ゼミナール発表

日時: 11月14日(水)3限 (13:30-15:00)


会場: L1

司会:樫原
大関 修一 情報コミュニケーション 岡田 実
0751027 発表題目:論文紹介"Initial Ranging for WiMAX(802.16e) OFDMA (Mahmound,H.A.; Arslan,H.; Ozdemir, M.K. ,Military Communication Conference ,2006)"
発表概要:WiMAXは無線LANを改良した次世代高速無線通信システムとして、現在携帯電話事業者の注目を浴びている。モバイルWiMAXは基地局によ り端末の出力調整、周 波数調整、タイミング調整を行うため、端末と基地局の同期によって各端末の出力情報、オフセット情報を正確に得る必要がある。。これらを行う処理としてレ ンジング処理が存在するがタイミングオフセットの影響からレンジングプロセスの失敗、またレンジン グ処 理の計算量の複雑さなど問題点が存在する。そこで本発表では、端末がまず始めに同期をとる際に行われるイニシャルレンジング手法に着目した論 文の紹介を行い、今後の研究方針を述べる。
 
木下 晴雅 応用システム科学 杉本 謙二
発表題目:論文紹介“Dynamic Frequency Hopping Communities for Efficient IEEE 802.22 Operation” (W.Hu, D. Willkomm, G. Vlantis, M. Gerla, and A. Wolisz, IEEE Comunications Magazine, May 2007)
発表概要:近年、逼迫した周波数帯域を効率的に利用するために、使用する通信システムや周波数を動的に変化させ無線通信を行うコグニティブ無線が注目されている。現在IEEE 802.22 Wireless Resional Area Networks (WRAN) では、TV用に割り当てられている周波数帯域を2次利用するコグニティブ無線システムが標準化中である。WRANでは、それぞれ異なる周波数でセンシングとデータ伝送を同時に行い、使用する周波数(チャネル)を定期的に切り替える方式(Dynamic Frequency Hopping (DFH) モード )が提案されている。このDFHモードによって、TV放送や他の通信と干渉しない無線通信が実現される。本論文では、DFHモードにおいて使用するチャネル数を削減する方式を提案している。提案方式では、複数のWRANセルが一つのコミュニティーを形成し、コミュニティ内でチャネルの使用パターンを決定してチャネルの有効利用を実現する。本発表ではさらに、論文と関連して今後の研究方針について述べる。
 
岡本 慶大 インターネット・アーキテクチャ 砂原 秀樹
発表題目:仮想マシン環境におけるシステムリソース管理手法に関する研究
発表概要:近年、仮想マルチサーバ環境の構築が行われるようになってきた。仮想マシンを用いて負荷率の低い物理サーバを統合することで、導入や保守運用にかかるコストを削減することができる。 しかし、仮想マシン環境においては動的なシステムリソースの変化が起こり得る。仮想マシン上で動作することを想定していない従来のOSや、物理サーバ上でチューニングされたサーバシステムなどでは、その変化に対応できず、パフォーマンスが発揮されない可能性がある。特にメモリはVMM、ゲストOS、アプリケーションがそれぞれのポリシーで管理を行うため、ポリシー衝突によって有効活用されず、ときにスラッシングを引き起こす可能性もある。 本発表では既存の技術として、VMware ESX Serverにおけるメモリ管理手法の主軸であるBallooningとContent-based Page Sharingについて紹介し、その課題について取り上げる。
 
神�� 啓 インターネット・アーキテクチャ 砂原 秀樹
発表題目:論文紹介"Design, Implementation, and Evaluation of the Linear Road Benchmark on the Stream Processing Core"(Lisa Amini, Henrique Andrade, Richard King, Yoonho Park, Philippe Selo, Chitra Venkatramani, SIGMOD 2006, June 27-29)
発表概要:近年、インターネットの普及にともなう、逐次発生する大量のストリームデータを処理するアプリケーションが注目されてきている。これらのアプリケーションの核にあたるのがストリームデータの管理や資源分配を支持するストリーム処理インフラです。しかし、多数あるストリーム処理インフラでは、アプリケーションのパフォーマンスを向上させるための最適化の研究が行われていませんでした。そこで本論文では、IBMの開発すしたストリーム処理基盤Stream Processing Coreにおける大規模分散ストリーム処理におけるボトルネックの発見と最適化について紹介する。
 
川原 貴裕 インターネット・アーキテクチャ 砂原 秀樹
発表題目:多様なセンサを考慮した組込機器用データ解析プログラムの開発
発表概要:近年、大規模センサデータ共有基盤が構築され、高密度センサデータ等が
取得可能になりつつある。しかしセンサデータの仕様はそれぞれ異なるため、現状で
はデータを共有可能なセンサが制限される、センサ別に専用のデータ解析プログラム
を開発する必要があるといった問題がある。そこで、本研究では多様なセンサに対応
可能なデータ解析プログラムの開発を目指す。本発表では目的を達成するための具体
的手法と今後の計画について報告する。
 

会場: L2

司会:波部
伊原 章達 像情報処理学 千原 國宏
発表題目:論文紹介”Image-Based Rendering of Diffuse, Specular and Glossy Surfaces from Single Image(Samuel Boivin and Audre Gagalowicz, Proceedings of the 28th annual conference on Computer graphics and interactive techniques, pp107-116, 2001)”
発表概要:複合現実感におけるCGと現実環境の融合要素として,光学的整合性のひとつである映り込み表現がある.映り込みを表現する上で,物体表面の反射特性を求める必要がある.紹介論文では現実環境内の表面の反射モデルBRDFの近似値を導出する新しい手法を提案している.提案手法では,少ないパラメータで反射モデルを定義することが出来る.入力には一枚の写真とその環境の3次元幾何学モデルを使用する.作成された合成環境(CG)と入力された写真を比較し,より適切な反射特性を求める.結果として入力された環境内全ての表面の反射特性を導出し,合成環境内での照明条件・視点の変更を行うことが可能となる.本発表では,論文紹介と共に研究について述べる.
 
今畑 年雄 像情報処理学 千原 國宏
発表題目:論文紹介"Towards Lean and Elegant Self-Motion Simulation in Virtual Reality(Bernhard E. Riecke,Jorg Schulte-Pelkum,Franck Caniard,Heinrich H. Bulthoff,IEEE Virtual Reality 2005)"
発表概要:本発表では、自己運動感覚(ベクション)と様々な感覚との関係を調べた論文を紹介する。ベクションとは自分が動いているかのように感じることである。本論文では、視覚,聴覚,前庭または触覚に刺激を与え、ベクションの変化を調べた。実験では、通常の風景のシーン、またはそのシーンを中央で水平に切って上下を入れ替えて提示した、その結果通常のシーンの方がベクションが増加するのがわかった。また、スクリーン周辺部の知覚出来ない程目立たないキズはベクションを増加させた。物理的な振動や音声は、目視により誘発されたベクションを増加させることがわかった。
 
今村 昂司 像情報処理学 千原 國宏
発表題目:単画像、間取り図を用いた建物の三次元再構成に関する手法
発表概要:高齢化に伴い、高齢者の生活の質を向上させる取り組みが行われている。その中でも回想法への関心は年々高まっており、医療介護の現場をはじめとして多くの実践、研究が行われている。回想法とは、1960年代にアメリカのロバート・バトラーによって提唱された主に高齢者を対象とした癒しの手法である。本研究では、写真や間取り図(地図)、またユーザーの記憶からユーザーの思い出深い建物である昔の家や校舎、街並みを三次元再構成して提示することによって、よりユーザーが回想しやすい回想法システムの作成を目的とする。本発表では、単画像、また間取り図から三次元再構成する手法に関する論文について紹介する。
 
岩立 将和 自然言語処理学 松本 裕治
発表題目:日本語係り受け解析における形態素ベース解析手法の検討
発表概要:係り受け解析とは、入力された文節列に対して各文節がどの文節に係っているかを判定する処理である。 本研究では、このような文節ベースの手法では、係り受け関係の情報が文節境界 の判定に重要であるような事例に対応できないことに着目し、 係り受け関係の前段階の処理であるチャンキング(文節まとめ上げ)を係り受け 解析と並行して行う形態素ベースの解析手法について実験した。 具体的には、Shift-Reduce法に基づく文節ベース係り受け解析アルゴリズムであ る颯々野のアルゴリズムを形態素ベースで実装し、 以前に当研究室で開発された文節ベースの係り受け解析器であるCaboChaと解析 精度を比較した。
 
上村 益永 音情報処理学 鹿野 清宏
発表題目:ブラインド空間的サブトラクションアレーを用いた高音質な会議用ハンズフリー音声通話システム
発表概要:本発表では,高音質な会議用ハンズフリー音声通話の実現に向けて,ブラインド空間的サブトラクションアレー(BSSA)に基づく,目的音声の品質劣化 を抑えつつ高精度に雑音を抑圧する手法の検討を行う. TV会議システムなどの遠隔地間のコミュニケーションツールとしてハンズフリー音声通話の需要が高まっているが,雑音や発話の重なりなどにより目的音声の明瞭性が低下してしまう問題がある.雑音を効果的に抑圧する手法として,BSSAが提案されているが,BSSAはスペクトル減算に基づく非線形な雑音抑圧手法であり,音声の品質が劣化してしまう.本発表では,目的音声の品質劣化を抑えつつ高精度に雑音を抑圧するため,BSSAにおけるスペクトル減算に代わるポストフィルタの検討を行う.
 
大熊 秀治 自然言語処理学 松本 裕治
発表題目:Alignment modelによる日本語並列構造解析
発表概要:並列構造の曖昧性は構文的曖昧性の1つであり、統語解析の誤りの原因となるこ とがある。そのため、文内の並列構造をあらかじめ解析してその曖昧性を解消することに より、統語解析の全体的な精度の向上が期待される。並列構造を解析する手法として、 並列構造を構成する句の間の類似性を利用する手法が提案されてきた。その中でも、 sequence-alignmentの拡張として問題を定式化し、句の類似度の計算をグラフ上の 最適経路探索として解いた手法に注目する。この手法は他の手法に比べて、類似度計算に 必要なパラメータをヒューリスティックに決めるのではなく、学習によって調整ができるな どのいくつかの利点がある。本発表では、英語を対象にしたこのモデルを日本語データに適用 させた実験結果と、その考察を発表する。また、現在考案中のその拡張モデルについても発表する。
 

会場: L3

司会:北野
伊坂 弥花子 生命システム学 作村 諭一
発表題目:体節形成における遺伝子発現の振動モデル
発表概要:生物の発生過程の様々な現象は、正確な時間的制御を受けているが、そのメカニ ズムについては不明な点が多い。発生過程において時間的制御を受けている現象の例として、脊椎動物の体節形成があげられる。 体節を形成するために胚末端の細胞(PSM)での転写因子の発現が周期的に振動するという現象が知られている。このような、時間的変化を含む動的な現象を理解するためには、数学的シミュレーションを使うことがとても有効である。 本発表では、Lewisの論文を紹介し、これからの研究の展望について述べる。
 
今井 悟士 情報基礎学 関 浩之
発表題目:環境との相互作用からのベイジアンネットワークの構築と知識利用
発表概要:多変量の確率変数の同時分布を因果モデルによって表現する手法としてベイジアンネットワークがあり、近年ベイジアンネットワーク上で効率的な確率推論を行うアルゴリズムが発見されたことで注目されている。また、データから確率パラメータやネットワーク構造を学習する手法についても活発に研究されているが、不完全データからの構造学習は非常に難しい問題である。 本研究ではベイジアンネットワークを強化学習エージェントの知識表現に利用し、環境との相互作用から得られる観測と行動の系列、および報酬をサンプルデータとしてベイジアンネットワークを構築することを考える。本発表では既存の論文を紹介し、今後の研究の方針を示す。
 
内海 将人 生命システム学 作村 諭一
発表題目:視床神経細胞の軸索誘導とその制御モデルへの統計的アプローチ
発表概要:脳における情報処理を通した学習や記憶などの高次機能の実現には,機能的な 神経回路網の形成が必要不可欠 であり,これは膨大な数の神経細胞が適切なター ゲット細胞に各々正しく接続することにより実現されている.特に,本研究で注 目している視床神経の軸索は,大脳皮質の第2-4層に特異的に投射されることが 知られているが,種々の誘導因子が関与しているこの回路形成機構の詳細は未解明である.生命機能としてこの 回路形成機構を理解するためには,細胞外の誘導因子がもたらす配線の結果に関 する知見を集めなければならないが,あらゆる可能性について実験的に検証する ことは実質不可能である.そこで本研究は,誘導因子を「入力」とし視床軸索の挙動を「出力」 とする射影関数を構築することで,視床神経細胞の環境応答と制御の理解のため の複雑な経験則を情報科学的に抽出し,それにより,複雑な応答を示す細胞操 作を理解するための判断材料を提供する方法論の確率を目的とする.本発表では, 生物学的な知見として,発生初期のラットの脳における,大脳皮質への視床神経細胞の投 射に関する知見を発表すると共に,モデル構築へのアプローチについてその概要を 述べる.
 
鬼塚 美帆 計算神経科学 川人 光男
発表題目: 小脳学習理論における下オリーブ核の役割とそのモデルの研究
発表概要: 小脳プルキンエ細胞は小脳皮質の唯一の出力細胞で、顆粒細胞から10万本以上 の平行線維と下オリーブ核から1本の登上線維の興奮性入力を受けている。小脳 の運動学習は、運動指令の誤差信号を登上線維入力がプルキンエ細胞に伝え、プ ルキンエ細胞と平行線維間のシナプス伝達効率を変化させることで行われている と考えられている。実際に、登上線維入力でプルキンエ細胞に生じる複雑スパイ クが、運動指令の誤差情報を表していることが報告されている。また、登上線維 の源である下オリーブ核の神経細胞群では、低頻度のスパイクを起こし、細胞間 がギャップ結合で電気的に結びついていることが知られているが、どのように低 頻度スパイクで学習に必要な情報を小脳プルキンエ細胞に伝達しているのだろう か。本発表では、Schweighoferらの論文の紹介を中心に、現在問題となっている点 について述べる。
 
古谷 允宏 論理生命学 石井 信
発表題目:より精度の高い協調フィルタリング手法の紹介、及び改良方法の提案
発表概要:協調フィルタリングは他のユーザの好みを元に、ユーザの気に入りそうな商品を推薦するために用いられる手法の一つであり 例えば、user-movie間やuser-item間の評価データなどといった統計的なデータ行列を対象に行われる。 しかしながら、実社会に存在する上記のような観測されたデータ行列には誤り値や欠測値(値の入っていないデータ)が多く含まれていると考えられており、そのようなデータから、本来あるべき真の行列を推測、また欠測したデータを予測することは、重要かつ困難な問題である。 近年、srebroらによって新たな手法、maximum margin matrix factorization(MMMF)が考案された(2005)。本発表では、このMMMFを紹介するとともに、改良手法として、新たに重みという概念を導入した新手法を提案し、従来手法との比較を行う。