ゼミナール発表

日時: 9月28日(木)4限 (15:10-16:40)


会場: L1

司会:川波 助手
東 藍 D2 松本 裕治 鹿野 清宏
 
小林 朋幸 M2 松本 裕治 鹿野 清宏 乾 健太郎
発表題目:大規模コーパスを利用した日本語学習者支援のための類義語・語義の提示
発表概要:近年、外国の言語を学習するにあたって、学習する言語の大規模な言語データ(コーパス)を用いる方法が注目されている。 従来の辞書のみに頼った学習方法では、語義が複数ある単語や、類義語が学習者にとって特に難しい障壁となっている。 そこで、日本語以外を母語とする者が、日本語を外国語として学習するにあたって、大規模な言語データ(コーパス)の情報を活用し、類義語や語義の学習を支援する手法が考えられる。 現在、学習者が日本語を読むことを学習するにあたっての読解支援システムとしては、日本語文を形態素解析し、辞書をその場で引くものが存在する。 しかし、文中の単語がどのような語義で使われているか、類義語においてはどのような違いがあるのかを学習者に示すには至っていない。 そこで、本研究では複数の語義をもつ単語や類義語について、コーパスを用いた手法により、 学習者にとって参考となる例示を行うシステムについての基礎的な方向を考える。
 
林 宏太郎 M2 小笠原 司 鹿野 清宏 松本 吉央
発表題目:passive-social medium -メディアとしてのロボット間協調対話-
発表概要:現在の対話型ロボットは、センシングの困難さ故にあまりインタラクティブ性が高くなく、高度な対話が行えないことが問題となっていた。しかし、ロボットの利用方法を情報伝達のメディアとしてとらえると、高いセンシング能力は必ずしも必要ではない。そこで情報伝達のためのメディアとして、複数の人間型ロボットを相互対話を、利用者に見せるというpassive-socialという形式を提案する。
 
井原 瑞希 M2 論理生命学 石井 信 鹿野 清宏 柴田 智広
発表題目: 時間変化情報を考慮した音響生成モデルの推定
発表概要: 楽音や音声の音波形の生成過程は通常,音源フィルタ理論に基づいて,音源の生成と共鳴による調音の組み合わせで表現できると考えられている.しかし,観測可能な音波形からそれぞれ時間ごとに未知の音源と調音を同時に推定することは不良設定問題であり,何らかの制約条件が無いと解が一意に決定できない.そこで本研究では,まず簡単のために対象を楽音に絞り,音源と仮定した音高や音圧が時間的に変化し調音は時間的に変化しないと仮定し,前後の時間に依存関係を持つダイナミカルシステムを構築することで,より高精度な音響生成モデルの推定を試みた.このダイナミカルシステムは非線形非ガウスの観測過程を有しているため解析的な未知パラメータ推定は困難であるが,これを自由エネルギー最小化によって行う.
 

会場: L2

司会:高田 助手
森村 哲郎 D2 石井 信 杉本 謙二 銅谷 賢治 吉本 潤一郎
発表題目:自然方策勾配法の効率的な実装に向けて、分散減少法と自動ゲイン調節の適用
発表概要:修士課程時に自然勾配に基づいた強化学習法、NTDアルゴリズムを開発した.NTDアルゴリズムは従来法に比べ良い性能を示したが、アルゴリズムの不安定性やメタパラメータ設定の問題があった.そこで本研究では、この2つの問題を解決することを目的とした.アルゴリズムの安定性を増すために、NTDアルゴリズムの推定値の分散を減らすことを目指し、理論的に最適なベースライン関数を導出する.この最適ベースライン関数に基づいた拡張型NTDアルゴリズムを提案する.また、メタパラメータ設定の問題を避けるためには、カルマンフィルターを適用した学習率の自動調節法を提案する.これらの提案手法をMDPへ適用した実験結果も報告し、今後の研究計画について議論する.
 
福田 雄介 M2 藤原 秀雄 関 浩之 井上 美智子
発表題目: メモリコアに対する組込み自己修復を考慮したSoCのテストスケジューリング
発表概要: 本研究ではシステムオンチップに搭載されている組込み自己修復機能をもつメモリコアに対するテストスケジューリング法を提案する。組込み自己修復機能をもつメモリコアは、テスト、診断・修復、再テストの3つのステージから構成されるとし、消費電力制約下でテスト時間の最小化を目的として、各メモリコアの各ステージの開始時刻を決定するテストスケジューリング法を提案する。
 
中里 昌人 D2 藤原 秀雄 関 浩之 井上 美智子
発表題目:VLSIの知識に基づくテスト生成ならびにテスト容易化設計に関する研究
発表概要: 近年,半導体技術の進歩によりVLSIが微細化および高速化されることで, 実動作速度によるテストが要求されている. 従来のテスト手法である完全スキャン法では,実動作速度での テスト実行ができないという欠点がある. 本研究では,実動作速度テストが可能である知識に基づいた 順序回路のテスト生成法およびプロセッサの命令レベル 自己テストのためのテスト容易化設計法を提案する. 本発表では,両手法ともにベンチマーク回路を用いた 比較実験の結果を示す.
 

会場: L3

司会:浮田 助手
松本 修 M2 小笠原 司 木戸出 正継 松本 吉央
発表題目:環境と協調するサービスロボットの開発 発表概要: 従来、ロボットはタスク別にセンサやアクチュエータを選択して構成してきため、 行えるタスクは限定的であり、センサの制約によって環境も限定的であった。 近年、ネットワークロボットの研究では複数のネットワークロボットを連携 する事でこれらの問題を解決しようとしている。 しかし、提案されているネットワークロボットアーキテクチャの多くは ネットワーク環境への完全な依存があり、ネットワークが無い環境では 動作しない。発表では環境を利用可能な自律ロボットシステムの提案をし 、このアーキテクチャを利用したタスク遂行型のロボットとして印刷ロボット を紹介し、その環境協調による自己位置推定モジュールについて報告する。
 
河本 敏孝 M2 湊 小太郎 木戸出 正継 杉浦 忠男
発表題目:有限要素法に基づく実時間切開シミュレーション
発表概要:手術計画や臨床教育を支援する外科手術シミュレー ション技術が注目される中、軟組織の切開表現が求め られている。これまで幾つかの切開モデルが提案され てきているが、有限要素法に基づいて実時間で応答を 返す方法は確立していない。本研究では、軟組織に対 する切開を視覚・力覚フィードバックを伴って試行で きるVR 環境の実現を目的として、有限要素法に基づ く実時間切開シミュレーション方法を提案する。本報 告では、切開創部分のヤング率を0にすることによっ て切開創の物理的振る舞いを表現し、その際に剛性マ トリクスを部分更新することによって計算の高速化を 計る。本発表では、提案手法の詳細と検証結果につい て報告する。
 
松雪 大貴 M2 湊 小太郎 木戸出 正継 杉浦 忠男
発表題目:手術計画のためのボリューム像に対する面操作シミュレーション
外科手術の計画や診断に,ボリュームレンダリングによる三次元再構築像(ボリューム像)が用いられる機会が増加している.最近では,ボリューム像を参照するだけでなく,像上で様々な術式をシミュレートし,綿密な計画を行いたいといった要求がある.従来研究により,ボリューム像に対する変形や切除などの表現は可能となってきているが,術中に想定される臓器操作を対話的かつ簡便に行える環境は確立していない.本研究では,外科手術計画の支援を目的として,術具による臓器の変形をシミュレートし,ボリューム像上に描出する術前ボリューム手術シミュレーションの開発を行っている.術具と臓器という三次元のオブジェクト同士のインタラクションを面操作として記述し,対話的に操作できる環境を構築する.本発表では,提案手法の詳細と試用試験の結果を報告する.