ゼミナール発表

日時: 9月27日(水)4限 (15:10-16:40)


会場: L1

司会:小坂 助手
宮部 滋樹 D2 鹿野 清宏 西谷 紘一 猿渡 洋
発表題目:音場制御と音源分離を組み合わせたハンズフリー音声対話インタフェース
発表概要:ハンズフリー音声対話システム構築のためには,システムの応答音出力の回り込みや外部雑音を除去する機構が必須である。従来の研究では音響エコーキャンセラと適応ビームフォーマを組み合わせる手法が検討されているが、適応のための学習信号を得るのが難しく、実環境で動作させるのが難しい。本発表では,音場制御と音源分離を統合した音声対話インタフェースを提案する。提案手法はまず,マイクロホンの位置が無音になり,応答音が観測されないよう音場を制御する。次に観測信号を独立成分分析に基づく音源分離に施し,ユーザ音声のみを取り出す。実験により提案手法の有効性が確認された。
 
矢井 友樹 M2 鹿野 清宏 西谷 紘一 猿渡 洋
発表題目:マルチチャネル音場再現における時間区間分割による高速温度補正処理
発表概要:複数のラウドスピーカを用いて所望の音を再現するマルチチャネル音場再現システムでは,室内の残響の影響を打ち消す逆フィルタの設計が必要不可欠である.ところが,温度などの室内環境が変動すると再現精度が劣化してしまう.温度変動による再現精度の劣化を,室内の伝達特性を表すインパルス応答を伸縮させることにより補正する手法が提案されている.しかし,伸縮処理は膨大な演算量を必要とする.そこで本研究では,インパルス応答を時間区間で分割し,個別に伸縮させた後に繋ぎ合わせることにより,演算量を削減する手法を提案する.実験の結果,提案手法は,補正精度を劣化させることなく,演算量を従来の20分の1程度まで削減することができた.
 
磯田 周孝 M2 杉本 謙二 西谷 紘一 平田 健太郎
発表題目:バックワード可到達集合による軌道追従を考慮した衝突回避法
発表概要:近年,自律移動体の活躍の場が広がっている中で,安全性を確保するためには衝突回避問題は重要な課題である.その中でも本発表では,バックワード可到達集合と呼ばれる概念に基づいて移動体同士の衝突を回避する方法を提案する.衝突状態を定義する集合を目標集合とする.提案手法は,目標集合に到達可能な状態の集合を利用して衝突回避を行う.また,数値例を用いて提案手法における衝突回避およびその後の目標軌道追従可能性についての考察を行う.
 
小笠原 知義 M2 杉本 謙二 西谷 紘一 平田 健太郎
発表題目:制御器のLFT構造に着目した遅延フィードバック系の設計
発表概要: カオス制御の一つである遅延フィードバック制御では不安定平衡点あるいは周期軌道の情報なしに、システムを安定化できるという特徴がある。本発表では、安定化制御器あるいはH∞準最適制御器のLFT構造に着目し、関数補間による遅延フィードバック系の設計法を与える。またLFT構造に基づいて、制御器の一部の機能をネットワーク越しに分散配置する実装方法を提案する。この手法によるとネットワーク特有の問題であるパケットロスや伝送遅延に対してロバストな制御系が構成できる。
 

会場: L2

司会:佐藤(哲)助手
小村 仁美 M2 千原 國宏 湊 小太郎 眞鍋 佳嗣
発表題目:「色覚バリアフリーのための没入型色覚シミュレータ」
発表概要:「色覚バリアフリー」とは、特定の色の区別が困難な色覚異常の人を含め、すべての人にわかりやすい色彩を使用しようという考え方である。そこで、本研究では色覚バリアフリー支援の一手段として一般色覚者への啓発に着目し、全方位カメラと330°視野の円筒型ディスプレイを用いて複数人で色覚異常者の視点を体験することが可能な没入型の色覚シミュレータの開発を目的とする。近似的な変換式と色変換の高速アルゴリズムを組み合わせ、全方位画像の各画素ごとにシミュレーション値を求めて表示する。本発表では、円筒型ディスプレイへのシミュレーション結果表示とその評価について報告する。
 
辻村 壮史 M2 千原 國宏 湊 小太郎 眞鍋 佳嗣
発表題目: バーチャル内視鏡における視点操作のサポートシステム
発表概要:バーチャル内視鏡の利点の一つに視点の自由性があげられるが、その自由度の高さから、 大腸のように内部が複雑な器官においては視点移動の操作が複雑になり、所望の位置へ動かしにくい。 本研究では器官形状と入力から使用者の意図を判断し、単純な入力デバイスで適切な視点の移動を 行うシステムを提案する。
 
中野 高志 M2 石井 信 湊 小太郎 銅谷 賢治 作村 諭一 吉本 潤一郎
発表題目:Kinetic Model of Cortico-Striatal Synaptic Plasticity
発表概要: The plasticity of cortico-striatal synapses is regulated by dopamine input from the substantia nigra (SN). While glutamate input induced by cortical stimulation alone results in long-term depression (LTD), SN stimulation combined with cortical stimulation switches LTD to long-term potentiation (LTP). DARPP-32 is a prevailing component which integrates the dopamine and glutamate signals. To examine the mechanism of the plasticity, we constructed a signaling pathway model in medium spiny neurons of the striatum. Our model reproduced bidirectional synaptic plasticity depending on dopaminergic input intensity. We conclude that DARPP-32 is essential to cortico-striatal synaptic plasticity and that dopamine-dependent LTP is induced by the positive feedback loop of PKA-PP2A-DARPP-32 pathway.
 
大塚 誠 M2 石井 信 湊 小太郎 銅谷 賢治 柴田 智広 吉本 潤一郎
発表題目:Neighbourhood Component Analysisを用いた強化学習における状態表現の獲得
発表概要:学習エージェントに行動学習法として強化学習を用いる場合、設計者が適切な状態表現を与える必要がある。これまで教師なし学習に基づく状態表現獲得法などが提案されてきたが、与えられた状態表現は必ずしも行動学習に適したものではなかった。そこで本研究では最適行動をラベル情報として Neighbourhood Component Analysis を適用することで、与えられたタスクに適した状態表現が獲得できることを示す。
 

会場: L3

司会:斎藤 助手
安田 侑八 M2 関 浩之 岡田 実 楫 勇一
発表題目:アドホックネットワークにおけるPKI証明書連鎖発見問題について
発表概要:現在アドホックネットワークにおけるPKI技術が研究されている。本研究では、分散アルゴリズムを用いてノード間の証明書連鎖の発見をより効率よく行える方式を提案する。また、既存方式と提案方式それぞれの通信計算量を評価しそれらの比較も行う。
 
Nichols Eric D2 松本 裕治 関 浩之 乾 健太郎
発表題目:Automatic Resource Acquisition for Rule-Based Machine Translation
発表概要:Linguistic resources are essential for the task of machine translation, however, they can be costly to develop manually. The goal of this research is to develop methods of automatically acquiring these resources. In this presentation, I outline the development of a rule-based Japanese-English machine translation system and present the results of the construction of an ontology to use in resolving translation ambiguity, and the acquisition of a set of fundamental translation rules. Finally, I give a proposal for acquiring more complex translation rules from parallel corpora.
 
葛野 弘樹 M2 関 浩之 伊藤 実 楫 勇一
発表題目: データフロー解析を用いた侵入検知法

発表概要: 近年,プログラムの脆弱性を利用した攻撃を防止するため,プログラムの正常な 挙動をモデル化し,監視時にモデルから逸脱していないかを検査する異常検知法 が注目されている.本研究では,データフロー解析を用いた異常検知法を提案す る.本手法ではまず,監視対象のプログラムに含まれる攻撃されやすい変数を推 測する.次にデータフロー解析を行い,それらの変数間の関係(定義-使用連鎖) を作成する.監視時は,プログラム動作が作成した関係より逸脱した場合,攻撃 とみなす.提案手法では,1)攻撃されやすい変数にのみ着目することにより,監 視すべき変数の削減,2)変数間の関係の利用により,新たな攻撃手法である変数 に対する攻撃の検知,が可能である.本発表では,提案手法を紹介するとともに, 提案手法による変数に対する攻撃の検知例を示す.