ゼミナール発表

日時: 9月28日(火)(15:10-16:40)


会場: L1

司会:上田悦子 助手
木内 豊 M2 木戸出正継 小笠原 司 河野 恭之
発表題目:記憶支援のためのデータグローブを用いた手指の単位動作マッチングによる物体操作の弁別
発表概要:日常生活における記憶活動を支援するために,ユーザが欲する情報を推測するための情報を即時的かつロバストに取得するためにユーザの物体に対する操作を弁別する.そのために,データグローブを用いて操作区間中の手指の動作を単位動作という細かな単位に分割してマッチングすることで,物体ごとに登録した操作群を弁別する手法を提案する.また,実装した手法による弁別実験の結果報告を行う.
 
高松 昇三 M2 湊 小太郎 小笠原 司 杉浦 忠男
発表題目:MRI中で測定可能なPET装置における検出器部の開発
発表概要:PET画像は臨床的、研究的に有用だが、低空間分解能のため病変等のターゲットの位置同定が困難である。この問題を解消するため高空間分解能なMRI画像とPET画像の融合を考え、MRI内で測定可能なPET装置(MRcPET)が有用なツールになると期待できる。そこで本研究ではMRcPETの開発を目的とする。検出器のデザインにおいて、従来そして現行も提案され続けている二次元的な検出器リングの配列に対し、利点の多い三次元的な配列で構成した。この構成法はMRcPETにおいては初の試みである。このように現在行っているMRcPETの検出器部の開発について報告し、今後の課題について述べる。
 
細川 雄史 M2 西谷 紘一 小笠原 司
発表題目:コンパス型二足ロボットモデルの動的安定性解析
発表概要:ヒューマノイドロボットに,より効率的で人間に近い歩行を実現させるために,遊脚が地面と衝突した際に失うエネルギー量に注目した手法がある.本研究では,リンク間の角度を固定したコンパス型二足ロボットモデルが接地点まわりで倒立振子のように動き,遊脚が地面と衝突する運動について考える.そして力学的な解析により,衝突におけるエネルギー損失量を定量的に示す.またモデルが衝突後に転倒しない条件式を示し,動的な安定性を示す新たな指標として転倒指標 IoF を提案する.そして,コンピュータシミュレーションにより,その有効性を確認する.
 

会場: L3

司会:井村誠孝 助手
中村 善一 D2 木戸出正継 千原 國宏 河野 恭之
発表題目:日本語筆跡に現れる個人性の抽出と筆者認識に関する研究
発表概要:動的筆跡を用いた筆者認識に関する研究は,オンライン署名照合を中心に行われている.日本語署名に関しては,ペンの座標位置や筆圧などの時間関数を特徴量とし,波形のマッチングにより真偽を判定するものがほとんどであり,動的筆跡のどのような特性に個人性が現れるのかという立場からの検討が行われていない.そこで,筆跡の個人性を表す特性値を明らかにし,これら特性値を用いた筆者照合手法を提案することを目指している.本発表では,まず研究の枠組みを示す.次に,一定枠内に横書きされた漢字文字列から筆跡鑑定の知見に基づいて特性値を抽出し,その評価実験を行った結果について述べる.最後に,今後の課題と予定を示す.
 
原 良昭 D2 湊 小太郎 千原 國宏 杉浦 忠男
発表題目:
生体信号の解析に関する研究
-Matching Pursuit法を用いた筋音図の時間-周波数解析-

発表概要:
筋音とは筋線維が収縮する際にその径が側方に拡大変形する結果発生する一種の圧波であり、筋の機械的な活動を反映している信号である。筋音の記録を筋音図(Mechanomyogram:MMG)という。
本発表では、MMGの時間-周波数分布をMatching Pursuit(MP)より求めた結果を発表する。
MPは、信号を多数の基底関数の和で表現する時間-周波数解析の手法の1つであり、信号の時間-周波数分布は各基底関数のWigner分布の和で表現される。そのため、MPは細かい時間分解能と周波数分解能を持ち、非定常信号の解析に適している手法である。
MPにより時間-周波数分布を求めたMMGは上腕二頭筋の等尺性随意ランプ収縮時に記録されたMMGである。上腕二頭筋の発揮張力の変化により、MMGには特徴的な周波数成分の変化がみられた。