ゼミナール発表

日時: 9月27日(月)(16:50-18:20)


会場: L3

司会:中村文一 助手
神崎 雄一郎 D2 松本 健一 渡邉勝正    楫勇一
発表題目:命令のカムフラージュによるソフトウェアの保護
発表概要: プログラムに含まれる多数の命令をカムフラージュ(偽装) することにより,悪意を持ったユーザ(攻撃者)によるプログラムの解析を 困難にする方法について紹介する. 提案方法では,プログラム中の任意の命令(ターゲット)を 異なる命令で偽装し,プログラムの自己書き換え機構を用いて, 実行時のある期間においてのみ元来の命令に復元する. 攻撃者がカムフラージュされた命令を含む範囲の解析を 試みたとしても, ターゲットの書き換えを行うルーチン(書き換えルーチン)の存在に 気づかない限り,プログラムの元来の動作を正しく理解することは不可能である. 発表では,提案方法のアルゴリズムの説明に加え, 提案方法が適用されたプログラムに対する攻撃の困難さの考察や, オーバーヘッドの評価結果についても言及する.
 
石黒 誉久 M2 松本 健一 渡邉勝正    楫勇一
発表題目:人間の記憶に着目したソフトウェア理解性評価
発表概要:ソフトウェア開発において,ソフトウェアの内容を理解することは重要である.従来研究ではソフトウェアの理解性を間接的に測る方法として「ソフトウェア複雑度」という評価尺度が存在する.この尺度は理解性を測るものとして妥当であるか,実験を用いて評価する.この結果により複雑度では理解性は測ることができないという結果となった. 人間はプログラムの実行を頭の中でシミュレーションしていくことにより理解していく.その際,覚える,忘れる,覚えなおす,といった人間の記憶に関わる要因が関係してくると考えられる.本研究ではこの人間の記憶に基づく「メンタルシミュレーションモデル」を提案し,このモデルに基づく理解性尺度を提案する.そして,実験を用いて人間がプログラムを読んで理解するまでのコストと提案尺度を比較する.結果として,ソフトウェア理解には人間の記憶が関わっていると考えられる.この結果からより焦点を絞って人間の記憶に関わる要因を評価する.変数に対していくつか記憶に関わる仮説を立て,実験により評価を行う.
 

会場: S1,2

司会:安室 助手
池田 聖 D2 横矢 直和 千原 國宏 山澤 一誠
発表題目:全方位型マルチカメラシステムを用いた高臨場感テレプレゼンスシステムの構築に関する研究
発表概要:予め取得した遠隔地の画像群から利用者の仮想視点画像を生成し提示することにより,擬似的に遠隔地で行動する感覚を与える技術はテレプレゼンスと呼ばれる.従来のテレプレゼンスシステムの構築手法では,画像の取得時及び提示画像の生成時の人的コストの削減や臨場感の高い画像提示手法の開発が課題であった. 本研究では全方位型マルチカメラシステムを用いて人的コストの削減および臨場感の向上を図るために必要なカメラシステムのキャリブレーション手法,提示画像の生成手法,没入型ディスプレイ及び歩行装置を用いたテレプレゼンスシステムの開発を行う.
 
越智 健治 M2 横矢 直和 千原 國宏 山澤 一誠
発表題目:入力画像の特徴に応じたユーザインタラクティブなセグメンテーション の実装
発表概要:計算機に画像の特徴を認識、理解させるには、画像内から物体の領域抽 出や追跡(セグメンテーション)を行う必要がある。そして、それらの手法は、コン ピュータビジョンの分野で数多く研究されている。しかしながら、従来手法において は処理で必要とする入力画像の特徴量が手法ごとに異なるため、どのような画像に対 しても良好な結果を得ることができるような手法はほとんど例がない。また、ユーザ からの入力方法も手法ごとに異なるため、処理の制御が容易ではないという問題もあ る。そこで本研究では、様々な入力画像に対して、簡単な操作で比較的良好なセグメ ンテーションが得られるシステムを提案する。提案システムにおいては、様々な入力 画像に対して「簡単で一貫した入力操作」を行うことにより、パターンマッチングやカラー情報による閾値処理、動的輪郭法等の中から、最適な手法がインタラクティブに選択 ・実行され、比較的良好なセグメンテーション結果が得られる。本発表では、提案シ ステムの説明をした後で、現在の実装状況と課題、そして今後の予定について述べ る。
 
不殿 健治 M2 横矢 直和 千原 國宏 山澤 一誠
発表題目:ハンドヘルドビデオカメラを用いたインタラクティブ3次元モデリング
発表概要:近年,物体を撮影した動画像から,対象の3次元モデルを自動生成する手法に関する研究が盛んである.しかしながら,撮影方法によって3次元モデルの推定精度が変化するため,良好な3次元モデルを獲得するには撮影方法の習熟が必要である.また,モデルが生成されるまでに時間を要するため,利用者は効率的に撮影方法を習得する事が困難であった.そこで本研究では,画像からの三次元復元手法を基に,(1)良好なモデル生成に必要な撮影方法の提示,(2)生成される3次元モデルの逐次提示,を行うモデリングインターフェースを提案する.これにより,一般利用者が短時間で良好なモデルを生成することが可能となる.