ゼミナール発表

日時: 10月26日(火)(13:30-15:00)


会場: L1

司会:大羽 助手
鄭 育昌 M1 松本 裕治 石井 信 乾 健太郎
発表題目:Dependency Analyzer for Chinese Based on Machine Learning
発表概要:In this paper, we present a deterministic dependency structure analyzer for Chinese. This analyzer implements two algorithms and bases on SVMs and MaxEnt. We compare the performance of two algorithms (by Yamada and by Nivre). The result shows that Nivre's algorithm can resolve some problems in Yamada's algorithm and the SVM can obtain better performance. Then we try to add NP-chunker in our analyzer. Although the result of NP-chunker experiment doesn't show significantly better performance, we discuss that using NP-chunker is necessary for Chinese dependency analyzing. We evaluate our method on a dependency tagged corpus derived from the CKIP Treebank corpus.
 
玉森 彩弥香 M2 松本 裕治 石井 信 乾 健太郎
発表題目:単語間の依存関係を考慮したMEDLINEアブストラクトの検索
発表概要:近年、MEDLINEと呼ばれる、医学生物学分野における論文の大規模データベースが登場した。知識発見の分野においては、このデータベースを参照することにより、新たに発見した知識から、すでに論文として発表されている既知の知識をフィルタリングしたいという要望が存在する。また、医学臨床分野においては、患者に治療を施す際に、このデータベースを利用し、これまでに公開されている論文を参照して、病状に関する知見を得たいという期待が高まっている。しかし従来のような、単純に関連する単語を並べて検索する手法では、このような複雑な検索の要望に答えることは難しい。そこで本研究では、論文のアブストラクト内から、特定の項目に関して頻繁に使われる単語を依存関係を使って収集し、収集した単語群を基に、より効率的に検索を行える手法を提案する。
 
付 欣 M1 石井 信 土居 洋文 土井 晃一
 

会場: L2

司会:李 助手
中島 淑貴 D2 鹿野 清宏 Nick Campbell 横矢直和 柏岡秀紀
発表題目:縦アレイNAMマイクロフォンによる韻律表現
 我々は発話器官の運動による音響的フィルタ特性変化により調音された無声呼気音を非可聴つぶやき(Non-Audible Murmur: NAM) と定義し,この肉伝導音を耳介後下方部の皮膚に接した自作のNAMマイクロフォンよりサンプリングしてHMMによる大語彙連続認識が可能であることを示した.この新型のソフトシリコーン伝導型NAMマイクロフォンを同側で縦に2つアレイ化して装着することにより,基本周波数F0とは違った視点で発話のピッチもしくは韻律意図を検出・表現する方を紹介する.またこの手法により子母音の境界や子音の発生部位などの発話に関する種々の情報を推定することも可能となる.
 
佐藤 淳 M2 木戸出正継 鹿野 清宏 河野 恭之
発表題目:ホームネットワークにおける対話型ロボットインタフェースのための対話戦略の構築
発表概要:近年、家庭内環境で活動するロボットが注目されている。この時、ロボットに期待される機能として、家電製品のインタフェースとしての機能とユーザと楽しく対話する機能が挙げられる。この2つの機能を同時に満たす対話戦略を提案する。この対話戦略の中心となるのは連想しりとり型対話戦略である。この対話戦略は、TV番組や料理等のドメインに関する知識を使用し、ユーザ発話中のキーワードから連想を行い発話するというものである。連想しりとり型対話戦略のメリットとして、ロボットとユーザが対話のやりとりを行う中でロボットがホームサービスの提案を行う事と、ユーザが潜在的に持っていたホームサービスに対する欲求を顕在化させることが挙げられる。本発表では連想しりとり型対話戦略についての説明と今後の予定について述べる。
 
中村 寛 M2 木戸出正継 鹿野 清宏 河野 恭之
発表題目:対話構造の追加・更新が容易な対話記述環境の提案
発表概要:対話システムの開発が様々な環境で行われている。対話システムに必要な音声認識や形態素解析などは一般的なツールがあり、研究が進められている。しかし、対話の記述手法や制御方式は一般的な手法が確立されていないために、開発者によって対話システムの制御方式が異なる。そのため、一度設計した対話システムの一部分の変更や追加を行うときには、システムを新たに構築する必要がある。本研究では、タスク指向対話システムの対話シナリオの記述を、タスク構造とコンテンツ構造に分割し記述できる環境を構築し対話シナリオの追加・更新が容易にできる対話記述環境を構築することが目的である。本発表では、提案する記述環境の説明と今後の課題方針について述べる。
 

会場: L3

司会:飯田勝吉 助手
佛圓 裕一 M2 砂原 秀樹 山口 英 藤川 和利
発表題目:移動体からの実時間データ配信に適したマルチキャスト経路制御機構の提案
発表概要:ネットワークインフラの高度化に伴い、マルチキャストを利用した様々なマルチメディアアプリケーションの可能性が広がっている。このひとつとして、移動体から多地点へ映像配信を行う際にマルチキャストを用いるものが挙げられる。しかしながら、移動体で用いられる無線ネットワークのような不安定なリンク上でのデータ配信や移動体がネットワークセグメント間を移動することによる送信アドレスの変化への対応については充分な議論がなされていない。これらの問題を解決するため、PIM-SM を隣接ルータ間で冗長経路が生成できるように拡張することにより、複数経路を有するマルチキャストルーティングを可能とするプロトコルProtocol Independent Multicast-Sparse Mode/MultiPath support extension (PIM-SM/MP) を提案する。
 
増田 慎吾 M2 砂原 秀樹 山口 英 藤川 和利
発表題目:Grid Computing によるたんぱく質立体構造予測 のためのワークフローシステムの研究と評価
発表概要: 近年 Grid Computing の応用がさかんに研究されてきている。基盤となる技術が成熟し、標準化が進む一方 ユーザの利便性を考慮したシステムの研究開発がますます重要になってきた。本研究では、たんぱく質立体 構造予測を例に、科学技術計算の流れを容易に実行できる環境の構築を目指す。具体的には、科学技術計算 の中で発生するユーザの試行錯誤を自動化し、その時点で最も有効なプログラムの実行を実現可能なワーク フローシステムの提案を行う。
 
松浦 知史 M2 砂原 秀樹 山口 英 藤川 和利
発表題目:P2Pネットワークにおける位置に関連する情報の管理・検索手法
発表概要:近年、移動可能な通信端末の発展により位置情報サービスへの要求が高まっている。 また端末の持つ情報を位置に基づいて収集・加工し、流通させることが要求されている。 例えば、日本自動車研究所(JARI)のシステムでは車が取得した情報(速度、温度など)を一旦サーバに 収集し、取得した情報に位置を関連付けることで気象情報や渋滞情報を生成し、サービスを 提供している。しかしネットワークへ接続する端末の数は年々増加を続けており、 サーバ・クライアントモデルではサーバに対して負荷が一極集中し、その負荷も増大する傾向にある。
本研究では、P2Pネットワーク上において位置に関連した情報の管理・検索手法を提案する。 まず2次元平面を1次元の円周上にマッピングする。端末は自分の位置情報(2次元座標)から 1次元のIDを生成し、円周上に参加する。次に円周上に参加しているノードには担当領域が 割り当てられる。それぞれのノードには担当領域の情報が集まるように設計されている。 そのため特定の位置に基づいた情報を検索する場合には、その位置を担当しているノードを 見つけることにより情報を得ることができる。2次元を1次元にマッピングすることで担当領域の 割り当てが単純化されると同時に、O(logN)の検索アルゴリズムが利用でき高速に検索できると 考えられる。
 
宮本  剛 M2 砂原 秀樹 山口 英 藤川 和利
発表題目:利用者参加型ネットワーク運用におけるMLを利用した運用ノウハウ抽出支援システムの開発
発表概要:学生宿舎ネットワークのような、利用者参加型の運用形態では、管理者が 頻繁に交替する。そして、管理者交替によって運用ノウハウの損失が発生 するため、運用品質を一定に保つことが難しい。運用ノウハウ継続のため のシステムとして、Wikiなどがあるが、情報作成や維持にかかる労力が大 きく、継続した更新が困難である。 本研究では、利用者参加型の運用MLに注目し、そこから有用な情報を運用 ノウハウとして構築することを目的とする。具体的には、MLのアーカイブ からイベントの発生から集結までの一連のメールの塊である"出来事"を 抽出する手法を提案する。
 

会場: S1 2

司会:蔵川 助手
宮部 滋樹 M2 鹿野 清宏 西谷紘一 猿渡 洋
発表題目:マルチチャネル音場制御を用いた応答音相殺技術に基づく小規模バージインフリー音声対話インタフェース
発表概要:音声対話システムをハンズフリーで実現しようとする場合、ユーザに提示するシステム応答音がユーザ発話に混入するため,音声認識精度が大幅に劣化してしまう.この問題を従来の音響エコーキャンセラで解決する場合,同時発話区間検出が必要となるが,高精度な検出は困難であった.近年,同時発話区間検出自体を行わずに本問題を解決する手法として、音場再現とマイクロホンアレーを併用したMultiple-Output and Multiple-No-Output Method(MOMNI法)が提案されている。この手法は、ユーザ耳元へ応答音を、マイクロホン素子位置へ無音信号を再現することにより、応答音の混入を防ぐ手法である。しかしMOMNI法は音場再現のために多数のラウドスピーカを要するため、システム設置のための費用が大きくなってしまう。本研究ではこの問題を解決するため、音場再現を用いることなくマイクロホン素子位置で応答音が相殺される音場を実現するフィルタ設計を提案する。本発表では、提案手法が少ないラウドスピーカで安定な制御が行えることを実験結果により示す。
 
辻江 正裕 M2 杉本 謙二 西谷 紘一 笠原正治
発表題目:劣化因子の直列結合による閉ループ同定
発表概要:不安定系なシステムを同定するためには,あらかじめ何らかのフィードバック制御を用いて安定化を行い,閉ループ系における入出力信号を用いる方法などが考えられる.しかし閉ループの安定度が高く,非常に良好に制御されている場合,同定対象の入出力信号はほとんど変化しないため正しく同定することができない.そこでこれらの問題を回避する方法として,出力インターサンプリングが提案されている.この手法は同定対象の出力信号を入力信号よりも高速でサンプリングすることにより,開ループ系を構成し同定を行おうというものである.しかし高速でサンプリングするためにはセンサの性能を向上させる必要があり,ハードウェア上の制約となりうる.本研究ではインターサンプリングの双対的な概念を劣化因子として考え,これを用いて閉ループ同定法を提案する.そして簡単なモデルを用いたシミュレーションを行い,本手法の有効性を検証した.
 
鈴木 新 D2 杉本 謙二 西谷 紘一 笠原正治
発表題目:独立成分分析による機械システムの故障検出
発表概要:本研究では,独立成分分析の手法を用いた未知入力システム 同定を扱う.未知の外乱が加えられている機械システムの振動 を観測することにより,外乱とシステムパラメータの一部を推定 する.これによって,再現された外乱の独立性を常時,監視する ことで機械システムのパラメータ変化を検出し,故障検出を行う 方法を提案する.この方法は,特別なセンサや多数のセンサを 必要とせずに,機械システムの故障検出が可能である.これらの 有効性を,柔軟構造物による実験によって確認した.