佐々木 望 M2 | 千原 國宏 | 横矢 直和 | 眞鍋 佳嗣 |
発表題目:分光分布変化を利用した染織文化財の原色推定 発表概要:多くの染織文化財は,退色して現存している.ここから元の状態を知るためには,染料,繊維,媒染剤,染め方など様々な要素(原色構成要素)を知る必要がある.この要素の中で,染料を同定する研究は破壊手法,非破壊手法ともに盛んだが,染料情報だけでは原色の推定は不可能である.本研究では原色構成要素を変えた複数のサンプルを退色させ,分光分布の変化を用いて退色モデルを作成,モデルと染織文化財の分光反射率情報とを比較することで,退色した染織文化財の原色推定を可能とする. | |||
高野橋 健太 M2 | 千原 國宏 | 横矢 直和 | 眞鍋 佳嗣 |
発表題目:非同期複数ビデオカメラによるボールの3次元軌跡の計測 発表概要:ボールスポーツはボールの行方がゲームの本質であり、コンピュータビジョン技術によるボールの3次元軌跡の計測が求められている。一般にボールは高速移動するため,その3次元位置計測にはブレの無い(シャッター速度が速い)同期の取れた高速レートの多視点映像が必要である.そこで,逆にシャッター速度を遅くして映像にボールの軌跡を故意に残し,多視点から撮影された軌跡を空間に逆投影して共通部分を計算することで,3次元軌跡を求める手法を提案する.本手法により同期の取れた高速度カメラ群を必要としない計測が可能になる. | |||
三嶋 潤平 M2 | 千原 國宏 | 横矢 直和 | 眞鍋 佳嗣 |
発表題目:体節へのマーキングによる関節体の動作計測 発表概要:人間の動作は連結した体節が連動して動くことで生じるため,動作の解析を行うには,体節の連結部である関節点の位置を正確に計測する必要がある.従来のマーカを用いた計測では,関節付近の身体表面に装着したマーカの位置を関節点としていたが,関節点は身体に内在しており,正確とは言えない.また,この方法では体節は関節点の間を繋ぐ線として表現され,体節の長軸周りの回転が計測できない. 本研究では比較的表面の変形が小さい箇所にバンド型のマーカを使い,各体節の動きを剛体運動と仮定して計測し,剛体の長軸の交点として関節点を求める方法を提案する.それに加え,マーカの模様から,体節の長軸周りの回転を計測する方法を提案する. | |||
北村 任宏 M2 | 鹿野 清宏 | 松本 裕治 | 猿渡 洋 |
発表題目:公共音声対話システムにおける統計的言語モデルとネットワーク文法の融合の検討 発表概要:音声認識、音声対話システムを実環境で利用する場合、設置する環境に適したタスクドメインを設定することが重要である。システムをより普及させるためには簡易に所望のタスクへと適用、もしくは拡張する技術が必須である。 既存の音声対話システムに新たなタスクを追加する際、発話に対するドメインの判別や対話戦略の構築が必要となる。その際に、統計的言語モデルの作成時は新たに大量のコーパスを必要とし、製作のために多大な時間を要する。 本研究では、統計的言語モデルに基づく既存の対話システムにおいて、ネットワーク文法を併用することで簡易にタスクを拡張し、発話に対して高精度にドメインの判別、音声認識を行う手法を提案する。実験的評価より、ドメインの判別率は90%以上で、それに基づいた単語認識率もほぼ90%以上の値を示し、高精度に判別、認識が行えた。以上より、提案手法の有効性が示せた。 | |||
福岡 祐一 M2 | 松本 裕治 | 上田 修功 | |
発表題目:GTTMに基づく楽曲構造分析とその発展 発表概要:Generative Theory of Tonal Music(GTTM)とは,人間の音楽の認知を形式化し,楽曲をグルーピング構造,拍節構造,タイムスパン簡約,延長的簡約といったルールによりその構造を分析する音楽理論である.しかしながらGTTMはルールの優先順位などに曖昧性があり,計算機上への実装が困難である.そこで本発表ではグルーピングルールにおけるAttack-ponitとRegisterという2つのルールにしぼりその優先順位を求める実験結果および今後の方針について述べる。 | |||
林 一幸 M2 | 鹿野 清宏 | 杉本 謙二 | 猿渡 洋 |
発表題目:SIMOモデルに基づく独立成分分析を用いた優決定ブラインド音源分離 発表概要:我々は複数の音源信号による混合信号を各音源信号に分解する優決定ブラインド音源分離問題に取り組んでいる. 本発表では, 複数のSIMO-ICAの出力信号群から最適な出力信号を選択するブラインド手法を提案する. | |||
森 康充 M2 | 鹿野 清宏 | 杉本 謙二 | 猿渡 洋 |
発表題目:SIMO-ICAとバイナリマスク処理を組み合わせたリアルタイムブラインド音源分離 発表概要:ブラインド音源分離(BSS)とは,観測された混合信号の情報のみを用いて元の音源信号を推定する技術である. 従来のBSS技術は,実時間動作可能ではあるが分離性能がそれほど良くない手法と,分離性能は高いが実時間動作には不向きな手法の2つに大きく分類出来る. しかし,ハンズフリー音声処理システムの実現のためには,分離性能が良くなおかつ実時間動作可能なBSS手法が求められる. そこで本発表では,前段にSingle-Input Multiple-Output (SIMO)モデルに基づくICA (SIMO-ICA)を用い,その後段にバイナリマスク処理と呼ばれる簡便な信号処理技術を組み合わせた,リアルタイムBSSアルゴリズムを提案する. また,提案法の有効性を示し,実環境音声データを用いた分離実験を行いその評価を報告する. | |||
安藤 直人M2 | 湊 小太郎 | 小笠原 直毅 | 杉浦 忠男 | |
発表題目:光ピンセットを用いたDNAの動態変化に対する力学特性計測系の開発 発表概要:本研究は、光ピンセットを用いてDNA1分子の力学特性を計測する実験系を構築し、DNA−結合タンパク質の相互作用を計測することを目的としている。本計測系では、DNA両端に固定した粒子を2つの光ピンセットでそれぞれ捕捉し、伸長状態のDNA長の変化とそれに印加される力を動的に計測する。先ずDNAの両端に粒子を付加して各々を光ピンセットで捕捉し、直線状に伸ばして保持する。このDNAに対して結合タンパク質を作用させ、それによって起きるDNAの長さ変化と張力変化を光ピンセット中の粒子の散乱光の位置変化から計測する。この計測によって結合タンパク質がDNAに対して起こす作用について調べる。また散乱光の位置変化は四分割検出器によって取得する。これまでに光ピンセット用の光学系と散乱光の検出系を顕微鏡光学系に組み込み、光ピンセット光学系の移動距離較正、四分割検出器からの信号の較正、実験系のシステムノイズに起因する粒子変位の測定精度の評価を行った。またモデル系としてλDNAのヤング率を計測する実験系を構築した。 | ||||
小谷 俊彰 M2 | 湊 小太郎 | 石井 信 | 杉浦 忠男 | |
発表題目:斜入射顕微鏡を用いた細胞基底面における一分子イメージング 発表概要:本研究では、細胞基底面における分子の分布や分子動態を一分子レベルで調べることができる顕微鏡を実現することを目的に、斜入射状態で光を照明した時の物理現象を利用して、1)エバネッセント顕微鏡での3次元計測法、及び2)高分解ブリュースター角顕微鏡の開発を行った。エバネッセント顕微鏡では、照明光の入射角を変えるとエバネッセント場の侵入長が変化することを利用して侵入長が異なる条件で取得した蛍光画像を用いることにより、蛍光分子から基板までの距離を計測する手法を考案した。実証実験では、Balb 3T3細胞中のアクチンを蛍光 ラベルしたものを試料として、基底面近傍のアクチン線維の3次元構造を観察することに成功した。またブリュースター角顕微鏡では、顕微鏡光学系を通してP偏光の照明光をブリュースター角で入射させて、局所的な反射率の違いを高分解能でイメージングする顕微鏡を開発した。入射光を細胞基底面に照射することによって、細胞基底面に存在する分子の挙動を無染色で観察することに成功した。 | ||||
長屋 岳志 M2 | 湊 小太郎 | 小笠原 直毅 | 杉浦 忠男 | |
発表題目:エバネッセント照明系を用いた蛍光分子の検出 発表概要:本研究ではエバネッセント照明光を用いて基板表面近傍に吸着した一分子を蛍光検出する手法を開発している。これまでに、1)一分子DNAのGCコンテントの一次元イメージング、2)ガラス基板上での環境ホルモンのレセプター競合アッセイを行った。まず、一分子DNAの一次元イメージングでは、一分子DNAの計測技術による遺伝情報の読み取り技術の開発の一環で、一分子計測技術を用いてDNA一分子からの遺伝情報を読み取ることを目標にしている。GCコンテント特異的に蛍光染色した一分子DNAをイメージングし、一分子DNA上におけるGCコンテントの一次元分布(DNAバーコード)を計測する。検証実験によりλDNAの計測を行い、データベースから予想される結果と良好な一致を見た。次に環境ホルモンのアッセイではマイクロビーズを利用して核内受容体をガラス基板上に固定化してプロテインチップを作製し、核内受容体に作用する環境ホルモンのレセプター競合アッセイをガラス基板上で行い、高感度で検出するシステムを開発した。 | ||||
兼村 厚範 M2 | 石井 信 | 湊 小太郎 | 杉浦 忠男 | 作村 勇一 |
発表題目:スムースギャップ事前分布を用いた超解像 発表概要: 超解像は複数枚の低解像度画像をもとに高解像度画像を構成する問題である. 精度のよい高解像度画像を得るためには, 各低解像度画像間の位置ズレの度合いを正確に推定することが重要である. 近年,位置ズレのパラメタ推定に際して, 未知の高解像度画像にかんする周辺化をおこなうベイズ的手法が 有効であることが示された. しかし,従来の事前分布は高解像度画像自体の推定においては ややボケた画像を好む傾向があった. そこで,よりシャープな画像を好むスムースギャップ事前分布を 導入し,実験によりその有効性をたしかめた. | ||||