ゼミナール発表

日時: 6月1日(金)3限 (13:30-15:00)


会場: L1

司会:池田
奈木野 豪秀 D 音情報処理学 鹿野 清宏 木戸出 正継 猿渡 洋
発表題目:効果的な音声コーパス設計/整備フレームワークの構築
発表概要:新規に音声認識システムを構築する際、一般に音声コーパス収集に膨大なコストがかかる。このコストを下げ、戦略的な投資を実現するためには、事前に目的とするタスクに対する既存音声コーパスの再利用性を判定することが重要となる。また、再利用できない場合には、より低コストで効果的な音声コーパス構築方法を提案することが重要である。本発表では多次元尺度法を用い、既存音声コーパスと目的タスクの少量データのデータ分布を生成し、分布間の重複度から再利用性を判定する手法を提案する。実験では、目的タスクと既存音声コーパス群との認識性能およびデータ分布間の距離に高い相関があることを確認した。これにより、提案手法が再利用性判定手法として高い精度があることが示された。また、同様に多次元尺度法を用いた収録話者予備選択方法を提案する。提案手法ではまずインターネット等を介し安価に大勢から少量発声を収集する。次に、多次元尺度法を用い2次元空間上に話者データセットを写像することで話者データ分布を作成する。提案手法ではこのデータ分布に従い予備選択を行い、本収録話者を決定する。認識実験ではランダムに予備選択した話者セットによる認識性能と比較し、提案手法の有効性を示したのでこれを報告する。
 
榎並 直子 1回目 知能情報処理学 木戸出 正継
発表題目:撮影条件の変化にロバストな車載カメラ映像間の対応付け
発表概要:交通の要を車が担う近年,情報通信技術を用いて道路交通問題の解決はかるITSの構築が進められている. その中でもカーナビゲーションシステムは重要な役割を担っているが,その基本性能とも いうべき地図情報の更新は未だ人の手によって行われている. そこで本発表では,車載カメラとGPSを用いて街並みの変化を自動で検出し,地図情報の更新を行うシステムを提案し, システム実現のため照明・速度・カメラ方向など撮影条件の変化にロバストな車載カメラ映像間の対応付けを行う 手法について述べる.
 

会場: L2

司会:寺田
加藤 健一 D 応用システム科学 杉本 謙二 西谷 紘一 平田 健太郎

発表題目:輻輳制御における状態依存むだ時間系の非線形モデル表現とSOS解析
発表概要:本発表では,状態依存むだ時間系の一例としてレート型輻輳制御問題に現れる通信ネットワーク系を取り上げ,システム制御理論からの接近が可能であるようなモデル表現とその解析手法を提案する.従来においては状態依存むだ時間系の直接的な取り扱いが困難であったことから,むだ時間が公称値まわりで変動する不確定システムとしてモデル化し,それに対してロバスト制御理論が適用されてきた.しかし,確定的な挙動を示す系を不確定系としてモデル化することは当然ながら見積もりの保守性を増大させる.本研究では,状態依存むだ時間系を離散時間の非線形状態方程式として近似的にモデル化し,その安定性解析を多項式二乗和(Sum Of Squares)のための数値解析ツールを用いた共通リアプノフ関数の探索問題に帰着させる.不確定系としてのモデリングに比べ,より正確な動特性の記述や解析が可能になる.

 
伊藤 智博   データベース学 加藤 博一
発表題目:文書構造を用いた情報検索支援
発表概要:現在、検索エンジンによって作成される検索結果一覧は大変見難くく、それに含まれる要件を見ても内容の理解できない物が多いため得られた検索結果の中で検索対象となっている語がどの様にwebページで使われているかを知るためにはそれらを参照しその内容を確認して判断しなければならない。 本研究では本研究では文書構造を使うことにより検索対象の語がwebページ内でどの様に使用されているかを事前にユーザに知らせることによって検索エンジンのユーザビリティの向上を図る。
 
堀内 栄吾 1回目 インターネット工学 山口 英
発表題目:無線LAN環境における大規模ネットワークでのハンドオーバーの問題点の考察
発表概要:近年無線LANの普及により、無線LANがどこでも使えるような環境になってきている。移動する端末は、無線LANのアクセスポイントを変えながら移動する。これをハンドオーバーと呼ぶが、このときに瞬断などが発生し通信品質が低下する原因となっている。先行研究では端末がフレームの再送回数を用いてハンドオーバーを決定する研究が行われたが、端末からのみの情報でハンドオーバーを行っており、移動する端末も1台のみを想定している。また現在の無線LANでの研究は限定された小規模なネットワークでの研究がまだ多く、大規模なネットワークでの研究はまだほとんどされていない。そこで、本発表では、大規模ネットワーク下でのハンドオーバーの問題点を考察する。