ゼミナール発表

日時: 9月27日(木)1限 (9:20-10:50)


会場: L1

司会:橘
石田 達也 M2 岡田 実 杉本 謙二 原 孝雄
発表題目:OFDM用受信機のFFT演算器におけるビット幅制御を用いた低消費電力化に関する検討
発表概要:近年ディジタル無線通信の普及が進み, 携帯機器への利用が増加するに伴い, バッテリー容量などの制約により低消費電力化が求められている. 本研究では日本の地上ディジタル放送規格であるISDB-Tのワンセグ放送における低消費電力化技術を提案する. ISDB-Tでは高速無線が可能なマルチキャリア伝送方式であるOFDM(直交周波数分割多重)方式が用いられている. 特に消費電力において大きな割合を占めるFFT(高速フーリエ変換)演算回路に着目し, 通信状況に合わせて演算制度を適応的に制御することで消費電力を削減する手法を提案する.
 
浦谷 剛史 M2 岡田 実 杉本 謙二 原 孝雄
発表題目:衛星キャリア重畳方式における非線形TWTAの影響
発表概要:現在、信号重畳方式を利用した衛星通信の受信機の開発を行っている。信号重畳方式ではレプリカを生成し、それによって不要波をキャンセルする方式がとられる。キャンセラでは、信号が衛星特有のTWTAの非線形素子を通過した場合、歪みによってレプリカと不要信号波形の間に差異が生じ、それが残留誤差(干渉)を増大させる。本研究では、開発中のCシミュレータの入力を非線形TWTAの影響を受けた信号として残留誤差を調べることにより、非線形による影響を考察するものである。本発表では、信号キャンセルの原理とTWTAによる非線形の影響、ならびに今後の研究計画について述べる。
 
高橋 宏樹 M2 岡田 実 杉本 謙二 原 孝雄
発表題目:CI符号化によるOFDM衛星通信の非線形歪み軽減に関する研究
発表概要:無線通信において周波数利用効率を高める手段として、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式がある。この方式は、近年地上波デジタル放送などでも用いられており注目を浴びている。しかし、OFDMはその特性上、信号に鋭い振幅ピークが現れることがあり、これを衛星などの非線形特性を持つ伝送路に通すと、高い振幅成分が劣化し、結果誤り率を増加させる要因となる。この問題に対する解決手法としてCI符号によるOFDM信号のピーク圧縮があげられる。本発表では、高速フーリエ変換を用いたCI符号化について説明するとともに、CI/OFDMとOFDMの非線形伝送路における比較シミュレーションの結果を示し、その有効性について検討する。
 
高道 慧 M2 情報コミュニケーション 岡田 実 杉本 謙二 原 孝雄
発表題目:衛星通信用P-P形伝送信号重畳における拡張マッチドフィルタを用いた伝搬遅延時間高精度推定方式の提案
発表概要:衛星通信の周波数利用効率を大幅に改善する手法として伝送信号重畳方式が有効である.これは自局と相手局の送信信号を同じ周波数帯域に配置し、受信機は自局が送信した干渉を除去することで相手局からの信号を取り出す手法である.しかし本方式では、送信信号が衛星を経由して受信されるまでの伝搬遅延時間を極めて高い精度で推定する必要であり実現が困難であった.さらに今回検討するP-P形(Peer-to-Peerコネクション)衛星通信システムでは、自局と相手局の受信信号レベルがほぼ同じレベルであるため、自局の信号を復調した後に送信信号と比較して伝搬遅延時間を推定する従来手法を適用できない.そこで本発表では送信信号レプリカと受信信号との短区間相互相関関数を測定し、そのピークを検出することで、伝搬遅延時間を高精度に行う手法を提案する.また提案方式では、拡張マッチドフィルタ
(EMF:Extended Matched Filter)を用いて効率的に相互相関を求めることを可能にしている.
 

会場: L2

司会:波部
伊原 誠人 M2 松本 健一 木戸出 正継 門田 暁人
発表題目:ホームネットワークシステムにおけるサービス開発へのペルソナシナリオ法の適用と評価
発表概要:近年,ネットワーク上に存在する様々なサービスを利用し,ユーザに,より便利で快適な生活を提供するホームネットワークシステム(HNS) についての研究・開発が進んでいる.しかし,ユーザにとって有益で付加価値のあるサービスが提供されない状況から,未だに一般家庭へ普及するまでには至っていない.そこで本研究では,開発者視点ではなく,ユーザの視点に立ったサービスを提案,実装するための手法として代表的なペルソナシナリオ法をHNSのサービス開発に導入した.また,実装したサービスに対し,実際のユーザを用いたユーザビリティテスティングを行い,HNSのサービス開発におけるペルソナシナリオ法適用の有用性を確認した.
 
榊原 弘記 M2 松本 健一 木戸出 正継 門田 暁人 中村 匡秀(神戸大学)
発表題目:音声で家電を操作するための対話型インターフェースの提案
発表概要:近年、家電機器の増加に伴い、リモコンの増加や機能の多様化が進んでいる。それによって操作が複雑になり、家電機器の中には大多数のユーザにとって使いやすいものではなくなってきているものもある。このような状況に対する方法として、音声による家電の操作が提案されているが、音声による操作には解決されていない問題も少なくない。そこで本研究では、そのような問題を解決するような対話型の音声操作インターフェースを提案し、評価することを目的とする。
 
松本 剛 M2 西谷 紘一 木戸出 正継 小坂 洋明
発表題目:安全運転教育のための行動解析と教示手法に関する研究
発表概要:これまでの研究から,一般ドライバの交差点通過時の危険行動はある程度意識的に行われており,交通法規を述べるだけの教示では効果が低い事がわかっている.本研究では,安全運転教育における効果的な教示方法の提案を目的とし,被験者毎に実験を行い行動解析を行った上で教示を行い結果を検証する.教示に際しては,ドライバ自身に問題点を認識させ自発的な行動改善を促す為,カメラ映像のみでなくシミュレーション,ドライバの内的要因モデルを用いて効果を検証する.本発表では,運転行動解析を行う為の実験内容とそれに基づいた提案教示手法を報告し,進捗状況と今後の予定を報告する.
 
倉持 雄一 M2 小笠原 司 金出 武雄 木戸出 正継 加賀美聡 松本 吉央(大阪大学)
発表題目:ロボット遠隔操作のための、距離情報を用いた人の位置・姿勢推定
発表概要:人体の位置・姿勢を推定し、遠隔地のロボットがこの動作を再現することで、円滑な遠隔コミュニケーションが可能になると考えられる。 しかし一般に位置・姿勢推定の手法は、モーションキャプチャーや多数のカメラを利用するシステムに代表されるように、高価で大掛かりなものが多い。 また、全身の位置・姿勢推定は処理が重いため、実時間での動作再現が必要な遠隔コミュニケーションには不向きである。 そこで、小型の距離センサを用い、腕のみに限定した実時間の位置・姿勢推定の手法を提案する。 本発表では、現在までの進捗と今後の方針、課題について述べる。
 

会場: L3

司会:佐藤(智)
ALBERT CAUSO D2 小笠原 司 横矢 直和 松本 吉央(大阪大学)
発表題目:Towards Simultaneous Estimation of Hand and Object
発表概要:To maximize the capability of human-like hand robots or effectors, an effective input system is desirable. This input system should be able to effectively and simultaneously track the pose of the hand and the object that it holds. This way, a very natural input system can be realized. In this presentation, the proposed approach to realize such system will be discussed. The proposed approach will use multiple viewpoint cameras and active camera selection in order to separate data for the hand and the object. For the tracking and estimation of the hand and object pose, time-series filtering will be used. Preliminary results of hand pose estimation will also be presented.
 
松尾 真依 M2 小笠原 司 横矢 直和 松本 吉央(大阪大学)
発表題目:手姿勢推定のための個人対応型手形状モデル
発表概要:本研究では、先行研究である多視点画像を用いた手形状推定システムの課題の 一つである「不特定ユーザでの手形状推定」を実現するための、個人対応型手 形状モデル生成手法の提案を目的としている。発表では、従来システムにおい て推定対象のユーザの手のサイズとシステム内の手形状モデルサイズの違いが 推定精度にどのような影響を与えるかを調べ、個人対応型成モデル生成のため に必要な要素を明確にする。具体的には、従来システムが持つ固定サイズのモ デルに加え、従来システムのモデルを(1)各軸方向に一様にスケーリング(2)指 と掌に領域を分割し、それぞれの領域別にスケーリングするという2種類の スケーリング方法で生成し、3つのモデルを用いて推定精度評価実験を行った。 実験の結果、部分ごとにスケーリングしたモデルで推定精度の向上が確認でき、 リンク構造の各リンク長、手の厚みなどまで個人対応する必要があることを示した。この結果をもとにカメラシステムで得られる情報から個人対応型モデルを生成する手法を提案する。
 
岡本 英樹 M2 鹿野 清宏 横矢 直和 猿渡 洋 川波 弘道
発表題目:非可聴つぶやきを用いた個人認証における未知話者データに対する頑健性の評価
発表概要:本発表では非可聴つぶやき(Non-Audible Murmur:NAM)を用いた話者照合法について,新たに収集したデータを用いて分析した結果を報告する.NAMとは,外部の騒音に対して頑健な体表接着型マイクロフォンを用いて収録したつぶやき声を指す.これまでNAMの発声内容が他人に漏れ聞こえることがないという利点を活かし,NAMによるキーワードを利用したテキスト依存型話者照合法を提案してきた.今回は,新たに男性18名,女性9名のNAMを収録し,それらを詐称者セットとして用いて実験を行い,その性能を詳しく調べた.また,学習に使用する発声数,時期数をいろいろと変えて実験することにより,複数時期にわたって収録されたNAMを使用することの有効性を示す.また,話者照合システムを利用するユーザにとって登録時に必要となる発声数が少ないほど負担は軽減する.そのため,学習データに使用する発声数を減らして実験を行い,その性能の劣化の度合いを調べることにより,どのくらいのNAMデータが登録時に必要となるかを明らかにする.