ゼミナール発表

日時: 9月29日(金)1限 (9:20-10:50)


会場: L1

司会:大平 助手
西川 博志 M2 伊藤 実 松本 健一 安本 慶一
発表題目:スマートスペースシミュレータUbiREALの設計と開発
発表概要:本研究は,多数の情報通信機器をコンテキストおよび利用者の好みに従い適切に 制御するユビキタスアプリケーションを対象に,それらのアプリケーションを高 信頼かつ低コストで開発できるようにするためのシミュレータUbiREALを設計・ 開発することを目的とする.UbiREALは,アプリケーションソフトウェアが,ユー ザの行動に従って3D仮想空間上のデバイス群を制御する様子を 3Dグラフィックス によるアニメーションにより現実世界そっくりにシミュレートする.UbiREALは,3D 仮想空間へのデバイス設置支援機能,デバイス間の通信をシミュレートする機能, エアコンなどの機器の動作による空間の物理量(室内温度など)の時間的変化を 再現する機能を持つ.また,与えた環境設定およびアプリケーションソフトウェ アが意図した通りに動作することを系統的に調べるテスト機能を実現する.
 
植松 亨介 M2 西谷 紘一 松本 健一 野田 賢
発表題目:ドライバの緊急回避特性を考慮した車載HMIの評価
発表概要:カーナビゲーションシステムなど車載機器の複雑化により,これら機器の使用が脇見運転や注意力散漫を誘発することが指摘されている.車載機器の操作負担を減らすために,Head-up Display (HUD) と ステアリングスイッチを組み合わせた新しいHuman Machine Interface (HMI)が提案されている.本研究では,ドライバの予期しない危険事象を発生させた場合のドライバへの影響を考慮したHMIの評価を行っている.評価実験として,ドライビングシミュレータ(DS)を運転しながら新HMIおよび従来型インパネスイッチを操作する実験を行った.HMIごとの前方の危険事象の発見のしやすさの検証や,危険事象に対する回避操作への影響に関する評価について述べる.
 
種治 芳尚 M2 西谷 紘一 松本 健一 野田 賢
発表題目:視線分析によるプラントオペレータの異常診断過程の解析 発表概要:大規模なプロセスを扱うプラントでは,プラントオペレータはCRT画面による集注監視,アラームシステム,運転支援システムなどを用いてプラントの監視や異常診断を行っている.本研究では,視線計測装置を用いてプラントオペレータの異常診断時の視線を計測することにより,プラントオペレータの異常診断過程の分析を行い,異常診断の戦略や特徴を調べることを目的とする.本発表では,経験済みマルファンクション(異常)における異常診断時の視線計測実験について述べ,定性的な異常伝播モデルを用いて結果について考察を行う.
 

会場: L2

司会:佐藤(智)助手
小島 摩里子 M2 鹿野 清宏 横矢 直和 猿渡 洋
発表課題:セグメント情報を利用したNAMによる個人認証法
発表概要:本研究では、より安全で高精度な音声による個人認証法の確立を目指し、セグメント情報を用いたNAMによる話者照合法を提案する。NAMとは他人に聞かれることのない小さなつぶやき声を指す。そのため、キーワード発声を利用したテキスト依存型話者照合を安全に適用することができる。本方法では、複数フレームからなるセグメントを入力特徴量とし、キーワード固有の音響特徴量を有効に活用する。また、次元が大きい特徴量ベクトルを扱う為に、Support Vector Machine (SVM) を用いる。
 
志水 芳直 M2 小笠原 司 横矢 直和 松本 吉央
発表題目:ビューシーケンスを用いたヒューマノイドの室内ナビゲーション
発表概要:近年、様々なロボットが開発されており、今後はロボットが人間環境に入り込んでくることが予想される。多種多様はロボットの中で人間と同じ形をしているヒューマノイドには人間の環境に手を加えることなく環境に適応することができるといったメリットがある。ただし、人間の環境は雑多でありロボットを自動で目的地付近に移動させるにはナビゲーション方法を工夫する必要がある。そこで、本研究ではビューシーケンス(画像列)を用いてヒューマノイドのナビゲーションを行った。また、モーションキャプチャシステムにより位置の精度評価を行った。
 
杉江 京 M2 小笠原 司 横矢 直和 松本 吉央
発表題目:駅案内ロボットにおける複数センサを用いたナビゲーション手法
発表概要:ロボットの人間社会における活用法の一つとして、 サービスロボットが注目されている。 サービスロボットに求められる機能は様々であるが、 本研究ではその中のナビゲーション機能について注目した。 公共施設のような動的環境においては、 静的環境で確立された機能のみで安定したナビゲーションは不可能である。 そこで昨年度開発した駅案内ロボットを使用し、 駅という人の出入りがあり、 屋内、屋外という性質の異なる二つの空間が混在する環境 において安定したパフォーマンスを期待出来る ナビゲーション手法の開発を目指す。
 
大谷 真司 M2 杉本 謙二 小笠原 司 平田 健太郎
発表題目:繰り返し制御のパワーアシスト機構への応用
発表概要:近年、ロボット技術の応用のひとつとしてパワーアシストが注目されている。人間の印加する力の瞬時値を動力によって倍加するのが最も素朴な実装方法と考えられるが、人間の行う動作には「歩く」、「自転車をこぐ」などの周期運動も少なくない。これらの動作を対象にする場合には、運動の周期性に注目することによって、より効率のよいアシストが実現できる可能性がある。本研究では、周期運動のパワーアシストに、繰り返し制御を基にした制御方式を適用することで、エネルギー効率の向上を図る。本発表では中間報告としてシミュレーションによる検証と実験予定までを述べる。
 

会場: L3

司会:前田・河合 助手
堀内 崇宏 M2 小笠原 司 石井 信 金出 武雄 加賀美 聡
発表題目:短期的および中期的な人の歩行の確率的予測手法の研究
発表概要:ロボットが人と共存するという目的において人の歩行経路を予測し避けることは必要不可欠な要素技術の一つである.本研究ではこの技術を達成するために必要な人の歩行予測を扱う.歩行予測は人の状態から次の瞬間に何処に行くかを予測する短期的な予測と人が何処に向かっていてどのような経路でそこまでたどり着くかを推定する中期的な予測とに分けることが出来る.短期的な予測のはヒトの着地時の足の向きと次の一歩が何処に着くかに注目し作成した確率的なモデルを応用することにより推定した.中期的な予測では経路を決定する要素として人の状態 X(自己位置,速度),目的P(目的地),環境 E という三つの要素が考えられる.このうちロボットが運用される環境 E は既知として現在の状態,目的を推定することを目指す.本研究では短期的な人の足部の向きに注目した歩行予測と中期的な歩行予測 に関して測域センサを用いた人の状態の推定方法と目的 P をどのようにして推定するかを扱いこれら2つの提案手法とその実験結果について述べる.
 
熊谷 俊高 D2 植村 俊亮 石井 信 金谷 重彦 宮崎 純
 
宇山 一世 M2 伊藤 実 山口 英 安本 慶一
発表題目:携帯無線端末で複数ビデオを同時視聴するためのビデオ配信手法の提案
発表概要:近年,携帯端末を介して高品質なビデオ放送を受信・視聴できる,モバイル端末向けデジタルビデオ放送サービスが人気を集めている.一方,携帯端末,無線通信の高性 能化に伴い,ユーザは,単にテレビ放送を見るだけでなく,例えばHDTVのようにニュースや天気情報,スポーツ中継などの複数のコンテンツを好みのレイアウトで同時に視聴する,といったより高度なサービスを求めている.携帯無線端末が複数のビデオを同時に受信し表示するには,ネットーワーク資源や 端末資源を多大に消費し,無線通信帯域および端末の処理能力,バッテリ残量の制約から,全ユーザが要求している品質通りに受信できない可能性が高い.本研究では,あるビデオの集合を無線ネットワークに配信した時,それを受信する各ユーザ端末がどの程度要求品質通りにビデオを受信・表示できるかを予測し,その予測値を基に,無線通信帯域の制約のもとユーザ満足度の和を最大化する配信ビデオの集合を求めるヒューリスティックアルゴリズムを提案する.提案手法では,各ユーザは複数のビデオを独自のレイアウトで表示することが可能であり,その際,プロキシを経由したビデオ配信を行うことで,無線ネットワークの通信帯域,携帯端末の計算資源に関する制約を満たし,かつ,ユーザの満足度ができるだけ高くなるようなビデオが配送される.提案手法の有効性を検証するため,ユーザが似通ったレイアウトを要求する割合を変更し,数値シュミレーションを行った結果を示す.
 
宮城 安敏 M2 砂原 秀樹 山口 英 藤川 和利
発表題目:MANET上での映像転送におけるマルチホップ通信高速化手法
発表概要:近年,社会基盤としてのネットワークインフラが各家庭,企業で普及しており,無線LANも高速かつ大容量の通信が実現され始めている.また,公衆無線LANサービスの普及も広がっている.一方,地理的な理由やコストの問題で有線ネットワークの敷設が進まない場所や,公衆無線LANアクセスポイントにマルチホップ無線LANを導入することで,ネットワーク接続が可能になる技術が注目を浴びている.
 従来のマルチホップ無線LAN研究では,シミュレーションによる評価が主であり,実際に動作している事例はあまり無い.そこで,本研究では,実環境でMANETを構築し,動画転送時のマルチホップ通信の高速化について取り組む.
 単一チャネル,単一インターフェースのマルチホップ無線LAN環境では,さらされ端末問題,隠れ端末問題によって,スループットが非常に下がってしまう.映像転送は高スループットが求められるため,上記のマルチホップ無線LAN環境は,マルチメディアデータをやり取りするのには適していない.解決法として,無線インターフェースを機能別に複数用いて,ネットワークトポロジに応じてチャネルを割り当てることで電波干渉を防ぎ,同時に通信タイミングを連携させ,パケットスケジューリングをすることによって,スループットの向上を図ることを提案する.