ゼミナール発表

日時: 9月27日(水)1限 (9:20-10:50)


会場: L1

司会:小木曽 助手
近藤 正啓 M2 西谷 紘一 杉本 謙二 野田 賢
発表題目:入力制約付き非線形システムに対する非線形Hインフィニティ制御 発表概要:実際にシステムを制御する際には, 入力制約や様々な外乱が存在する. 入力制約や外乱の存在を考慮していない制御則を実際のシステムに用いると, 性能の劣化や系の不安定化の要因となる. しかしこれまで入力制約付き非線形システムに対する外乱減衰問題はほとんど研究されていない.本発表では非線形系の外乱減衰問題を扱った制御の一つ, 非線形Hインフィニティ制御に入力制約を導入し, ある領域で入力制約を満たしながら原点を漸近安定化しつつ外乱を抑制する連続な制御則を提案する.
 
玉瀬 善久 M2 西谷 紘一 杉本 謙二 野田 賢
発表題目:マニピュレータを使った衝撃のないソフトキャッチシステム 発表概要:視覚で認識した環境に応じてすばやく動作を行うプロセスに関してさまざまな研究が行われている.応用されるタスクの1つとしてキャッチングがある.我々の提案するキャッチシステムは捕獲対象物の軌道を予測することで捕獲時での状態を推定し,目標値が予め推定されていることを生かしたマニピュレータ等のハードウェアに負担のかかりにくいロボットの動作の生成を行う.また,捕獲時にマニピュレータの手先と捕獲対象物との相対速度をなくすことで衝撃を生じないキャッチシステムを導入する.数値シミュレーションによって提案する手法の有効性を示す.
 
坂倉 義康 D2 西谷 紘一 杉本 謙二 野田 賢
発表題目:複数の局所モデルを用いた制御系の構築法 発表概要: 本発表では非線形システムに対しての新しい制御系を提案する。本手法はそれぞれが局所モデルを持つ複数のコントローラを並列に使い、局所入力を結合するコントローラ・コーディネーションを行うことによって非線形性の強い化学プロセスに対しても良好な制御を実現することができる。 本手法を用いて非線形性を有するタンク液レベルの制御とさらに非線形性が強いCSTRの温度制御を行い、本手法の有用性を示す。
 

会場: L2

司会:和泉 助手
河本 貴則 M2 山口 英 砂原 秀樹 門林 雄基
発表題目:トラフィック解析のためのデータセット提供基盤の設計と実装
発表概要:近年botやwormといった,ネットワークを経由して感染活動を行い,DoS攻撃やSPAM送信などの行動を起こすものが問題視されている.これらbotやwormを発見するために,ネットワークの中間のトラフィックから,botやwormが生成するトラフィックを抽出する様々な手法が提案されている.しかし,それらの手法の評価として実際のトラフィックに対して適用した例は少ない.原因として,実際のトラフィックを取得する環境を持っていないことや,法的問題から取得することが困難なことがあげられる.本発表では,アジアの諸国を衛星で繋ぐAIIIのトラフィックを取得し,そのデータからプライバシー情報を除くなどの処理を行うことによりトラフィック解析のためのデータセットを広く一般的に提供するための基盤について説明する.
 
秋山 満昭 M2 山口 英 砂原 秀樹 門林 雄基
発表題目:DoS/DDoS攻撃における通信コストのモデル化に関する研究
発表概要:ワームやボットネットの蔓延によって,DDoS攻撃が深刻な問題となっている.特にサーバに対する資源消費を目的としたDDoS攻撃は,正規クライアントと動作が酷似しているためフィルタリングが困難である.パズルプロトコルや,LSF/PSSなどの資源割り当てスケジューリングが提案されているが,通信コストに関連するパラメータ調整が難しい.また攻撃下において,サーバとクライアント間に存在する通信コストの非対称性を是正する必要がある.このような要求から本研究では通信コストのモデル化を行いDDoS攻撃の効果を測定する.
 
飯村 卓司 D2 山口 英 砂原 秀樹 門林 雄基
発表題目:オーバレイネットワークを用いたMMOGインフラストラクチャZFMの改良
発表概要:近年のネットワークゲームはクライアント・サーバ形で実装されていることが多いが、 サーバが存在することにより運用コストやサーバ停止によるサービスの停止などの問題も抱えてしまう。 これに対して我々はゲームデータを参加ノードが共有しあうZoned Federation Model(ZFM)を提案した。 しかし、ZFMではユーザ・ノードの消滅によるデータの消滅の問題への対策が弱く、十分な性能を保ったまま データ消滅を防ぐことはできなかった。そこで、ネットワークゲームにおいて必要なデータに ある特定の前提を置くことでこの問題に対して有効な解決策を提案する。
 

会場: L3

司会:川口 助手
KHOIRUL ANWAR D2 岡田 実 小山 正樹 関 浩之
発表題目: Multicarrier Systems with Low Peak-to-Average Power Ratio: A Novel Code with Capacity Enhancement
発表概要: This presentation talks about one part of the big thema in peak-to-average power ratio (PAPR) reduction technique, i.e. a novel large spreading code for capacity enhancement. It is for the first time, the code with double capacity (2N+1, where N=subcarriers) and uniform low cross correlation is proposed. This code is capable of reducing the PAPR in Orthogonal Frequency Division Multiplexing (OFDM) system as the capability of carrier interferometry (CI) code to reduce the PAPR from 12dB to 6dB at cumulative distribution function (CCDF) of 1.0E-4.
Compared to the other spreading code such as pseudo-orthogonal carrier interferometry (POCI) code, our code has better bit-error-rate (BER) performance because of better phase selection. Phase selection of proposed code keep the uniform cross correlation of -0.5 for any kind of N subcarriers, while phase selection of POCI code are vary from 0 to 1. Our code also outperforms the POCI code in multipath fading environment (Bad Urban COST-207).
 
大里 まゆみ M2 岡田 実 小山 正樹 関 浩之
発表題目:衛星通信における信号重畳のための安定な遅延測定方式の研究
発表概要:衛星通信では、画像通信のニーズの高まりの反面、衛星軌道が限られているため、周波数不足が深刻な問題となっており、周波数有効利用技術が必須となっている。そこで、衛星通信における周波数有効利用のために、信号重畳方式が考案されている。信号重畳方式を用いる通信では、自局送信信号が他局送信信号と重なって受信されるため、所望信号を抽出する技術が必要となる。信号抽出を実現する技術として信号キャンセラが検討されている。本発表では、信号キャンセラで重要な衛星遅延測定手法に関して、遅延測定をより安定かつ高精度に行う方式を提案する。
 
賀川 圭介 M2 岡田 実 小山 正樹 関 浩之
発表題目:IEEE802.11b用マルチパス遅延等化器のハードウェア規模削減に関する研究
発表概要:本発表では無線LAN(Local Area Network)規格IEEE802.11b受信機のマルチパス遅延等化器の演算ビット精度の低減とタップ数の最小化を行うことにより,受信品質を一定以上に保ちつつハードウェア規模を削減する手法を検討する。携帯電話や無線LANに代表される高速デジタル無線伝送系では、マルチパスフェージングによる伝送特性の劣化が大きな問題となる。特にマルチパスによる伝播遅延時間の広がりに起因するパルス波形の歪は高速デジタル伝送時の大きな問題となっている。耐マルチパスフェージングの技術としてとして適応等化が一般に用いられている。IEEE802.11bに用いる等化器はLMS(Least Mean Squares)適応等化器を検討しているが、この等化器ではタップ係数更新のための制御において高精度の数値計算が必要である、そのため演算量が多くハードウェア規模が大きくなってしまうという問題があった。そこでIEEE802.11b等化器のハードウェア規模削減のため、タップ数の最小化を行い、またタップ係数更新制御における数値計算の過程を検討することで所要受信品質を満足する最小の演算ビット精度を求める。
 
小橋 浩之 M2 岡田 実 小山 正樹 関 浩之
発表題目:VSAT信号重畳伝送システムにおける不要波復調型干渉除去方式に関する研究
発表概要:従来のVSAT(Very Small Aperture Terminal)システムでは異なった周波数帯を用いてアウトバウンド信号(親局から子局)とインバウンド信号(子局から親局)を伝送しているが,これらを重畳し同一の周波数帯を用いて伝送する信号重畳伝送システムが提案され,周波数利用効率の大幅な改善が期待されている.VSATシステムにおいて信号重畳伝送システムを適用した場合,子局では親局からの希望波の信号電力が自局からの不要波に比べ非常に大きいため希望波をほとんど誤りなく復調できるが,親局では子局からの希望波の信号電力が自局からの不要波に比べ小さいため,希望波を復調するためには自局から送信した不要波をキャンセルする必要がある.従来研究では不要波をキャンセルするために親局から衛星までを数10cmのオーダーで測距する必要があった.しかしこれは非常に高い精度が要求されるため技術的に困難であった.本発表では測距を用いずに受信信号から不要波のレプリカを生成し,このレプリカを受信信号から減算することで不要波をキャンセルする不要波復調型干渉除去方式を提案し,計算機シミュレーションによりBER特性を評価し,提案方式の有効性を示す.