ゼミナール発表

日時: 1月24日(火)2限 (11:00-12:30)


会場: L2

司会:神原 誠之 助手
野村 智和 M2 石井 信 植村 俊亮 柴田 智広 作村 勇一
発表題目:因子分解法によるアウトライアのある単眼特徴時系列データからの物体構造復元 発表概要:単眼カメラで撮影された観測対象の画像面上での特徴点時系列データから観測対象の物体構造復元を如何にして行うかという研究は画像処理分野に於て従来から多く取り組まれてきている。 代表的な手法であるTomasiとKanadeによる因子分解法によると、この単眼特徴点時系列データから物体構造とカメラ運動の基底を復元することが可能である。 しかし、実環境に於ては特徴点時系列は、特徴点が画面外へ出てしまったり、他の物体もしくは物体それ自体により生じる隠れや、誤って他の特徴点を観測してしまうことによるアウトライアの存在など、多くのノイズが含まれており、特徴点の完全な時系列を必要とする因子分解法の適用は困難である。 この様な因子分解法の問題点について、誤差の統計モデルに基づきアウトライアの除去を行い、隠れの存在により途中観測されない部分を含む時系列データについては、他の完全な時系列データを用いて最小二乗近似により補完を行うことで隠れ/アウトライアを含む場合にも頑健な復元が可能である手法が提案されてきている。 本発表では、上記因子分解法の改善手法について紹介し、その問題点を明らかにした後、改善手法の提案を行う。
 
富田 勉 M1 論理生命学 石井 信
発表題目:ベイジアンネットワークを用いたユーザモデリング手法 発表概要:近年人間の行動パターンをモデル化するユーザモデリングという手法が 注目を集めている。ユーザモデリングにより観測できないユーザの意図や要求の推 定が可能となり,またその推定によりシステムがユーザや状況に応じた適切な動作 を行うことができる。本研究では,多変数間の依存関係を表現する確率モデルであ るベイジアンネットワークを用いて,ユーザの印刷行動をモデル化する手法を提案 する。
 
山崎 仁之 M1 千原 國宏 横矢 直和 真鍋 佳嗣
発表題目:把持対象に注目した動作計測に基づく手のアニメーション 発表概要:ヒトの手の動きは極めて繊細且つ複雑で,手の持つ豊かな機能をCGで表現することは,映像作品における写実性を高め,また物の扱い方などを示す用途にも有効である.このような手の振る舞いにおいて,「物を掴む」という動作,即ち把持動作は日常的な機能であり,多用される表現でありながら,そのCG作成には,シーンの状況が変わる度に膨大な時間とコストが要求される. ここで,把持動作は,対象となる物体の形状や大きさなどに依存することが広く知られている.ゆえに,対象となる物体の特徴といった情報と,手の物体へのアプローチといった,物体と手の間の大まかな位置関係といった情報から,把持動作における各指の動作といったような細部にわたる手の動作を推定することが可能であると考えられる. このような考えに基づき,本研究では,対象物体の大きさや形状に代表される特徴をパラメータとした手の把持動作の生成手法の提案と,該手法を応用した,手の把持動作のデータベース化,並びに,該データベースを利用した把持動作のアニメーション生成手法について提案する.