構造機能ゲノム学  Structural and Functional Genomics



◇ 担当教員: 箱嶋 敏雄(はこしま としお)、小笠原 直毅(おがさわら なおたけ)
◇ 単位数:2 ◇選択・必修:選択 ◇開講時期:V期 木曜2、3限
◇ 講義室:バイオ大講義室

◇ 授業目的:
生命現象は生体分子間相互作用のネットワークであり、その主役は蛋白質である。まず、蛋白質をネットワークの論理素子であると捉えて、その動作の基本を理解するために必要な基礎知識を講義する。さらに、生物の基本単位である細胞を、遺伝子・蛋白質のネットワークとして捉え、ゲノム情報に基づいて、その全体像とダイナミズムを解明しようとする機能ゲノム学の現状とそれを支える研究方法について紹介する。

◇ 授業内容:
具体的には以下の項目について講義を行う。
1.構造生物学の方法:X線結晶構造解析、NMR、相互作用解析
2.生体分子の相互作用の特異性:相互作用ドメイン、モジュール
3.細胞内シグナル伝達の分子スイッチ:Gドメインとその制御タンパク質
4.蛋白質の構造変化と分子機能制御:自己制御/トランス制御
5.遺伝学的手法による遺伝子機能のシステマチックな実験的解明:遺伝子破壊株、トランスポゾン挿入変異、必須遺伝子
6.トランスクリプトーム解析の方法とその情報処理:アレー解析、EST解析、定量的PCR
7.質量分析法の基礎とプロテオーム解析への応用:フィンガープリント法、シークエンスタグ法、蛋白質相互作用解析
8.メタボローム解析と代謝シミュレーション:代謝マップ、代謝中間産物の定量、代謝シミュレーション


◇ 教科書 :
教科書として一冊にまとまったものはない。講義ノートを配布。
◇ 参考書 :
関連する書籍や資料は講義中に紹介する。
◇ 履修条件:
化学、物理、バイオサイエンスの基礎的知識があることが望ましい。履修希望者は、1回目または2回目の授業時間に履修登録する。
◇ 成績評価:
試験(50%)および 出席状況(50%)により評価する。
◇ オフィスアワー:
扉を開けているときは何時でも。