ゼミナール発表

日時: 9月30日(木)(13:30-15:00)


会場: L1

司会:石川 助手
西村 耕平 M2 湊 小太郎 小笠原 直毅 杉浦 忠男
発表題目:実時間観察型DNAマイクロアレイを用いるハイブリダイゼーション過程の推定
発表概要:DNAマイクロアレイは、多種の遺伝子の発現量を一度に検出でき、遺伝子診断や創薬に効果的な技術である。現在のマイクロアレイでは、検出対象のDNAをマイクロアレイ上のスポットにハイブリダイズさせるのに多大な時間を要しており、その時間効率の悪さが問題点の一つに挙げられる。本研究では、この問題点を解決する為にフローセルとエバネッセント顕微鏡を組みあせて使用することでハイブリダイゼーション過程を実時間観察し、最終的なスポットの状態を推定することで計測時間の短縮を行う。
 
山極 裕道 M2 箱嶋 敏雄 小笠原 直毅 川端 猛
発表題目:<題目>機能未知蛋白質の活性部位予測に向けたアミノ酸配列・立体構造に関する統計解析
発表概要:<概要>構造ゲノミクス計画によって機能未知蛋白質の立体構造データが数多く算出されている。それらの蛋白質がどのような機能を持つかを効率的に知るためのツールの開発は今後の生物学の発展に大変重要である。  本研究では対象を酵素に絞り、その機能上最も重要だと考えられる活性部位の特徴を明らかにするために、機能がすでに明らかな酵素群の活性部位のアミノ酸配列・立体構造情報について統計的な解析を行なった。解析の結果、活性部位はポケットや溝のような形状に集中し、活性部位を構成するアミノ酸には極性残基が好まれ、それらのアミノ酸は保存される傾向が強いことなどが分かった。 この解析で明らかとなった活性部位についての特徴は、今後機能未知蛋白質の機能の解明に役立つものと考えられる。
 
三原 健治 M1 金谷 重彦 小笠原 直毅 川端 猛 黒川顕
発表題目:Phylogenetic Footprinting法に基づいたグラム陽性菌におけるDnaA-Boxのゲノム分布の比較解析
発表概要:枯草菌の複製開始点oriCにおいて重要な役割を果たす特定の9塩基のDnaA-Boxは、oriC以外の領域でもその下流の遺伝子を制御する役割を有することが報告されている。そして、進化的に重要であるDnaA-Boxの配列が多くのバクテリアにおいて保存されていることから、枯草菌と同じLow-GCのグラム陽性菌(B.halodurans, B.cereus, O.iheyensis, L.innocua, S.aureus, E.faecalis, L.johnsonii, S.agalactiae, C.acetobutylicum, T.tengcongensis等)21種間のオーソログクラスターを用いてPhylogenetic Footprinting法によりDnaA-Boxのコンセンサス配列が保存されている特定のオーソログを見い出すことを試みた。いくつかのオーソログの上流及びそのORF中に、DnaA-Boxのコンセンサス配列が保存されていることを見い出したので今後の展望とともに報告する。
 

会場: L2

司会:垣内 助手
石井 健一 M2 松本 健一 小山 正樹 飯田元
発表題目:複数Webサービス連携手法の実験的評価
発表概要:Webサービスは,複数のサービスの連携,再利用を強く意識したサービス指向アーキテクチャの考えに基づいており,付加価値を高めたサービス提供を実現するインフラとして注目されている.本研究では,複数のWebサービスが連携して新たな統合サービスを実現する場合の呼び出し関係に着目し,Webサービスアプリケーションの性能を評価する.具体的には,Webサービスの呼び出し関係をトポロジーとして性質付けし,トポロジーの違いとWebサービスアプリケーションの総合的な性能との関連を調べる.その結果,連携するWebサービスの総数が等しい場合には,クライアントアプリケーションの応答時間に顕著な差が見られないが,トポロジーの与え方によっては,各サービスの応答時間が偏ることがわかった.Webサービスの応答時間は,直接的および間接的に呼び出すWebサービスの数が多いほど増加し,この数は,統合サービス内の性能ボトルネックを表す指標となることがわかった.
 
串戸 洋平 M2 松本 健一 小山 正樹 飯田元
発表題目:Webサービスアプリケーションのソフトウェアメトリクスに関する研究
発表概要:ソフトウェアの品質を評価するために、ソフトウェアメトリクスというものが研究されている。しかし、Webサービスアプリケーションの品質を評価する事に焦点を当てたメトリクスには未だに代表的なものが無いというのが現状である。本研究では、Webサービスアプリケーションの品質を評価する事を目的にいくつかのアプローチを行った。一つには、従来提案されているオブジェクト指向のソフトウェアを評価するためのC&KメトリクスをWebサービスアプリケーションに適用することについての考察。二つには、Webサービスアプリケーションの品質を評価するためのWebサービスメトリクスを提案することである。本発表では、C&Kメトリクスの考察及び提案するWebサービスメトリクスついて述べ、現状の課題とその解決法について述べる。
 
乗友 太郎 M2 山本 平一 小山 正樹 岡田 実
発表題目:A Joint Antenna and Post-DFT Combining Diversity Scheme in OFDM Receiver
発表概要:This presentation proposes a joint antenna and post-DFT combining diversity scheme for the reception of OFDM signals. The conventional OFDM diversity receiver employs post-DFT combining scheme, which combines signals from a several diversity branches after DFT decomposition. However, post-DFT combining diversity requires the same number of LNAs, IF amplifiers, AD converters, and FFT processors as of diversity branches. In order to solve this problem, a part of authors has already proposed an antenna combininb diversity scheme based on electromagnetic coupled array antenna. The proposed diversity scheme requires only one set of LNA, IFA, ADC and FFT processor and gives comparable performance with the maximal ratio combining diversity has limitation in the number of diversity branches. The performance of the proposed diversity is much worse than that of the post-DFT one when the diversity branches are more than two. In order to solove this problem, joint use of antenna combining and post-DFT combining is proposed. The proposed scheme is composed of a couple of two-branche antenna combining diversity followed by the postDFT combiing diversity OFDM receiver. The proposed diversity receiver gives the same bit error rate performance as the conventional post-DFT combining four-branch diversity scheme while it only requires two sets of OFDM receiver components.
 

会場: L3

司会:佐藤淳 助手
喜種 奈美 D2 西谷 紘一 杉本謙二
発表題目:入力制約付き非線形システムに対する制御則設計
発表概要:近年環境問題が大きく取り上げられており,省エネルギー化のために小さいアクチュエータで制御することが求められている.また,実際のシステムにおいては,モーターの性能限界やシステム保護のため入力制約が存在する.入力制約を考慮せずに制御則を設計した場合,性能が劣化したり,系が不安定化してしまう恐れがある.このような制御則を問題が生じないように適用するためには,再チューニングが必要となり,素人には使いにくくコストもかかる.これらの問題を解決するためには,入力制約を陽に考慮することが不可欠である.そこで,本研究では,入力制約付き非線形システムに対して制御則を設計する.
 
柿添 有紀 M2 西谷 紘一 杉本謙二
発表題目:遠隔制御マスタスレーブシステムの適応力制御
発表概要:人間が行うような作業を遠隔制御マスタスレーブシステムを用いてロボットが行う場合、マスタ、スレーブ間の力の追従性が問題になる。従来から用いられている対称型、力帰還型のマスタスレーブシステムではマスタに仮想的なスレーブのモデルを持たせ、あらかじめ仮想的な反力を計算しておくことでマスタ、スレーブ間の力追従を行う場合が多い。本研究ではスレーブシステムに適応力制御を実装iし、仮想的なモデルを必要としない力追従を目指す。また、従来からある力帰還型マスタスレーブシステムとの比較を行う。今回は仮想モデルを持たない力帰還型マスタスレーブシステムの実装を行い、力帰還型の問題点を明らかにした。
 
加地 利充 M2 西谷 紘一 杉本謙二
発表題目:車両型移動体に対する自己位置測定法の提案
発表概要:自動車や運送車両,または移動ロボットなどの移動体を自律化する際,それらの自己位置をいかに認識させるかを考慮しなければならない.そこで,本研究では”車両型移動体を対象とした新たな自己位置測定法”を提案する.そして,車両型移動体に対して基礎的な自己位置測定法で知られるオドメトリとの比較実験を行い,提案手法の有効性を検証する.
 

会場: S1,2

司会:安室 助手
川西 隆仁 D1 横矢 直和 千原 國宏 山澤 一誠
発表題目:頑健な物体検出のための複数候補の効率的 探索法に関する研究
発表概要:画像から物体がどこにあるかを検出する技術はコンピュータビジョン研究の基本問題の1つであり, 監視システムをはじめ,数多くの適用先を持つ重要な技術である.画像にうつる物体は 2次元射影により生じる大きさや向きの違いや,外部環境の違いにより生じる色の違いや隠蔽などが 生じ,画像中の物体の見え方(アピアランス)は多様になる.このため,複雑な環境下では, これらの物体が何であるかを推定することは困難であり,従来の技術で探索可能 な状況は,単純な場合,たとえば,背景が静止,目的の物体に動きがあり,背景 領域は物体領域より広い状況などに限定されている. 複雑な環境下で物体の探索を可能にするには 多様なアピアランスの全てを探索する必要であるが,探索時間が膨大になる. 本研究では,多数のアピアランスの探索を行う際に要する時間の短縮のために, 多数のアピアランス間の類似性を使った高速な探索手法を提案した.さらに 照明の大きな変化などにより生じる環境の変化に適応するために,多様な照明環境モデルを 効率的に探索する手法やマルチモーダル情報(音・画像)を使った手法を提案し, 複雑な環境下での物体探索を可能にした.
 
大谷 孝英 M2 千原 國宏 中川雅通 荒木昭一 眞鍋佳嗣
発表題目:小型飛行船の自律制御と移動物検出
発表概要:ヘリウムを充填した小型飛行船(全長1.5m)にCCDカメラを取り付け、そのカメラ画像情報を元に飛行船の自律制御ならびに移動物検出を行う。制御面では、飛行船という慣性や空気抵抗の影響を受けやすい機体に対し、画像上の特徴点を利用した手法(FeatureBase)よりPID制御を導入し、ターゲットに対しホバリング、トラッキング等のタスクを行う。画像処理面では、飛行船カメラから移動する対象の検出を、対応点探索、オプティカルフロー、繰り返し計算などを組み合わせたアルゴリズムを利用して行う。本発表では、現状における制御、画像処理、両面の進捗と今後の課題を報告する。
 
木田 周作 M2 千原 國宏 緒方司郎 諏訪正樹 眞鍋佳嗣
発表題目:顔画像による属性抽出に関する研究
発表概要:人間には様々な属性が存在するが,今日の機械システムにおいてはすべての人間をひとつの「人間」としか扱っていない.これを顔画像を用いて属性を抽出することにより,大量,高速かつ低コストで人間に属性を付加してやることを目的とする.そうすることにより最適化された社会で,よりハイレベルなヒューマンインターフェースを用いて,高品質なサービス提供を可能とするための基礎を築く.そのためには,まず顔のどこの部分にどのような特徴があるかを物理的特徴を中心に分析し,仮説をたてる.その仮説を検証しながら,顔属性の抽出をする技術を完成させる.