ソフトウェア基礎論 Foundations of Software Science
◇ 担当教員:伊藤 実(いとう みのる) 安本 慶一(やすもと けいいち)
◇ 単位数:2 ◇ 開講時期:U期 月曜1時限・木曜2時限 ◇ 講義室:L2
◇ 講義目的:
ソフトウェアを設計する際に大切なことは、まず目的に応じて対象をモデル化し、対象の性質を明らかにするための方法論を持つことである。理論的考察は方法論の確立に重要である。このような観点に立った理論的アプローチとして、本講義前半では、構文解析、言語処理の基礎的概念である文脈自由言語を取り上げ、基本的な事項を紹介する。後半では、分散システムを構築するためのソフトウェア技術であるミドルウェアについて解説する。
◇ 講義内容:
(1)文脈自由言語
1.文脈自由文法(定義、チョムスキー標準形等)
2.プッシュダウンオートマトン
3.文脈自由言語の性質(閉包性、パンピングレンマ等)
4.決定性文脈自由言語(4.は時間的に余裕があれば、講義する)
(2)分散システムとミドルウェア
1.分散システムとは?
2.グリッドコンピューティング
3.Peer-to-peerシステム
4.ネットワークQoS技術
5.分散オブジェクト技術
6.ユビキタスコンピューティング
◇ 教科書 :
(1) エフィーム・キンバー、カール・スミス著、筧・杉原訳 :
計算論への入門、ピアソン・エデュケーション、2002
(2) 特になし。講義資料を配布する。
◇ 参考書 :
(1)授業中に紹介する。
(2)A.S. Tanenbaum and M. v. Steen: Distributed Systems, Prentice Hall
◇ 受講要件:
(1)形式言語理論、計算可能性 (計算理論I)
(2)計算機ネットワーク、階層プロトコル(情報ネットワーク論I)
◇ 成績評価:
(1)については試験(50%)を実施し、(2)については数回のレポート(50%)の提出を求める。合計点により成績を評価する。