ゼミナール発表

日時: 9月28日(水)2限 (11:00-12:30)


会場: L1

司会:上田悦子 助手
爲井 智也 M2 石井 信 小笠原 司 柴田 智広
発表題目:脱力に着目したピアノ打鍵習支援システムに関する研究 発表概要: スポーツ,楽器演奏といった身体運動熟達のために,従来は熟達者の運動を観 察し,軌道を模倣するといった方法が主流であったが,本研究では,どう力を 入れるかだけでなく,どう力を抜くかという「脱力制御」の側面に着目し,身 体運動の一つとして示指のみを用いたピアノの打鍵動作に関して習熟支援シス テムの構築を目指している. 本発表では,まず,開発したモーション,筋電位,鍵盤の挙動,音響を同時に 記録することの出来る計測システムを紹介する.次に,計測実験により,従来 明らかにされていなかった,脱力した打鍵と離鍵速度との関係を明らかにした のでこれを報告する.最後に,現在進めている実験と今後の課題について述べ る.
 
時田 陽一 M2 石井 信 小笠原 司 柴田 智広
発表題目:複数制御器の切替による実ロボット制御に対する強化学習法 発表概要: 実ロボットに対する制御法として,部分問題に対する制御則を先見的な知識を用いて設計し,それらの制御器を切替えることにより, 目標を達成する手法が提案されている. この方法では, 部分制御器の選択則は強化学習法によって決定され, シミュレーションでの学習, 実機を用いた追加学習により,acrobot の倒立に成功している. しかしながら, シミュレーション上に比べて実機へ適用した場合の性能は低下した. 本研究では, ハンドチューンで決定していた部分制御器内部のパラメータに対する学習を行い, より高性能な制御器の獲得を目指す.
 
野村 知広 M2 石井 信 小笠原 司 柴田 智広
発表題目:ユーザーの生体情報を用いたロボットの力覚・触覚拡張システムの開発 発表概要:近年、商用の知能ロボットが盛んに開発されているが、そのユーザー・インター フェースの多くは視覚や聴覚を用いた非接触のコミュニケーションに限られる ことが多い.人間とロボットとの接触した協調作業などを実現するには,生物 のように力覚や触覚を全身に持つことが必要であると考えられる.しかし,空 間解像度や自由度が大きく,全身に分布したようなセンサの開発は,配線やメ ンテナンス等の問題があり今のところ現実的でない. そこで本研究では、ユーザーの生体情報を用いてもともとセンサをもたないロ ボットに仮想的な力覚と触覚を与える新しい知能設計アプローチを提案する. その鍵は,ユーザーがロボットに力を加えるなどの,目的を持ったインタラク ションを前提として,ユーザーの姿勢情報や,筋電信号などから推定されたユー ザーの発生する力ベクトル情報を,ロボットに実時間で送信することである. 本発表では,まず開発したロボットアーム,モーションキャプチャ,筋電信号 計測装置から構成されるシステムを説明する.次に,本システムを用いて行っ た基礎実験の結果,ユーザーが運動感覚的にロボットを制御できることを示す.
 
人見 謙太郎 M2 石井 信 小笠原 司 柴田 智広
発表題目:準受動歩行制御の強化学習 発表概要:エネルギー効率の良い二足歩行ロボットの実現や人の歩行メカニズムの解明のための鍵として、動力を用いない歩行である受動歩行が注目されている。初期状態や外乱に対する受動歩行の脆弱性を克服するためにロボットに補助的な制御を行うという準受動歩行の枠組みのもと、本研究では人間の歩行にヒントを得たフィードバック制御器に強化学習を適用した準受動歩行のオンライン学習法を提案し、シミュレーション実験を行った。
 

会場: L2

司会:小木曽公尚 助手
上野 秀剛 M2 松本 健一 西谷 紘一 門田 暁人
発表題目:プログラマの視線を用いたレビュープロセスの分析 発表概要:プログラム理解の研究において,従来よりさまざまなレビュー手法が提案されている.また,それらの手法について有効性の確認やその比較といった研究が行われている.しかし,レビューにおいては手法の差よりも個人差のほうがより大きな影響を与えており個人差の要因を明らかにする必要がある.本研究ではレビュー時の視線の動きを測定することで,個人差の要因を分析する.本発表では今回新たに開発した実験ツールを用いた予備実験により得られた知見について報告し,今後の課題を述べる.
 
濱田 美奈子 M2 松本 健一 西谷 紘一 門田 暁人
発表題目:プログラミング実習時の学習者の感情に着目した自発性予測 発表概要:プログラミング実習において,教授者が学習者に自発性を持たせることにより実習時間外にも学習者が自ら学習し,理解を深めることができる.そのため,教授者は学習者が自発性を持つのか予測できることが望ましいが,実習期間中にこれを客観的に予測する手段はない.そこで,本研究では,自発的に学習する一因として感情に着目し,実習時に学習者が抱く感情の強さから自発性を持つ可能性を予測する手法を提案する.本発表では,学習者が自発性を持つことと学習者が抱く感情の関連について事前実験を行い,分析した結果を報告する.
 
引地 一将 M2 松本 健一 西谷 紘一 飯田 元 門田 暁人
発表題目:定量的管理に基づいたソフトウェア開発計画の立案支援システム 発表概要:ソフトウェアプロセスの改善を目的としてさまざまな手法が提案されており,そのひとつに定量的データに基づいてプロセス管理を行う定量的管理がある.定量的管理では,あらかじめ定義された指標と呼ばれる測定項目の中から利用する指標を取捨選択し,測定計画を適切に計画することが重要である.本研究では,実際の企業で利用されている指標定義を基に,プロジェクト管理計画作業における指標の取捨選択や調整作業の支援を行うシステムを提案する.本発表ではこれらの報告と今後の予定について述べる.
 
加藤 理人 M2 木戸出 正繼 西谷 紘一 河野 恭之
発表題目:ドライバの危険判断推定のためのハザードの依存関係分析 発表概要:現在,白線追従などのドライバ支援の研究・開発が盛んに行われている.しかしながら,運転技術や危険判断能力はドライバによって異なることから,各ドライバに適した支援技術の開発が必要である.本研究では各ドライバに適した支援技術の開発を行うにあたって,各ドライバの危険判断能力の推定が重要であると考え,その方法として運転中のハザード(周辺環境:車,交差点,速度)の依存関係を分析する.今回の発表では,依存関係分析の結果と結果から得られたハザードの依存関係についての考察,及び,今後の展望について発表する.
 

会場: L3

司会:蔵川圭 助手
原 一夫 D2 松本 裕治 植村 俊亮 乾 健太郎
発表題目:臨床試験論文アブストラクトからの試験デザイン情報抽出 発表概要:新しい治療方法を開発するために行われる臨床試験について知識を持つことはEvidence-Based Medicine(EBM)を実践するために必要であるが、医療現場の医師や患者にとってこのような知識はアクセスしやすい形になっていないのが現状である。そこで我々は、MEDLINEという医薬生物学系論文アブストラクトデータベースに収載されている臨床試験論文アブストラクトを対象に、臨床試験の相(phase)による論文分類、対称患者による論文分類、比較群などの試験デザインの抽出を行い、これらをindexとして医師や患者が論文アブストラクトにアクセスできる環境の構築を目指している。本発表では、既存の自然言語処理の技術を用いて以上のことがどの程度解決できるかについて述べ、さらに今後の課題等について説明する。
 
小林 のぞみ D2 松本 裕治 渡邊 勝正 乾 健太郎
発表題目: Web文書からの意見情報抽出 発表概要: 近年,Web上の掲示板やレビュー記事といったテキストデータから意見や評判などの情報を抽出する技術の開発に関心が集まっている. このような意見の収集,分析に関する先行研究は,おおきく文書分類的なアプローチと情報抽出的なアプローチに分類できる.本研究では特定の商品やサービスに対する評価をその根拠とともに抽出するという情報抽出的アプローチで問題を考える. 具体的には,<商品名,評価の対象,評価>の形で記述できる評価の抽出を考える. 本発表では,評価とその対象を抽出する問題に焦点をあてて,抽出手法とその評価結果などを報告する.また今後の方針についても述べる.