ゼミナール発表

日時: 9月27日(木)2限 (11:00-12:30)


会場: L1

司会:大平
橋村 雄介 M2 関 浩之 松本 健一 中村 嘉隆 旭 敏之 松田 勝志
発表題目:レイアウト解析を用いたWeb情報検索精度改善の試み
発表概要:近年、Webページのコンテンツは多様性を増し、1つのWebページ内に関連性のない話題を持つ領域が複数含まれている。しかし、現在のWeb検索エンジンは、Webページを1つの文書として扱っているため、検索語が異なる話題に散乱していると、検索精度が悪くなってしまう。  そこで本研究では、Webページを「話題を持つ領域の集合」と考え、Webページ全体ではなく、それらの領域を対象に検索を行うことで、検索精度を改善することを目的とする。さらに、ユーザの検索要求を満たす領域の特徴を抽出し、これを用いて検索の順位付けを行うことの有効性を検証する。
 
増子 康弘 M2 西谷 紘一 松本 健一 小坂 洋明
発表題目:無信号交差点における左右確認行動の評価モデル
発表概要:交差点通過行動に関する安全運転教育、及びその効果の検証の際に、停止線付近での自動車の速度や左右確認行動の解析が行われるが、左右確認行動に関しては確認回数が注目されることはあっても、確認位置やその時点での自車速度、確認範囲等まで考慮した評価は行われていない。左右確認回数が同じ場合でも、その他の条件によって危険性は変わってくるので、確認回数に留まらない評価手法が必要である。そこで本研究では、交差点通過行動に関連する種々のパラメータを考慮した評価モデルを提案する。提案する評価モデルを用いることで、あるドライバーの左右確認行動の問題点を具体的に指摘することができる。本発表では、提案する評価モデルの説明を行い、最後に今後の予定について述べる。
 
吉田 岳彦 M2 石井 信 松本 健一 銅谷 賢治 吉本 潤一郎
発表題目:報酬獲得の遅延と不確実性に関わる数理モデルと生理機能の研究
発表概要:人を含む動物は各々の環境の中で生き抜くため、効率の良い報酬の取捨選択を行っていると考えられる。本研究ではその役目を果たしている主な部位を脳であると仮定し、ある状況の中での行動とそれに関わる脳機能を解明するのが目的である。本研究で扱う環境とは報酬が獲得に遅延や確率的であるというものを扱っている。その中で人が選択する行動を衝動性の研究と絡めることで、衝動性と自己統制の取れた行動の違いを先行研究の数理モデルからしめす。またそのためにどの様に脳を使っているのかを実験課題とともに予想される機能部位を述べる。
 

会場: L2

司会:川波
太田 ふみ M2 松本 裕治 鹿野 清宏 乾 健太郎
発表題目:大規模世界知識を用いた対話システムの応答生成
発表概要:近年,自然言語処理技術の発展とインターネットの普及により,Web等のテキストデータから大量の世界知識が獲得できるようになりつつある.例えば,事物・人物の属性や評判情報,因果関係等の知識である.本研究では,これらの世界知識を対話システムに応用する手法を考案する.具体的には,continuer(相槌)に注目し,人間がどのようなcontinuerを生成するかを調査した.次に,これらのcontinuerをシステムによって生成する方法を検討した.例えば,上位下位関係知識を用いた言い換えや,物事の望ましさについての知識を用いた評価や共感の表示,因果関係を用いた協調的な補完などが考えられる.これらの考察に基づき,実際に自動獲得された知識を用いてシステムを試作中である.
 
牧本 慎平 M2 松本 裕治 鹿野 清宏 Nick Campbell
発表題目: 統計的学習を用いた2話者対話の節境界及び言い淀み識別
発表概要: 人間が話す言葉(話し言葉)は書き言葉と異なり,明確な文の切れ目が存在せず,また,言い淀みやフィラーなど発話独特の要素が混入している. これらを認識し,音声発話に対し適切な単位を与えることは,音声言語を処理する上で有用である. これまで,対話や独話における文節境界・言い淀みの識別は一発話内のタスクとして処理されてきた. しかし、対話では話者同士の互いの働きかけがあり,そこから得られる特徴が有効に利用できると思われる. 本研究では,対話内の発話における文節境界と言い淀み箇所を統計的学習を用いて識別する手法を提案する.利用する素性には,話者や話し相手の発話内容や時間情報などを用いた. また,実験対象となる2話者による自然対話コーパスに対し,文節境界と言い淀み箇所についての情報を付した.
 
呂 嘉 M2 松本 裕治 鹿野 清宏 乾 健太郎
発表題目:中国語合成語解析
発表概要:近年、コンピューターの性能向上とインターネットの普及に伴い、自然言語処理は大規模なデータに基づく統計的な言語処理の時代に入った.中国語に対する自然言語処理の研究も活発になっている。中国語は、英語のような言語と違って、文中に分かち書きがない。単語の分かち書きと単語自身の品詞情報を知らないと、情報抽出、機械翻訳などの言語応用システムの基本情報がないので、中国語に対する言語処理の第一歩は形態素解析と単語の品詞付与である。今まで、多数の大学及び研究機構が、中国語の形態素解析について深く研究し、日本でも有名な「茶筌」も含め、いくつかの中国語形態素解析システムを作られている。各中国語形態素解析システムがさまざまな特徴を持ち、現在の中国語文書に対して、基本的な分かち書きと品詞の精度が向上しているが、合成語構成とその内部情報の解析をあまり考慮していない。中国語は単語の生産性がとても高い言語なので、単語自身の内部構造、特に中国語合成語の内部構造を考えないと、形態素解析の過程には未知語の出現頻度が高くなり、解析結果の応用面も狭くなる。故に、さまざまな言語応用システムに対して、合成語の内部構造を考慮した柔軟な階層構造を出力できる形態素解析はこれからの中国語自然言語処理研究方向の一つであると考えている。本研究は最初に中国語の単語、特に合成語の分類を詳しく定義し、中国版茶筌のシステム辞書を用い、まず三文字単語の構造情報を解析する、それから三文字単語と一文字、二文字単語の情報を使って、再帰的に四文字以上の中国語合成語の自動分類と木構造に基づいた合成語辞書の構築する。
 

会場: L3

司会:神原
前田 くれあ M2 石井 信 横矢 直和 柴田 智広
発表題目:スぺクトラルクラスタリングを用いた相互に重なるひも状オブジェクトの検出
発表概要:画像中のオブジェクト認識は医療、工学などの様々な分野で重要であり、これまでに色やテクスチャなどの特徴やオブジェクトの形状の滑らかさなどに対する制限を使った手法が提案されている。 ひも状などの不定形のオブジェクトの扱いは、それらが重なり合うことが多いこともあり、例えば物体が重なり合う場合には例えば接触部分で間違ったクラスタリングが行われるといった困難がある。 そこで本論文ではガボールフィルタを用いて抽出した方向成分特徴の類似性と画像面上の距離とを組み合わせることで、困難な状況に対応できる距離基準を新たに定義した。 またこれにスぺクトラルクラスタリングの技法を用いることで、新しいオブジェクト検出手法を提案する。
 
榎並 直子 M2 木戸出 正継 横矢 直和 浮田 宗伯
発表題目:撮影条件の変化に頑健な車載カメラ画像間の対応付け
発表概要:交通の要を車が担う近年、情報通信技術を用いて道路交通問題の解決はかるITSの 構築が進められその中でもカーナビゲーションシステムは重要な役割を担っているが、 その基本性能ともいうべき地図情報の更新は未だ人の手によって行われている。 そこで車載カメラとGPSを用いて街並の情報を効率よく自動で収集し、地図情報の更新を 行うシステムの提案と、システム実現のために天候条件による日照の変化、車速、 フレームレート、走行している車線の違いの影響に頑健な画像間の対応付け を行う手法を研究・開発する。 本発表では、システム概要およびパノラマ画像による画像間の対応付けの手法、現状の問題点、今後の予定について述べる
 
湯浅 卓也 M2 小笠原 司 横矢 直和 松本 吉央(大阪大学)
発表題目:ヒューマノイドによるレーザレンジファインダを用いた三次元環境地図作成と障害物回避
発表概要:ロボットが高精度の位置情報を得るためには,高精度の地図が必要となる.そして,ヒューマノイドの一般的な三次元計測手法としてマルチカメラによる手法が挙げられるが,計測対象の模様や照明条件等に影響されやすいことや距離の精度が比較的低いといった問題点がある. また,二足歩行ロボットは階段の昇降や障害物回避などの三次元的な動作の実現が可能であるが,一方で比較的軽微な段差や傾斜の計測誤差といったものが転倒を引き起こし,歩行の障害となってしまう.
そこで本研究では,レーザレンジファインダをヒューマノイドに搭載することで高精度な三次元計測を実現する. そして,それにより三次元環境地図を作成し,同時に小障害物の三次元的な回避を可能とするシステムを提案する.