三宅 玲 | 像情報処理学 | 千原 國宏 |
発表題目:論文紹介"High Dynamic Range Display Systems"
(Helge
Seetzen,et
al.High
Dynamic Range Display Systems.In Proc. ACM SIGGRAPH ’04, 760-768) 発表概要:近年,映画やゲームなどのエンターテインメントやプレゼンテーションなどディスプレイ装置で映像を表示する際,より現実に忠実な映像を表示することが求められている .しかし,従来のディスプレイ装置ではダイナミックレンジが不足していることから画像に黒潰れや白飛びという現象が現れ,さらに階調数不足から適正な輝度バランスで表現できないといった問題が発生する .そのためディスプレイ装置のダイナミックレンジの拡張と階調数の増加が必要である.本発表ではディスプレイ装置自体のダイナミックレンジの拡張と階調数の増加を目的にHDR(High Dynamic Range)ディスプレイシステムの開発を行った論文を紹介する.また,自身の研究と紹介する論文との関連も交え,発表する. | ||
宮本 大輔 | 音情報処理学 | 鹿野 清宏 |
発表題目:収録環境に頑健な肉伝導音声変換に関する研究
発表概要:近年開発された肉伝導マイクロフォンは,通常の気導マイクロフォンと 比べてダイナミックレンジが広く,様々な音声の収録が可能である.しかし, 肉伝導音声は気導マイクロフォンと比べ音声がこもっており音質が悪い.この 問題を解決するため,これまでに声質変換法を応用した音質改善の研究が行わ れてきた.しかし,これまで研究されてきた音質改善手法では,学習時と変換 時の収録環境が変化しないことを前提としており,収録環境が変化すると正確 に変換できない危険性がある.さらに実環境では学習時と同一の収録環境で使 用できることは稀である.そこで,本研究では収録環境に頑健な音質改善法の 提案を行う. 本発表では,収録環境で変化すると考えられる静的な乗法性成分を除去することで 変換音声の音質改善を試みたのでその結果を報告し,今後の研究方針を述べる. | ||
村松 敬司 | 音情報処理学 | 鹿野 清宏 |
発表題目:混合正規分布モデルに基づく高品質なリアルタイム声質変換の検討
発表概要:ある人の音声を他の人の音声へと変換する声質変換では,高品質かつリアルタイム性が求められる.しかし現行のリアルタイム声質変換アルゴリズムでは,十分な品質を得られていない.それは,時間方向の依存性を考慮していないためである.時間依存を考慮した手法も提案されているが,その手法では,音声特徴量分析時の遅延時間及び変換遅延時間の問題でリアルタイム処理が出来ていない.そこで本研究では,それら従来手法の美点及び欠点を分析し,高品質なリアルタイム声質変換アルゴリズムを提案する. 本発表では,その予備検討として以下の2つの比較を行った結果を示す.(a)音声特徴量の1つであるスペクトルの分析手法.(b)従来のリアルタイム声質変換と高品質オフライン声質変換の性能比較.それぞれの結果を示し,今後の方針を述べる. | ||
森實 久美子 | 音情報処理学 | 鹿野 清宏 |
発表題目:音声対話システムにおけるユーザが親しみやすい応答音声による情報提示
発表概要:近年、人と機械とのコミュニケーションに音声を用いた音声対話システムが広く用いられている。その中でも本研究では、音情報処理学講座にて開発された音声情報案内システムに対して、各ユーザがより親しみやすい応答音声による情報提示を行うことを目指す。本発表では対象とする音声情報案内システムのユーザ判別を用いたユーザ毎に異なった話し方での応答と、ユーザの要望に沿った音声での応答を行うというアプローチを発表する。そのアプローチの実現のために、音声情報案内システムの応答部にて用いられている、文字から音声を合成するテキスト音声合成システム(TTS)を説明する。そして、現在用いられているTTSの問題点とその改善のため、このTTSに有用な音声合成方式を紹介し、その中でも、少ないデータ量で多様な音声を合成できる統計量ベース方式を採用し、その手法の一つである、隠れマルコフモデル(HMM)に基づく音声合成システム(HTS)を使用する。最後に今後の研究方針を述べ、本発表をまとめる。 | ||
矢野 有美 | 論理生命学 | 石井 信 |
発表題目:パーティクルフィルタに基づいたヒトの複数注意制御モデル
発表概要:動画や画像など視覚情報の情報量は膨大であり,その情報の解釈の可能性は無数に存在するため,全ての可能性を実時間でしらみつぶしに探索することは原理的に不可能である.しかし人間はリアルタイムで精度良く頑健に視覚情報を処理することができる.それを可能にする鍵の一つは,視覚における空間的「注意」の制御であると考えられる.本研究では,複数注意のモデルにパーティクルフィルタを用いる.パーティクルフィルタとは逐次ベイズ推定において計算困難であった積分をサンプル近似する手法である.パーティクルフィルタは推定の頑健性を確保するには多くのサンプルが必要であるが,サンプルが多いと計算時間がかかってしまうというトレードオフ問題がある.そこで本研究では制限された計算能力(パーティクル数)でこのトレードオフ問題を解決する複数注意モデルを提案し,正確性,頑健性を兼ね備えた複数物体追跡が可能であることをシミュレーション実験により示す. | ||
的場 俊亮 | システム制御・管理 | 西谷 紘一 |
発表題目:非線形Receding Horizon制御の数値計算手法の検討
発表概要:非線形システムに対する制御系の設計は非常に困難であるが,非線形最適問題として捉え,最適化の数値計算問題の解法に帰着させることで,複雑な最適化の数値計算問題をいかに解くかがすべてとなる. 本研究では,非線形最適制御のひとつである,非線形Receding Horizon制御の最適化の数値計算問題を高速に解くC/GMRESアルゴリズムの特徴を利用した,誤差精度を高精度に扱える数値計算手法を検討する. | ||
水野 貴志 | 応用システム科学 | 杉本 謙二 |
発表題目:論文紹介“A Three-Dimensional Position Measurement Method Using Two Pan-Tilt Cameras”
発表概要:近年, 画像計測の応用としてビジュアルフィードバック制御が注目されている. カメラを用いることで, 複数の物理量を同時に非接触で計測できる. しかし,画像周辺部の歪みが制御系を設計する上での問題となる場合がある. 本研究では, 歪みのない画像を用い, 制御対象が画像の中心部にくるよう, パンチルトカメラで追尾しながらビジュアルフィードバック制御をおこなうことを考える. これに関連する論文として, パンチルトカメラを用いた位置計測手法に関する論文を紹介する. | ||
森岡 太一 | システム制御・管理 | 西谷 紘一 |
発表題目:二足歩行ロボットの歩行動作の解析
発表概要:二足ロボットに対しては様々な歩行制御方法が提案されているが、なぜ歩行できるかということは明らかではない。そこで、本研究では歩行を行うために必要な条件を導出し、歩行原理の基礎を確立することを目的とする。発表では研究方針である受動歩行をモデル化したコンパスモデルにおける遊脚の運動に注目し、股関節角度が変化したときの力学的エネルギーの変化について解析することについて述べる。 | ||
山添 秀樹 | 生命機能計測学 | 湊 小太郎 |
発表題目:有限要素法による細胞膜の力学特性の解析
発表概要:細胞膜は細胞内の恒常性の保持や運動時に必要な流動性の保持といった重要な役割を担っている。現在、刺激に対する応答や細胞膜の性能を理解するために細胞膜の力学的性質の解明が求められている。本発表では細胞膜に関する実験的研究および解析的研究の論文の紹介を主とし、これまでの解析手法の欠点と本研究で解析手法に適用する有限要素法の利点について述べる。 | ||
山田 晃平 | 応用システム科学 | 杉本 謙二 |
発表題目:論文紹介 「藪下ら, "パワーアシスト自転車の走行抵抗可変型制御," 日本機械学会論文集, C, 69-680 (2003)」
発表概要: 自転車は安定性の観点から制御工学において大変興味深い対象である. 所属講座では, 電動自転車におけるパワーアシスト制御に注目した研究を行っている. 従来 市販されているパワーアシスト自転車には, 人間の印加する力の瞬時値を動力によって倍加する踏力比例制御が使用されているが, 自転車のダイナミクスは考慮しておらず, モデルベースの制御理論を用いた高性能な制御方式の実装が望まれる. 本発表では, 自転車のモデルより設計した走行抵抗推定オブザーバを用いたパワーアシスト制御についての論文を紹介し, 今後取り組む研究について述べる. | ||
NG PARK HONG | システム制御・管理 | 西谷 紘一 |
Title Adaptive nonlinear H infinity control with a reference governor for a magnetic levitation system with time-varying parameters. Abstract In this short introduction, an adaptive nonlinear H infinity controller for a magnetic levitation system with bounded variations of time-varying parameters designed to be used with the reference governor proposed in this research, will be introduced together with the proposed reference governor. The predesign phase of the controller, which is also an input-to-state stable (ISS) controller, is necessary since the proposed reference governor in this research is only applicable for systems which are ISS. Eventhough applying such an ISS controller to a system with time-varying parameters causes extreme overshoots in outputs which may eventually results in degradation in system performance, this controller will still be used as with the existence of the proposed reference governor, extreme overshoots can be reduced, thus enabling the state to converge to the desired equilibrium state smoothly. | ||
洪 勇基 | コンピューティング・アーキテクチャ | 中島 康彦 | |
発表題目:論文紹介 "Detecting SEU-caused routing errors in SRAM-based FPGAs"
発表概要:近年,FPGAの集積度や性能が急速に向上し,FPGAが様々な用途で用いられている.そのため,FPGAには高い故障耐性が要求される.本論文では,FPGA内の約80%のトランジスタがFPGAの配線アーキテクチャに用いられていることに着目し,配線故障の検出を行うための新しいアーキテクチャを提案する.本発表では,本論文の紹介と共に,今後の研究方針について述べる. | |||
山科 隆伸 | ソフトウェア設計学 | 飯田 元 | |
発表題目:コードクローンに着目した大規模レガシーソフトウェア保守支援環境の提案
発表概要: 多くの企業の開発現場においてレガシーソフトウェアの保守作業での 品質低下やコスト増大が問題になっている. これらの要因の一つにクローンの存在が指摘されている. 本研究では,ソフトウェア保守を行っている開発者に注目し, 彼らの保守作業を観測し,彼らがどうクローンを意識し, どのように検出を行い,どのように修正しているのかを分析し, 問題点を明らかにする. さらに,これらの問題点を解決するためのソフトウェア保守支援ツールの要件を 提案する. | |||
吉田 宜司 | コンピュータ設計学 | 藤原 秀雄 | |
発表題目:論文紹介“Design of Reconfigurable Access Wrappers for Embedded Core Based SOC Test” 発表概要:LSI設計と生産技術の発展により,複数のコアが搭載されているSoC(System-on-Chip)が実現されている.SoCのテストを行うためには,テストアクセス機構とラッパーの設計が必要である.ラッパーの構成は固定であるためテストスケジュールに無駄が生じ結果としてテスト実行時間が長くなってしまう問題がある.そこで本論文では,ラッパーの構成を可変にすることでテスト実行時間の短縮を実現している.本発表では構成変更可能なラッパーの設計方法,ラッパーを用いたスケジューリングアルゴリズムについて延べ,従来手法との比較よりテスト実行時間がどれだけ短くなったかを示す. | |||
吉村 和浩 | コンピューティング・アーキテクチャ | 中島 康彦 | |
発表題目:異なる命令セットに適応可能な命令分解手法の提案
発表概要: 近年、ARMやMIPSなど多くの命令セットが存在しており、今後、SoCの内部メモリを有効活用する新しい命令セットが登場すると考えられる。 この状況で、新しい命令セットに対応可能なプロセッサが求められている。 我々の研究グループでは、プロセッサ内のフロントエンド部分でARM命令セットを内部命令に分解し、バックエンド部分を共有化して実行するプロセッサの研究を行なっている。この研究をさらに発展させ、本研究では、命令分解機構を再構成可能な構成にすることで異なる命令セットに容易に適応することができる手法を提案する。 この手法により、新しい命令セットに対応したプロセッサの短期開発が期待される。 | |||
吉村 智浩 | コンピュータ設計学 | 藤原 秀雄 | |
発表題目:論文紹介 "Efficient RT-Level Fault Diagnosis Methodology"
発表概要:ICの集積度が向上するにつれIC内の故障の起こりうる位置の数が莫大なものとなり、診断情報の計算時間と必要容量も膨大なものとなっているため、より故障位置特定能力に優れた診断手法が必要となりつつある。本論文ではレジスタ転送レベルの診断手法を提案し、故障をグループ化することによって計算時間と必要容量を大幅に削減し、従来手法と同等の診断精度を実現する。 | |||
松原 裕貴 | インタラクティブメディア設計学 | 加藤 博一 | |
発表題目:論文紹介"Cache-conscious Frequent Pattern Mining on a Modern Processor"
発表概要:頻出パターンマイニングは、主に大規模なデータベースを対象として行われることが想定されるため、 効率的なアルゴリズムが数多く提案されてきた。しかしながら、アルゴリズムの性能評価を行った結果、 CPU速度の向上比に対し、実際の速度向上比が低いことがわかった。 これは、既存のアルゴリズムではCPUキャッシュが効率的に利用されていないためである。 本発表では、FP-growthを対象とし、 CPUキャッシュの利用効率の改善手法及び現代のCPUに適したアルゴリズムの改良手法について述べられた論文の紹介を行う。 | |||