ゼミナール発表

日時: 9月29日(金)3限 (13:30-15:00)


会場: L1

司会: 井村 助手
川田 祥平 M2(発表中止) 木戸出 正繼 千原 國宏 河野 恭之
発表題目:マルチカメラによる複雑なシーンの任意視点画像生成
発表概要:現在,カメラから得られた画像を利用して任意の視点からの画像を生成する研究が盛んに行われている.既存研究では,カメラの配置が疎でシーンが複雑な場合において,人に違和感を与えない画像を生成するという段階には至っていない.そのため,そのような環境下においても違和感の無い画像を生成する手法を提案する.本手法では,三角網を用いて各カメラから得られた画像の分割を行い,それらの画像を統合することで任意視点画像を生成する.その際,分割の仕方によって違和感の生じやすさが異なる.そこで,違和感が生じやすい箇所から順に三角網を修正することにより,違和感の無い画像の生成を目指す.
 
西野 勝章 M2 木戸出 正繼 千原 國宏 河野 恭之 緒方 司郎 諏訪 正樹
発表題目:特徴点の三次元分布を用いた人物検出
発表概要:近年セキュリティや交通など様々な分野において人物検出が求められ、研究がなされている。一般背景下における人物検出を考えた場合、どの部分がどの物体に属しているというラベル付けが困難となり、人物検出の精度向上に対する問題となる。本手法ではステレオカメラを用いて抽出された特徴点の三次元分布を利用する事で、人物検出の際に課題となるラベル付けの問題に対処し、その分布を利用することで人物検出を行う事を目指す。

 
河合 紀彦 M2 横矢 直和 千原 國宏 山澤 一誠
発表題目:エネルギー最小化原理に基づく画像欠損領域の修復
発表概要:写真についた傷など画像内の不要な部分を取り除き,その部分を周りと調和するように自動的に修復する研究が盛んに行われている.画像欠損領域の修復に関する研究分野においては,テクスチャを逐次的に合成する手法や修復領域内の輝度を滑らかに補完する手法などが提案されているが,前者は完成画像に不連続なテクスチャが生じやすく,また後者は大きな領域を補完した場合細かいテクスチャを生成できないという問題点がある.本発表では,これらの問題に対して修復領域と修復領域以外のパターン類似度を用いてエネルギー関数を定義し,これを最小化することで,テクスチャ情報を保持しかつ不連続なテクスチャの生じにくい画像を作成する手法について述べる.
 

会場: L2

司会: 戸田 助手
阿部 修也 D2 松本 裕治 鹿野 清宏 乾 健太郎
発表題目:事態オントロジー構築のための知識獲得 発表概要:事態オントロジーを構築を目指し、事態間の関係知識を獲得する。知識源として、国語辞書やシソーラスやWikipediaや大規模Webコーパスを利用する。 本発表では、事態を含意する名詞に注目し、文節間の係り受け関係と語彙概念構造をパターンとして用いて、大規模Webコーパスから事態間の関係知識を獲得する。
 
近藤 光正 M2 松本 裕治 鹿野 清宏 乾 健太郎
発表題目:少量の辞書を用いた報道発表資料からの用語抽出
発表概要:近年,インターネットの普及により電子化テキストが大量に入手できるようになり,大量の文書集合から必要な情報だけを自動抽出する情報抽出技術の必要性が高まっている.しかしながら現在の情報抽出手法は,抽出したい用語を辞書としてあらかじめ構築しておき,それらを基に情報を抽出する手法が主流である.さらに情報抽出技術は,特定の製品やレストラン等様々な分野で必要とされており,それらの分野の辞書を人手ですべて網羅することはコスト的に大変難しい.また,製品等は日々新しい製品や技術等が発表されるので,その都度辞書に登録するのはコストがかかる.そこで,本研究では人手コストの低い小規模な辞書を用いて大量の報道発表資料から用語を抽出する.本発表では,機械学習を用いた教師あり用語抽出手法を述べた後,実験的に行った半教師あり学習手法の結果を報告する.そして,それらによって得られた考察と今後の計画について述べる.
 
福井 健司 M2 松本 裕治 ニック・キャンベル 鹿野 清宏 柏岡 秀紀
発表題目:対訳文選択のための用例翻訳用シソーラスの構築
発表概要:近年,機械翻訳は大規模な対訳コーパスを利用した方式が主流になりつつあり,その中の一つに「用例翻訳」という方式がある.用例翻訳では,入力文の類似対訳文を対訳コーパス(データベース)から取得し,その類似対訳文を活用することで翻訳を行なう.この類似対訳文取得のためにシソーラス(概念辞書)が利用される.既存のシソーラスおよび従来のシソーラス構築の研究は,そのほとんどが単一言語を対照としており,多言語を扱う機械翻訳においては,言語間の概念の相違や概念体系が固定的なシソーラスを用いることで,翻訳精度を落としかねない事例が存在する.本研究ではそのような事例の問題解決を目標とし,翻訳事例として参照可能な対訳コーパス,すなわち多言語情報から用例翻訳に適したシソーラスの構築手法を提案する.発表では対訳コーパスからのシソーラスの構築概要,そして既存のシソーラスと提案するシソーラスを用いた用例翻訳の結果を中心に報告する.
 

会場: L3

司会:中村(匡) 助手
末永 剛 D2 小笠原 司 松本 健一 松本 吉央
発表題目:運動視差提示3次元ディスプレイ
発表概要:3次元情報を立体的に表示させる,3次元ディスプレイの研究は盛んで あり,ロボットの操作やアミューズメントなど様々な分野で利用されている.最 近では3次元CADのような専門分野だけではなく,Web上での新製品紹介や観光地 の景観提示など3次元情報を扱う機会は増えてきている.しかし,日常のテレビ やPCのモニタは2次元的にしか利用されていないのが現状であり,手軽に利用可 能な3次元ディスプレイの実現が望まれる. 本研究ではカメラを用いて非接触に利用可能な運動視差提示3次元ディスプレイ の開発を行う.ユーザは頭部を動かしながら通常の平面ディスプレイを見ること で映像内の物体を立体的に知覚することが可能である.本発表ではシステムを用 いた絶対距離知覚による評価実験の結果を報告し,その後,進捗状況と今後の展 望についての述べる.
 
吉村 崇 M2 小笠原 司 松本 健一 松本 吉央
発表題目:ビデオ講義における受講者の行動計測・状態推定システムの構築
発表概要:近年,高等教育へのe-Learning導入事例やその効果についての議論が活発に行なわれている.一方で,e-Learning教材の評価に関する研究は,まだ充分になされていない。そこで本研究では,まず,e-Learningの代表例であるビデオ講義の受講者を,カメラやサーモセンサ等,複数のセンサを用いて行動計測を行ない,顔向きや姿勢を抽出する.次に,計測結果をもとに受講者の状態を推定する事により,e-Learningの評価および支援を行なうシステムの構築を目標としている.本発表では,提案するシステムの計測部分について述べる.
 
内田 肇 M2 石井 信 川人 光男 松本 健一 神谷之康 柴田 智広
発表題目: ヒト視覚野の fMRI 画像を用いた視知覚のデコーディング
発表概要:現在までに,機能的磁気共鳴画像(fMRI)などの非侵襲的計測法によってヒトの脳の機能局在が数多く調べられているが,たいていは大まかな機能局在を明らかにするものであり,脳を理解する為に十分であるとは言えない.しかし近年の研究で,パターン認識に使われる技術を fMRI 画像に応用することで従来手法では知り得なかった細かな違いや心の内部状態をデコーディングすることが可能となってきた.本研究では,ヒト視覚野の情報表現・情報処理過程の更なる解明のため,ヒトが見ている視覚イメージのデコーディングを行う.
 
森本 智志 M2 石井 信 松本 健一 柴田 智広
発表題目: 拡張版Tiger Problemを用いた推定に関わる脳部位の研究
発表概要:最近の研究より、観測不可能な環境における推定に前部前頭前野が関 与していることが示唆されてきた。本研究はこれら推定に関わる脳部位の機能分離を行うことを目標とする。 不確実情報のみに基づいて隠れ状態を推定する課題である 「Tiger Problem」と、それに状態遷移モデルの推定を加えた二重の不確実性を もつ拡張版課題を提案し、両課題遂行時に おける脳活動を比較検証する。 本発表では、fMRI実験で得られた画像データの解析結果と、被験者の行動 選択を説明する仮説について報告を行う。