ゼミナールI講演

日時平成 18年 10月 27日(金) 3限 (13:30 -- 15:00)
場所L1
講演者加納学
所属  京都大学大学院工学研究科化学工学専攻
講演題目  統計的アプローチによる品質実現力の強化 〜産学連携の現場から〜
概要
近年,製品ライフサイクルが短くなり,顧客の製品品質に対する要求が厳しく なるなか,いかに短期間で製品品質や歩留りを改善するかが,様々な産業にお いて重要な課題となっている.これまで多くの場合に,運転員の経験や勘に依 存して問題解決を図ってきたが,製造プロセスに最大限の性能を発揮させるた めには,より合理的な手法が必要である.そこで注目されているのが統計的ア プローチである.これまでにも相関解析などのデータ解析手法は現場で利用さ れてきたが,近年,高性能なデータベースや新しい統計的手法が比較的容易に 利用できるようになり,統計的アプローチの産業プロセスへの適用が急速に進んでいる. 本講演では,品質実現力・生産技術力の強化に役立つ代表的なデータ解析手法 を簡単に説明したのち,1)異常検出・異常診断を実現するための多変量統計 的プロセス管理,2)オンライン測定できない製品品質を推定するためのソフ トセンサー,3)製品品質と操業条件を結び付ける統計的モデルを核とする品 質改善技術について,その基本概念と産業応用事例を述べる.また,石油化学, 鉄鋼,半導体など数多くの企業とこれまでに取り組んできた産学共同研究の経験 から,学界および産業界双方の課題について私見を述べる.
担当教官・司会:野田 賢

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平成18年度ゼミナールI担当