ゼミナール発表

日時: 12月12日(火)2限 (11:00-12:30)


会場: L1

司会:大羽 助手
橋崎 知 論理生命学講座 石井 信
発表題目:強化学習を用いた多自由度2足歩行ロボットの準受動歩行の実現
発表概要:近年ロボットの自然な歩行を実現するために,ロボットが緩やかな 傾斜を自身の重力だけで歩行する受動歩行が注目されている. 受動歩行は歩容が自然で高エネルギー効率である一方,外乱に非常に弱い特性がある. そこで受動歩行に補助的な動力を付与した準受動歩行による制御を用いてロボットの 安定性の確保が行われる.しかしロボットの制御器は環境に非常に依存し繊細である為, 制御器の自己獲得が望まれる.本研究は準受動歩行が可能な 多自由度ロボットの制御器を強化学習で獲得することを目的とする.
 
山本 亮平 知能情報処理学講座 木戸出 正継
発表題目:移動ロボットにおける消失目標の追跡
発表概要:現在、実用化されているロボットは主に車輪で移動している。この移動ロボットには様々な利用法があり、そのために必要な機能も数多くある。その中でも、目標追跡は警備ロボットや追従ロボットなどに必要な機能である。  目標(主に人物)の追跡を行う場合、目標が曲がり角などで陰に隠れて消失してしまうと、追跡できないという難点がある。そこで本研究では、取得した画像情報に基づいき、遮蔽物に隠れた消失目標の位置を推測して追跡することを目的とする。  そのために、関連研究と現在の考案中の手法について説明し、最後に今後の予定を述べる。
 
村田 知弥 生命機能計測学講座 湊 小太郎
発表題目:論文紹介 A real-time view of life within 100nm of the plasma membrane。
発表概要:細胞膜表面では、細胞内からの排出、細胞外からの取り込み、シグナルの授受が 行われており、動的である。 しかしこれまでの研究では、電子顕微鏡を用いた静止画による観察、生理化学的手法による 間接的観察が主であり、直接動いている様子は観察されてこなかった。 本論文では、エバネッセント顕微鏡を用いた細胞表面の小胞の分泌の様子を紹介する。
 
渡邉 潤也 蛋白質機能予測学 川端 猛
発表題目:蛋白質-リガンド結合部位における蛋白質原子の空間配置解析
発表概要:酵素の基質や補因子などの生理活性リガンドは蛋白質の機能発現に強く関与している。蛋白質における、これらのリガンドの結合部位解析は、リガンドの結合様式に関する知見を得るのみならず、立体構造が決定されながらも機能が未知である蛋白質の機能推定につながることが期待される。 本発表では、複数の蛋白質-リガンド結合部位をGeometric hashing法を用いて重ね合わせ、原子対原子の比較をおこなうことにより、あるリガンド結合部位に対して類似する他のリガンド結合部位を発見する手法を提案したGold & Jacksonによる論文(J.Mol.Biol.,355,pp.1112-1124(2006))を紹介するとともに、同一リガンドの結合部位における原子配置の類似性について発表者が予備的な調査をおこなった結果について報告する。
 
石田 健二 生命機能計測学講座 湊 小太郎
発表題目:MRIにおける心臓動態撮像のアーチファクト軽減に関する論文紹介
発表概要:近年、balanced-SSFPによるMRI撮像法により心臓動態撮像が可能になった。しかしながら、血液の流入によるノイズや共鳴のずれによってアーチファクトが生じるといった問題点があった。それを解決するのに勾配のリシミングや中心周波数の再調整が行われていたが、新しい提案手法として、k空間のデータの埋め方をodd-even-interleaved法を用いることでフローアーチファクトを軽減させるという論文を紹介する。
 
田中 健一 (2回目) 比較ゲノム学講座 金谷 重彦 湊 小太郎 黒川 顕
発表題目:構造情報に基づいたメタボライトの分類
発表概要:近年、製薬業界において人工的な化学合成による創薬から、天然物を元にした創薬へと回帰する動きがある。この際、化合物の母核をキーとした部分構造検索機能と、天然物と生物種名の関連を収めたデータベースが必要になるのだが、両方を持っているデータベースは現段階では存在しない。本研究では、比較ゲノム学講座によって構築が進められている「生物種−代謝物データベースKNApSAcK」に対応した部分構造検索機能を開発し、構造情報に基づいた代謝化合物のメタボライトの分類を行なうことを目的とする。
 

会場: L2

司会:新保 助手
町北 幸太郎 視覚情報メディア講座 横矢 直和
 
松尾 真依 ロボティクス講座 小笠原 司
発表題目:モデルベース手形状推定のための個人対応モデル
発表概要:本研究室において従来研究されている手形状推定システムでは,モデルベースかつ非接触な形状推定を行っている.この手形状推定システムでは,推定精度の向上が課題としてあげられている.本発表では,推定精度向上のために骨格モデルの精度向上に着目し,システムが持つ固定のモデルを,キャリブレーションして各個人に対応するパラメータの部分を求めることで,個人対応されたモデルに変形する手法を関連研究の紹介と共に提案する.
 
松本 剛 システム制御・管理講座 西谷 紘一
発表題目:視覚情報提示方法のドライバ車両操作への影響
発表概要:昨今の技術の発達に伴い、自動車に関する様々な運転支援システムの研究開発が進んでおり、またその使用による運転行動への影響も懸念されている.本研究では、近年市場に出始めているHUD(Head-up display)と従来のIPD(Instrument panel display)の比較を元に、運転行動における視覚情報提示方法がドライバの車両操作に与える影響に関して考察を行う.本発表では従来研究の紹介を行い、今後の研究方針について述べる.
 
隼野 恵理 像情報処理学講座 千原 國宏
発表題目:論文紹介”Simulating Photon Mapping for Real-time Applicaations”(Bent dalgaard Larsen, Niels Jorgen Christensen ,Redering Techniques 2004:123-132)
発表概要:写実的な画像を合成するのに必要不可欠な大域照明は,計算量が多くリアルタイムのレンダリングは困難である.近年,GPUで複雑なアルゴリズムを使用する方法が提案されているが,一般的に利用されているハードウェアを使った解決法は得られていない.紹介する論文では,GPUとCPUの特徴をいかし,一般的な性能のCPUで動的なフォトンマッピングのシミュレーションをリアルタイムで実現するための手法を提案している.本発表では,提案されているフォトンの選択方法やコースティックスの求め方について発表する.
 
湯山 雄太 音情報処理学講座 鹿野 清宏
発表題目:二次音源選択強調性を持つ逆フィルタを用いたマルチチャネル音場再現の高精度化
発表概要:複数のラウドスピーカを用いてユーザーの耳元において原音場で収録される高い臨場感のある音を再現するマルチチャネル音場再現では,ユーザが移動すると再現性が保証されないという問題がある.そこで,再現信号に対して独立成分分析 (ICA) により音源分離を行い,一次音源毎に一次音源方位の二次音源の音量を最も大きくする逆フィルタを設計することにより,受聴者が移動した場合においても音像の定位感を保つことができる手法が提案されている.しかし従来法では強調される二次音源から出力される音の歪みや,3個以上の一次音源が存在する場合には適用できないことなどの問題がある.本研究では,再現信号に対して周波数領域 ICA により帯域毎に二つの強い成分に分離し,その各成分について選択二次音源への分配を決定することにより,3個以上の一次音源が存在する場合でも適用でき,かつ制御点以外の場所における再現音の歪みが少ない手法の構築を目指す.また,予備実験として強調される二次音源から出力される音の歪みを抑制する単純な方法を適用した場合の音質の主観評価を行った.その結果,このような単純な処理でも音質の大きな改善が見られ,本研究において今後更なる音質改善が期待される.
 
吉川哲史 言語科学客員講座 柏岡 秀紀
発表題目:音声入力による対話的なWEB検索
発表概要:インターネットが日常に定着し情報配信の場となったことで、Webページは増加の一途を辿っている。潜在的検索欲求が高まる中、情報検索のテクニックは、一部の人が持つ技術に留まっている。また、専門外の事を調べる労力は大きい。このような理由から、質問拡張など、検索を補助する手法についてよく研究されている。本発表では、検索補助手法について概説、本研究で扱う、音声入力を使ったインタラクティブな検索の補助手法について説明する。
 

会場: L3

司会:大竹 助手
脇本 雄一郎 情報システムアーキテクチャ講座 関 浩之
発表題目:フリーウェア、シェアウェア特化型セキュリティ情報収集システム
発表概要:近年、ブロードバンド網の普及により、個人でも常時接続環境を利用できるようになったが、これに伴って 外部からの攻撃の危険性も増えてきた。このことに対して通常は、JPCERTや各ベンダの提供する情報を利用して 適切なセキュリティ管理を行うが、フリーウェアやシェアウェアに関するセキュリティ情報はほとんどなく、 ユーザが手作業で収集しなくてはならない。本研究では、情報収集の手間を軽減させるためのフリーウェア、シェアウェア 特化型セキュリティ情報収集システムを提案し、システムの概要と、処理の第一段階、Web上から収集したソフト名を 検索語として新たにソフト名を収集するという処理を繰り返す方法と、第二段階、各ソフトウェアのセキュリティ情報を掲示状態に あわせて段階的に収集する方法を紹介する。
 
渡邊 瑞穂 ソフトウェア工学講座 松本 健一
発表題目:論文紹介 "Comparing Software PredictionTechniques Using Simulation"
発表概要:ソフトウェア開発現場では工数を予測し,開発に必要なコストなどを明確にすることは重要である. これまでの研究で数多くの予測手法が提案されており,予測精度の優劣に関する議論が行われてきた. しかし、各予測手法について,分布などのデータの特徴に対する優劣は評価されていない. ここでは,プロジェクトデータの値の分布やデータ間の相関によって最適な予測手法が異なっているという立場から シミュレーションで生成したデータを用いて複数の予測手法を比較し, 各特徴を持ったデータに最適な予測手法を明らかにした.
 
Nakamoto Reyn Yoshio データベース学講座 植村 俊亮

発表題目:Paper Introduction: Position Paper, Tagging, Taxonomy, Flickr, Article, ToRead

発表概要:Recently, the use of tagging systems have become increasingly popular, particularly among community focused internet sites. Tagging systems make use of “tags” which are natural language words used as metadata labels to describe various types of resources so that they may be easily retrieved later by users. Prominent examples include Flickr, YouTube, and del.icio.us. Despite their potential, they are not yet well studied or understood. Thus, this paper provides a general overview of tagging systems, current and possible future uses as well as a case study of Flickr, a photo-sharing and tagging system.

 
Evans Noah Paul 自然言語処理学講座 松本 裕治

発表題目:An NLP Grid using Inferno and MapReduce

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発表概要:Natural Language Processing is computationally intensive. NLP researchers need to make large numbers of statistical computations on terabytes of data. Traditionally this computation is done on large and expensive servers and even then NLP tasks can take weeks to complete. This presentation will propose a grid system that uses the nature of NLP tasks along with two abstractions, Inferno's styx protocol and Google MapReduce algorithm to complete NLP tasks easily and more quickly than a traditional single server.

 
Harendra Bhandari 自然言語処理学講座 松本 裕治
発表題目:A web page summarizer summarizer for mozilla
発表概要:In the first part of presentation I am going to introduce a mozilla firefox extention which can be used to summarize a web page. And in the second part I am going to introduce the concept of web communities which can be helpful to extract useful information from a web page.
 
呂 嘉 自然言語処理学講座 松本 裕治
発表題目:中国語合成語解析
発表概要:近年、インターネットの普及化と人間知識ベースの膨大化と伴に、知識処理の基本技術として、自然言語処理の研究が盛んになっている。各言語において、各自の特徴によって、テキスト処理の手段と方法が異なっているので、解析処理のために、各言語自身の言語資源とシソーラスの整備が欠かせなくなっている。特に、日本語と中国語のような分かち書きがない言語に対して、単語レベルの辞書とシソーラスがどのように構築していいのかについて、まだ議論がある。さらに、日本語と違って、単語自身の変化がない中国語において、単語そのものの境界をどこまで定義していいのかと数多くの合成語がどのように処理したほうがいいのかという問題がとても重要になっている。本発表は、より効率的な中国語の辞書を構築するために、中国語の単語の独特な特徴と分類を紹介し、数多くの合成語を識別するために、合成語の解析方法について検討する。