ゼミナール発表

日時: 9月30日(木)(9:20-10:50)


会場: L1

司会:村田 助手
手嶋 牧子 M2 関 浩之 伊藤 実 楫 勇一
発表題目:パスファンクションを用いた簡易ユーザ認証方式
発表概要:ユーザ認証における要件の一部を省略した「簡易型ユーザ認証方式」を考える.機能の省略により,ユーザは比較的少量の情報だけを保持すればよくなり,補助端末等を携帯しなくても認証を行うことが可能となる.ユーザ自身が記憶可能な情報の量はきわめて少ないため,攻撃者による辞書攻撃や総当り攻撃等が懸念されるが,本発表では,パスワードのような文字列ではなく,文字列書き換え規則をユーザの固有情報とする方式を考える.規則をコンピュータ等で網羅的に生成することは困難なため,文字列を用いる場合と比べ,総当り攻撃等に対する高い耐性が期待できる.提案法を示し,いくつかの仮定のもとで,提案法が安全であることを離散対数問題に帰着して証明する.
 
毛利 寿志 M2 関 浩之 伊藤 実 楫 勇一
発表題目:システムの内部状態を導入した信用管理モデル
発表概要:アクセス制御とは,特定のファイルやシステムに対し,正当な権利を持った ユーザにのみアクセスを許可させるようなセキュリティ技術である.全ユーザに予めア クセス権を設定するという従来のアクセス制御方法では,不特定多数のユーザにサービ スを提供するような環境への適用が困難であった.そこで近年,PKIに基づくアクセス 制御技術である信用管理技術が注目され,活発に研究されている.本研究では,システ ムの内部状態を導入した形式モデルを用いることにより,より現実の要求に即した信用 管理モデルを提案する.提案手法を用いることにより,システム自身の内部状態が変化 することを陽に表現することが可能となる.
 
尤 志強 D2 藤原秀雄 伊藤 実 井上美智子
発表題目:Power-Constrained DFT Algorithms for Non-Scan BIST-able RTL Data Paths
発表概要:A non-scan built-in self-test (BIST) is a promising approach that can realize at-speed test with a short application time. However, some BIST schemes already reported in the literature suffer from a high hardware overhead. Moreover, the excessive power consumption during these BIST schemes constitutes a considerable problem in some applications. In this presentation, we focus on the problems and propose three power-constrained test synthesis schemes and scheduling algorithms, under non-scan BIST, for RTL data paths. Experimental results confirm good performance and practicality of our new approaches.
 

会場: L2

司会:佐藤智和 助手
満上 育久 D2 木戸出正継 横矢 直和 河野 恭之
発表題目: 投影中心固定型パンチルトプロジェクタとそのキャリブレーション手法
発表概要: プロジェクタを用いた実環境視覚情報提示は,壁や床などといった任意の平面上に任意の 視覚情報を投影し描画することが可能で,また描画された視覚情報がユーザにとって観察 が容易であるという利点を持つ.しかし一方一台で描画可能な領域は限られており,ユビ キタスコンピューティング環境における情報提示方法として,プロジェクタが十分な能力 を持っているとはいえない.我々は,プロジェクタにパン・チルトの回転機構を持たせる ことでこの欠点を補う.さらにこれらを環境の大きさや形状に応じて適切な台数用れば, 十分な描画領域を確保することも可能である.パン・チルト回転可能なプロジェクタは, その回転中心が投影中心に一致するように設計することによって,プロジェクタの射影幾 何学的な扱いを容易にすることができる.本発表では,この投影中心固定型パンチルトプ ロジェクタの実現方法,およびそのキャリブレーション手法について述べる.
 
小野 智久 M2 木戸出正継 横矢 直和 河野 恭之
発表題目:視線履歴と視野画像系列による自由視点からの任意移動物体の領域抽出
発表概要:人の視線情報を領域のセグメントに用いることにより、人が興味を持っている領域を画像から抜き出すことが目的である。本研究では、視線検出装置(EMR-8)と視野画像カメラを用いて、人の注目している移動物体を視野画像から抜き出す。従来研究では、カメラ、対象物体ともに固定であることが前提であったが、今回、移動物体に対応するための手法として、注視点のテンプレートマッチングによるフレーム間の対応付け、目標領域外に存在する注視点(外れ値)の認識、また、外れ値による抽出領域の補正を行う手法を提案する。これにより、人の注目移動物体をより正確に抽出する。
 
笠島 尚志 M2 横矢 直和 緒方 司郎 諏訪 正樹 千原 國宏
発表題目:ステレオビジョンによる人物検出および追跡手法に関する研究
発表概要:単眼画像を用いて画像の画素を輝度情報から抽出される特徴量を用いて画像空間上で対象を検出し,追跡を行う手法では,対象の見かけ変化や隠れが発生した場合に安定した結果を得ることが困難である.輝度値を直接利用せず,ステレオ視により得た対象の3次元情報を特徴量として利用することで,人物検知をロバストに行う. そこで,本研究では,画像中にあるオブジェクトの特徴を精度よく検出し,ステレオ視を利用することで,画像中オブジェクトの3次元空間情報を取得する. 得られた3次元空間情報をひとのモデルを利用した独自の手法によりクラスタリングし、クラスタから推定した人の存在位置を時空間的な統計処理を用いて追跡を行うこと で人物の移動軌跡をトレースしていく.これにより,対象の見かけ変化および隠れが発生した場合においても安定した対象の検出を実現することができる.
 

会場: L3

司会:天笠 助手
川井 早苗 D2 松本 裕治 植村 俊亮 乾 健太郎
発表題目:結合価辞書の拡張方法
発表概要: 結合価辞書とは、下位範疇化構造や選択制限など、詳細な情報が登 録された辞書であり、統語解析や機械翻訳、自動要約など自然言語処理の様々 なシステムで活用されている。本発表では、リンクされた二言語の情報を持つ 結合価辞書を拡張する方法を提案する。本提案手法では、語の類似性や交替情 報に着目し、既存の結合価辞書を、自動、あるいは、半自動的に拡張する。拡 張した辞書を機械翻訳に利用して評価したところ、翻訳結果が、最大24.9%改 善された。
 
平野 徹 M2 松本 裕治 植村 俊亮 乾 健太郎
発表題目:表層格パターン辞書を用いた意味役割タグ付きコーパス作成と意味役割推定
発表概要:近年,構文解析のあいまい性や語彙の多義性の解消などを目的として表層格を扱う研究が盛んに行われてきたが,表層格では捉えられない言語現象を解析するために意味役割を扱う研究が必要とされている.しかし現時点では意味役割の研究を行うための適切な言語資源が存在していない,また意味役割を扱った言語資源では一貫性を保つことが困難であるという問題がある.本研究では,意味役割研究のための一貫性のある意味役割タグ付きコーパスを作成し,作成したコーパスを用いて高精度の意味役割推定手法の考案を目指す.本発表では,辞書を用いたコーパス作成について述べ,作成したコーパスで簡単な意味役割推定手法を用いて行った実験結果と今後の方針を述べる.
 
CAMPBELL HORE M2 松本 裕治 植村 俊亮 乾 健太郎
発表題目:Multiword expression identification
発表概要:Multiword expressions (MWE), groups of words such as "at least" and "according to", which contain several words, but behave as if they were a single word, are increasingly recognised as important to solving a variety of tasks in the field of natural language processing. For example, MWE identification may be used to increase the accuracy of sentence parsing. Our research is focused on the automatic extraction of MWEs from large collections of text; estimation of their part of speech; and disambiguation of candidate MWEs. In this presentation we will focus in particular on the latter disambiguation task. Some candidate MWEs can occur either as a MWE, or as individual words depending on the context. In order to distinguish between these two cases, we use machine learning to create a classifier, using features in the context surrounding the MWE candidate in training. We will present the results of our evaluation of this method, and discuss future work.