システム工学I Systems Engineering I
◇ 担当教員:杉本 謙二(すぎもと けんじ)
◇ 単位数:2 ◇選択・必修:選択 ◇開講時期:U期 火曜1限、金曜2限 ◇講義室:L2
◇ 授業目的:
本講義では、システム工学における基本的手法の一つである最適化に焦点を絞り、その基礎理論、
応用例、数値解法などを学ぶことにより、システム的アプローチを習得することが目的である。
工学における個々の問題をシステムとして一般化・抽象化し、数理モデルとして捉えることにより、
見通しの良い解析や最適な設計を行うことが可能となる。主として連続的な最適化問題を扱う。
◇ 授業内容:
最適化手法は数理的に定式化して教えられることが多いが、どのようにして応用したら良いのか
初心者は戸惑うこともある。そこで、原理を十分に説明するとともに、具体例を通して応用の
仕方も説明する。構成は以下の通りである。
1.静的な最適化
最小2乗法と直交射影 --- Motivation として例題を挙げる。
ベクトル空間論再訪 --- 線形性の概念と2次形式について説明する。
ラグランジュ乗数法 --- なぜラグランジュ乗数が有用なのかを理解する。
2.動的な最適化
繰り返し最小2乗法 --- 時間発展の発想を導入する。
最適レギュレータ --- 離散時間と連続時間で2次形式評価関数を最適化する。
最適フィルタリング --- Kalman フィルタの原理と使い方を説明する。
3.数値計算法
非線形最適化 --- 計算機による最適化アルゴリズムを紹介する。
最適化と学習 --- 最適化と繰り返し学習との関連を説明する。
◇ 教科書 :
特に購入の必要はない。講義資料を配布する。
◇ 参考書 :
関連する書籍や資料は講義中に紹介する。)
◇ 履修条件:
線形代数(大学初年級)と確率の基礎知識(期待値とは何かという程度)があることが望ましい。
◇ 成績評価:
試験(75%)、および出席と課題レポート(25%)により評価する。
◇ オフィスアワー:
(B601)平日の5限以降。その他、扉を開けているときは何時でも。