ゼミナール講演


日時 平成17年4月22日(金)3限 (13:30 -- 15:00)
場所 L1

講演者 河村 竜幸
題目 ウェアラブルコンピューティングで記憶活動支援
概要
人は,生きてゆく上で時にはささいと感じられる記憶活動のエラーを無数に積み重ねてゆくことで,貴重な人生を無駄にしている.例えば,人は物を探す作業に約150時間/年(70年間で437.5日,睡眠時間を8時間とすると人生の約2.6%)を費やしていると言われている.この記憶活動のエラーを抑制させれば,人生はより豊かなものになる.しかしながら,記憶活動のエラーはいつ・どこで発生するか事前に予測できない.また,人が意識しているか,無意識であるかに関わらず発生する.そのため,これまでは日常生活全般で記憶活動を支援することは困難であった.近年になって,計算機の小型・軽量化が進み,ユーザは計算機を常に装着することが可能となってきた.これにより,ユーザに身につけられた様々な計測機器を用いてユーザの日常生活を観察・分析し,ユーザのおかれた状況に最適な情報をいつでも・どこでも提示することが可能となった.このような方法をウェアラブルコンピューティングという.このウェアラブルコンピューティングにより,日常生活でユーザの記憶活動を支援するシステムを開発することが可能となった.本講演では,これまでに開発してきた記憶活動支援システムを紹介する.

講演者 大平 雅雄
題目 異文化間コミュニケーションによるアイデア創発のためのグループウェア
概要
異なる分野や組織(以降,異文化と呼ぶ)に属する者同士による異文化間協調は,多様な視点や価値観に基づきより良いアイデアを創発しつつ,個人の知識や能力では対処困難な問題を解決していくための一手段である.我々を取り巻く環境の急激な変化や複雑化に伴い,産学官連携プロジェクトをはじめとして,異文化間協調の必要性が年々高まってきている.しかしながら,異文化に属する者同士が協調作業をおこなう際には,使用する言葉や表現に対する解釈や視点の違いが原因となって,コミュニケーション自体が破綻することが少なくない.本講演では,異文化間コミュニケーションにおける「違い」を積極的に活用し,協調的アイデア創発を支援するための理論的枠組みと支援システムを紹介する.

講演者 中島 伸介
題目 Web閲覧情報の信頼性向上に関する研究 -Blogスレッド解析に基づく重要なbloggerの発見-
概要
近年,ユーザがアクセス可能なWeb情報が氾濫しており,ユーザが信頼できる 情報のみを選択的に取得することが困難となっている.そこで,blog情報の解析 に基づいてWeb上での有識者(learned person)の発見を試みる.Blogは,主に あるイベントやニュースに対する個人の考えを記述するコンテンツであり,履歴 情報から書き手の特性を推定することが可能である.本講演では,重要なblogの 書き手(blogger)の発見手法について説明し,ユーザに対して信頼性の高い情 報を提供するための試みを紹介する.

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