ソフトウェアシステム論 Software Systems
◇ 担当教員：渡邉 勝正（わたなべ かつまさ）
◇ 単位数：2 ◇ 開講時期：Ⅱ期 月曜３時限・水曜１時限 ◇ 講義室：L2
◇ 講義目的：
並行計算モデルと通信の計算モデルを基礎にして、複数のプログラムが安全に協調して働くソフトウェアシステムを、手続き指向およびオブジェクト指向により設計して、構成できるようにする。
◇ 講義内容：
コンピュータシステムの変化に伴い、ソフトウェアシステムは、単独のプログラムによる逐次プロセスの形態から、複数のプログラムによる並行プロセスの形態へ、さらには、分散環境で移動する形態へ重みが変ってきている。
それに適したソフトウェアの計算モデルを基にして、実際のプログラミングの基本機構について学ぶ。具体的には、プロセス間、スレッド間、および、オブジェクト間の通信の機構と、プログラムが移動する機構を学ぶ。
ソフトウェアを設計・創作するにあたって、最も基本となるツールはプログラミング言語である。それを支援する言語処理上の問題と、オペレーティングシステムの役割を合わせて考察する。
１．設計における言語の役割と、ソフトウェアのテストの問題
２．並行計算モデルとプロセス間通信の計算モデル (π計算モデル)
３．関数を起動する機構と、遠隔の関数の起動
４．マルチタスクにおけるプロセス間の通信と同期のプログラミング
５．移動するプログラムの基本機構
◇ 教科書 ：
教科書として一冊にまとまったものはない。
◇ 参考書 ：
１．Robin Milner : Communicating and Mobile System: theπ-Calculus, Cambridge,
1999. (CD10||169)
２．W. Richard Stevens : Inter‐process communications : Unix Network
Programming, Volume－2, Prentice Hall, 1999. (言語設計学)
３．Charles W. Kann : Creating Components : Object Oriented,
Concurrent, and Distributed computing in Java, Auerbach Publication,2003.
(言語設計学)
◇ 受講要件：
C、C++ あるいは Javaのプログラムを読めることが望ましい。
基礎としてシステムプログラム概論、計算機構造概論、専門科目として計算理論 I、ソフトウェア工学 Iなどと関連している。
◇ 成績評価：
試験（70％）および課題レポート（30％）により評価する。