ゼミナール発表

日時: 9月26日(水)1限 (9:20-10:50)


会場: L1

司会:波部
高橋 典宏 M2 横矢 直和 木戸出 正継 山澤 一誠
発表題目:距離画像センサを用いた俯瞰画像による人物の姿勢分類
発表概要:本研究では,セル生産方式による人物大の装置の組立作業を想定し,製品品質や生産性の向上のための作業の改善活動支援を目的としている.人物大の装置の組立作業における作業者の動作には,全身の姿勢変化など多くのムダが潜んでいる.そのため,作業の様子を撮影した映像から作業者の姿勢を分類することで,作業の改善に役立つ情報を自動で抽出し,効率的な改善活動が行えると考えている.本研究では,製造工場における環境の制限により天井に距離画像センサを取り付け,上方より作業の様子を撮影する.上方より撮影した距離画像(俯瞰距離画像)から特徴量を抽出し,サポートベクターマシン(SVM)を用いた学習を行うことで作業者の姿勢を分類する.次いで,人物大の装置の組立作業を模擬した実験を行い,俯瞰距離画像を用いた人物の姿勢分類が行えることを確認した.
 
町北 幸大郎 M2 横矢 直和 木戸出 正継 山澤 一誠
 
倉木 大輔 M2 小笠原 司 木戸出 正継 松本 吉央(大阪大学)
発表題目:歩行中の運動計測による身体異常部位の検出
発表概要: 本研究は,身体の一部部位に怪我などの異常のある被験者の運動データを計測 ・解析し,運動データから逆問題的に身体の異常部位を検出することを目的とする. 発表では,まず全身の運動情報をモーションキャプチャ等を用いて取得し,身体の各部位の運動データを解析することで身体の異常が運動にどのような影響を及ぼすかを報告する.また取得した運動データから身体の異常が左右手足のどの部位にあるかを検出する手法についても考察する.
 
小林 純也 M2 小笠原 司 木戸出 正継 松本 吉央(大阪大学)
発表題目:人物の動線情報を用いた個人識別
発表概要:人に対して案内や運搬のサービスを提供する際,室内における人物の位置情報と ともに,それが誰であるかという個人の識別情報が必要となる. 人物の位置情報はカメラや焦電センサ,床面センサなどを用いることで高精度か つ連続的に検出することが可能であるが,それが誰であるかを知るためには,別 途IDタグや認証システムなどを導入する必要があった. そこで本研究では,位置の遷移情報である動線データから個人を識別することを 試みる. 人物の動線データに基づき隠れマルコフモデルを用いて個人の行動モデルを作成 し,作成したモデルと計測された動線データとを比較することで,個人識別が可 能である. 本発表では研究室に設置したカメラの画像からマニュアルで取得した動線データ を使用して,研究室メンバーの個人識別を試みた結果について報告する.
 

会場: L2

司会:大平
小坂田 泰宏 D2 西谷 紘一 松本 健一 野田 賢
発表題目:衝突防止支援システムを評価するためのシミュレーションモデルの構築
発表概要:自動車事故の現状は、死亡者数の減少の一方で、自動車事故数は増加の一途であり、増加し続ける自動車事故に対するいっそうの対策が求められている。自動車事故に対する対策は過去においても行われてきたが、近年における情報技術の発展と共に、自動車事故に対する新しい対策として、ITS(Intelligent Transport System)が注目されている。そのひとつとして、無信号交差点における衝突防止支援システムがある。このようなシステムの開発の背景として、車載センサーの高機能化・低価格化や、無線通信技術の発達などがある。現在、このような衝突防止支援システムは研究段階にありシステムを評価する必要があるが、実際に交通事故に至る確率は極めて低いので、シミュレーションを用いた評価が妥当であると考えられる。本発表では、衝突防止支援システムを評価するためのシミュレーションを行うために必要なモデルの構築手法について述べる。
 
橋川 拓也 M2 西谷 紘一 松本 健一 小坂 洋明
発表題目:交差点通過行動改善のための一般ドライバの運転行動解析
発表概要:本研究では,事故原因の多くを占める出会い頭事故減少を念頭に最も基本的な運転行動場面である交差点通過行動を扱かった.一般ドライバが交差点を通過する場合の交差点における停止・徐行の有無,またそれらの位置や,交差点での最低速度の解析を通して一般ドライバの運転行動実態を調べた.また一般ドライバの交差点通過行動と,先行研究における非熟練ドライバの運転行動の間に違いがあるかを調べた.見通しの良い交差点と悪い交差点を比較し,道路環境によって生じる運転行動の違いを報告する.
 
平尾 敏廣 M2 西谷 紘一 松本 健一 小坂 洋明
発表題目:車載HMIの評価プロセス構築とそれによる新たなインタフェースの評価
発表概要:ヘッドアップディスプレイ(HUD)とステアリングスイッチの組み合わせによる新しい車載HMIが提案されており、我々の研究室では2004年度よりこの新しいシステムと従来の車載HMIであるインパネスイッチとの操作比較実験を行ってきた。これによって様々なデータ、多くの評価指標が得られている。本研究ではその得られたデータを総括し、このHMI毎の比較実験法を評価プロセスとして提案することが第一の目的である。そして、この提案した評価プロセスを用いて新しく考案したHMIの評価実験を行い、プロセスの有用性について検証と考察を行うことを第二の目的とする。本発表では提案した評価プロセスの概要と、プロセス検証用に作成したHMIについて報告し、今後の研究予定を述べる。
 
廣田 彰吾 M2 西谷 紘一 松本 健一 小坂 洋明
発表題目:車載Head-up Display表示情報量の人間行動への影響の評価
発表概要:近年,自動車は技術の進歩に伴い,カーナビゲーションなどの様々な車載機器が搭載されている.これら車載機器の使用は,脇見運転や注意力散漫による交通事故の可能性がある.そこで安全運転に貢献するHMIとして,Head-up Didplay(HUD)とステアリングスイッチを組み合わせた新HMIが提案されている.このHMIに関していくつかの研究が存在しているが,HUD表示画面の複雑さが人間行動へどう影響するかという研究は存在しない.そこで本発表では,情報量ー人間行動の関係を明らかにするために行った解析について紹介し,最後に今後の予定を述べる.
 

会場: L3

司会:平野
奥村 元 D2 小笠原 直毅 箱嶋 敏雄 金谷 重彦
発表題目:枯草菌染色体上におけるDnaAタンパク質の分布
発表概要:DnaAは、染色体DNAの複製イニシエーターとしてバクテリアの中において広く保存されているタンパク質である。枯草菌の染色体複製が開始されるには、DnaAが染色体上の複製起点oriC領域に存在するDnaA結合配列(DnaA box)に相互作用することが必須である。また、dnaA-dnaNオペロンの転写は、DnaAがプロモーター下流のDnaA boxに結合する事により自己制御されている。DnaA boxは、oriC領域以外にも存在し、いくつかの遺伝子のプロモーター領域にDnaAが結合する事から、これらの遺伝子の転写を直接的あるいは間接的に制御することが示唆されている。 今回の解析では、ChIP-chip法の変法としてChAP-chip法(Chromatin Affinity Precipitation coupled with high density tiling chip)を用いて、枯草菌染色体上でDnaAが8箇所のintergenic region(rpmH-dnaA (oriC1), dnaA-dnaN (oriC2), yqeG-sda, ywlB-ywlC, jag-thdF, yycS-yydA, ywcI-vpr, gcp-ydiF)に結合する事を明らかにした。また、IPTG添加によりDnaAの発現量を誘導可能な株を用いてトランスクリプトーム解析を行ったところ、DnaAの過剰発現によってdnaA-dnaN, ywlC, yydA, thdFの転写は抑制され、 逆にsdaでは転写が誘導されることが示された。以上の結果より、DnaAは複製イニシエーターとしてだけでなくDnaA box周辺遺伝子の転写制御にも関係している事が明らかになった。 DnaAが8箇所のintergenic regionに結合することは、上に挙げた機能以外にも細胞周期を通じて何らかの役割を担っているのか。そのことを確認するために複製開始に必須であるoriC領域以外の6箇所のbinding regionを欠損させた株を構築し、複製開始頻度の測定をFlow cytometry解析により実施した。その結果、6箇所のbinding regionを欠損させた変異株では、同調性の乱れた複製開始を示すDNAピークのパターンが観察された。この事より、今回のChAP-chip解析で明らかになったDnaA binding regionは、複製開始のタイミングを制御する機能を担っていることを示唆する結果が得られた。
 
石田 健二 M2 湊 小太郎 箱嶋 敏雄 飯田 秀博 杉浦 忠男
発表題目:ファントムを用いたfield mapping法によるEPI歪み補正の詳細検討
発表概要:近年、functional MRIにより脳機能の計測ができるようになり、これらの研究のほとんどはEPI(Echo-Planar Imaging)などの高速撮像法が用いられている。EPIと呼ばれる撮像法は静磁場不均一による影響を受けやすく、画像が位相エンコード方向に歪むという問題がある。この歪みを補正する方法のひとつにfield mapping法がある。本研究では、この手法を用いファントムでEPIの歪み補正について詳細に検討した。