては、触覚情報の計測装置と触覚情報の提示装置とから構成される触覚情報を実時間に伝達するための装置を開発することとした。本発表では、現在までの研究の成果および今後の課題について報告する。
 

会場: L2

司会:小坂
湯山 雄太 M2 鹿野 清宏 西谷 紘一 猿渡 洋
発表題目:狭帯域音源方位推定による時変型二次音源強調逆フィルタを用いたマルチチャネル音場再現
発表概要:音場再現とは,原音場で収音された両耳入力信号を受聴者の耳元で忠実に再現する技術である.従来の手法では受音点以外での再現性は考慮されておらず,受聴者が移動すると音源の方向感が損なわれる問題がある.また,受音点において収音信号を忠実に再現し,かつ受聴者から見てその発生源の方向にあるラウドスピーカの音量を上げることによって,受聴者が移動しても音源の方向感が保たれるような音場再現手法が提案されている.しかしこの手法では,音源数が2までのバイノーラル録音しか扱えないという問題点がある.本発表では,受音点での再現性を保障し,受聴者が移動しても音源の方向感が保たれ,かつ任意の音源数のバイノーラル録音を扱える新しい音場再現手法を提案する.また予備実験として,2音源が存在する場合についてシミュレーション実験および主観評価実験を行い,提案法の有効性を検証する.
 
湯浅 直弘 M2 松本 健一 西谷 紘一 門田 暁人 中村 匡秀(神戸大学)
発表題目:ホームネットワークにおける家電連携サービスのユーザビリティ評価
発表概要:様々な家電製品をネットワークに接続し,付加価値サービスを提供するホームネットワークシステム(HNS)が注目されている.我々は先行研究においてWeb サービスを利用し,複数の家電を組み合わせて操作する家電連携サービスを開発している.本研究では,HNS における家電連携サービスの有用性を示すために,サービスの評価実験を行った.具体的には,家電及び連携サービスを操作する典型的なタスクを設定し,被験者に実際に操作してもらうユーザビリティテスティングを実施した.評価においては,従来の家電毎の操作とHNS 連携サービスを用いた場合とを比較し,操作効率と満足度の観点から評価を行った.この評価実験から,被験者全員が連携サービスのタスクを完了することができた.また,連携サービスの方が,平均操作時間においては最大で1/2 以下,平均エラー操作数においては1/10 以下という結果が得られた.サービスの満足度に関しては,すべてのタスクにおいて,連携サービスの方が従来の家電操作よりも平均1.5 倍以上高い満足度評価が得られ,連携サービスの有用性を確認することが出来た. また,インタービューにより良い操作方法を求められていることがわかり,今後連携サービスを操作する新たなインターフェースを提案し,今後の研究の方針を述べる.
 
玉井 康之 M2 小笠原 司 西谷 紘一 松本 吉央(大阪大学)
発表題目:運動視差提示による実画像3次元ディスプレイ
発表概要:近年,3次元情報をより直感的に知覚できるようにするための3次元 ディスプレイが注目されており,本研究室でもビジョンベースの3次元頭部位 置計測を用いた,運動視差によるCGの立体提示システムを開発している. 本研究では先行研究の実画像化を目指し,対象物を複数視点から撮影した画像 データベースを作成し,ユーザの頭部位置に応じた画像をディスプレイ上に提 示することで立体情報提示を行った. また,ユーザへ実画像を提示する際,モニタと視点の位置関係により画像の不 整合の問題が生じるため,射影変換により歪み補正を行った. 本発表では,このようにして実装したシステムと今後の予定について報告する.
 
森 渉 M2 小笠原 司 西谷 紘一 松本 吉央(大阪大学)
発表題目:指とボールの接触モデルを考慮したロボットハンドによる投球動作の実現
発表概要:本研究では人間の動的な物体操作として投球動作を取り上げ,ロボットハ ンドにより実現することを目標とする.投球時の指とボールの接触モデルを提案 し,投球動作を劣駆動系の制御としてモデル化する.つづいて数値計算により, 1自由度のトルク入力による,ボールの速さ,方向,回転速度の独立制御の可能 性について考察する.また1自由度のスイングアーム機構を持つ実機を製作し, 平面上にて投球動作を模擬した検証実験を行った結果について報告する.