ゼミナール発表

日時: 9月28日(木)2限 (11:00-12:30)


会場: L1

司会:浮田 助手
吉村 康弘 M2 千原 國宏 木戸出 正継 眞鍋 佳嗣
発表題目:可動式HUDによるインタラクティブ作業支援システム
発表概要:顧客ニーズの多様化,多品種少量生産の増加に伴い,未熟な作業者への効率的 な訓練・教育が必要とされている.そこで,作業の内容や手順をコンピュータ画面に表示することにより作業者 の教育や支援に役立てる技術が開発されているが,現状では実際の作業動作の 邪魔になったり作業環境に制約を課してしまうという問題がある. 本研究では,操作可能な可動スクリーンを用いることで上記の問題点を解決し, 作業者へ対話的に情報提示を行う卓上作業支援システムを提案する.本発表 では,提案手法を紹介し実現方法について述べるとともに,提案システムの 有効性を検証する.
 
白澤 卓 M2 千原 國宏 木戸出 正継 眞鍋 佳嗣
発表題目:モーションデータベースを用いたモーション合成
発表概要:人体のアニメーションは人の動きを計測したモーションデータから生成することが多い.しかし,所望のモーションデータを得るにはその都度計測する必要があり,以前計測したモーションデータは再利用されていない.本研究の目的はモーションデータベースを構築し,複数のモーションデータを用いて所望のモーションを合成することである.モーションの特徴を直感的に把握するためには,高次元のモーションデータを低次元に射影するマッピング処理が必要である.本発表では,モーションデータを適切に2次元にマッピングするために様々な次元圧縮法を検討した結果を述べる.
 
進藤 泉 M2 鹿野 清宏 木戸出 正継 猿渡 洋
発表題目:音声情報案内システムにおける幼児特有の発音変動を考慮した音声認識
発表概要:近年、子供音声認識の需要が日々高まっているが、実際の認識性能は低迷している。中でも幼児の発話は不安定なものであり、ひとつの単語を発話する際にも様々なバリエーションが現れる。そして、幼児特有の拗音や言い誤りなどが頻繁に現れる事も認識精度低下の原因の一部であると考えられる。本研究では幼児発話の特徴を実験データから調査し、音声の変化を考慮した認識手法を提案する。本研究で述べる“幼児”の定義は、小学生以下(2~5歳)とし、実験データとして、公共施設に常設されている音声情報案内システム「たけまるくん」に対して自由に話しかけられた不特定多数の子供発話(2~15歳)を使用する。
 
CINCAREK Tobias D2 音情報処理学 鹿野 清宏 木戸出 正継 猿渡 洋
発表題目:学習データ選択に基づくタスク適応音響モデルの作成手法 発表概要:今現在、自動音声認識技術では、統計的なアプローチが一番優れている。音声認識器を実現するためには音声の特徴をモデル化する音響モデルと認識対象である文の単語例をモデル化する言語モデルが必要である。しかし、特に音響モデルに関する問題点として、タスク依存性と開発コストの高さがあげられる。それは、認識したい目的タスクの音声の特徴と音響モデルの学習データの特徴が一致しないと、高性能音声認識が困難である。その上、音響モデルの頑健な学習のためには、大量に音声データが必要である。本発表では、教師ありでも教師なしでも適用できる、自動的な学習データ選択アルゴリズムを紹介する。提案法では、音声情報案内システムの音響モデルをより低いコストで開発できる他、目的タスクの学習データが不足している場合(例えば、幼児と高齢者)に、似ているタスク(低学年子供、成人)から学習データを選択することで、性能のより高い音響モデルを作成できることを実験において示す。
 

会場: L2

司会:中村(匡) 助手
柴田 和久 D2 石井 信 川人 光男 松本 健一 神谷 之康 柴田 智広
発表題目:(1)視覚特徴注意による視覚皮質の刺激提示前の活動変化, (2)潜在学習が 導く情報選択, (3)被験者の内的報酬が認知学習を進める
発表概要:博士課程において現在までに取り組んできた課題(1)と、現在取り組んで いる課題(2)(3)について発表する: (1) 我々は特定の視覚特徴にあらかじめ注意を 向けることで、その特徴の処理を促進させることができる。fMRIによって、この能力 に対する局在化は進んでいる反面、時間特性に関する検討は立ち遅れている。本研究 では、MEG電流源推定を用いることで、刺激提示前、注意向けから1秒以内に、特徴注 意が視覚皮質の特定の領域の神経活動を選択的に増進させていることを示した。(2) 脳の潜在学習システムは、被験者に気付きなしで外界の統計構造を学習することを可 能にする。従って、被験者が感覚刺激の何が重要であるか無自覚にも関わらず、潜在 システムは何が重要かを知っている、という状況が発生しうる。本研究では、これを 心理実験における反応指標を用いて示すとともに、この現象に関わる神経機構を明ら かにすることを目指す。(3) 認知学習(perceptual learning、 PL)は同じ刺激に何 度もさらされ、ヘブ則によって低次感覚野の反応が変化することで起こると信じられ てきた。しかし、近年様々な研究によって、PLと高次認知機能、特に報酬系が関わる ことが指摘されている。本研究では、PLの進みには学習期間中の被験者の内観が重要 であることを示し、そのメカニズムのモデルを検討する。
 
岩田 浩幸 D2 藤原 秀雄 松本 健一 井上 美智子
発表題目:時間展開モデルに基づくレジスタ転送レベル回路の非スキャンテスト容易化設計法に関する研究
発表概要:VLSIのテストの費用の削減およびテストの質の向上を達成するために,ハードウェアを付加しテスト容易な回路に設計変更するテスト容易化設計が提案されている. また,近年ではVLSIの微細化及び高速化により,より高い信頼性を保証するために,実動作速度でのテストが求められている. 一般的に広く使われているテスト容易化設計手法として完全スキャン設計がある. この手法では,テスト実行時間が長くなり,実動作速度でのテスト実行ができないという欠点がある. そこで,本研究では,実動作速度テストが可能であり,テスト実行時間を短縮する非スキャンテスト容易化設計法を提案する. 本発表では,完全スキャン設計法と提案手法の比較実験の結果を示す.
 
星野 貴昭 M2 藤原 秀雄 松本 健一 井上 美智子
発表題目:制限シフトスキャンのためのテスト生成法
発表概要:大規模順序回路のテスト生成は実用的な時間で高いテスト品質を得るのが困難となっている。 そこでテスト容易化設計としてスキャン設計が広く用いられているが、テスト実行時間が長くなるという欠点が存在する。 今回の発表では、制限シフトスキャンを利用した、スキャン設計のためのテスト実行時間の削減法を提案し、またISCAS-89ベンチマーク回路s298に対する実験結果を示す。
 

会場: L3

司会:中島 助手
青山 桜子 M2 松本 裕治 植村 俊亮 乾 健太郎
発表題目:Entailment Recognition 発表概要: 同じ意味内容を伝達する他の言語表現に置き換えることを言い換えという。言い 換えは、言語処理の基礎技術と機械翻訳などの応用処理をつなぐ重要な要素技術 であるが、この言い換えの認識には含意関係などの知識が必要となる。
 
上野 孝治 M2 松本 裕治 植村 俊亮 乾 健太郎
発表題目:半教師あり用例クラスタリングを用いた動詞辞書への用例付与
発表概要:コーパスに基づく言語処理が大きく進展し,形態素解析や係り受け 解析,固有表現抽出といった基盤技術が整備されてきた.こういった基盤技術 の成熟を受け,機械翻訳や情報抽出といった応用技術のために,次に取り組む べき技術として,述語項構造解析析が挙げられる.文中の各動詞について多義 性を解消し,その動詞の動作主や対象を同定する述語項構造解析は,近年活発 に研究されており,機械学習によって解析を行うのが一般的である.しかし, 機械学習による解析は,動詞辞書に対して十分な量のラベル付き用例集合が付 与されていれば実現できる見通しが高いが,1つ1つの用例を人手で対応付けて いては,莫大なコストが必要となってしまう.そこで,本研究では,コーパス から自動的に獲得した大量のラベルなし用例と少量のラベル付き用例から,半 教師あり用例クラスタリングを用いて,大量にラベル付き用例を作成する方法を 提案する.
 
小町 守 M2 松本 裕治 植村 俊亮 乾 健太郎
発表題目:大規模コーパスから獲得した名詞の出現パターンを用いた事態名詞の項構造解析
発表概要:これまでの自然言語処理では動詞や形容詞といった述語を中心とする 研究がなされてきたが、計算機による自然言語の意味理解のためには、 たとえぱ「彼の決断は正しかった」に対して述語「正しい」に関する解析に加え、 「彼が(なにかを)決断(する)」という事態に対応する事態名詞の項構造解析も 不可欠である。 また、事態名詞の中には「料理」のように文脈によって事態とならないもの もあり、文章中の名詞が事態となるか否か(事態性)の判定も必要である。以上 を踏まえ、大規模コーパスから獲得した事態名詞の出現パターンを利用し、機械 学習の手法を用いて事態名詞の項構造解析を行った。 本発表 ではこの実験によって得られた知見について述べる。
 
RAMIREZ VIDAL M2 松本 裕治 植村 俊亮 乾 健太郎
発表題目:A Japanese-English-Spanish Thesaurus
発表概要: Choosing the correct sense of a word for a given context is one of the main challenges for natural language processing (NLP). The task concerned with solving this problem is known as word sense disambiguation (WSD); it is an indispensable task for machine translation (MT) and information retrieval. Several approaches to WSD have been proposed, but the lack of classified data is the main obstacle to achieving high accuracy; thus, success has been limited. The long term goal of this research is to develop resources that can be used in Japanese-Spanish MT. To address the issue of data sparseness, we develop a dictionary based on data from Wikipedia and WordNet 2.1 (English) in order to generate data for increasing hyponym relations, which can be described as a subordinate relation between nouns such as hierarchical information is useful in WSD.