ゼミナール発表

日時: 9月27日(月)(13:30-15:00)


会場: L1

司会:河合 助手
岡本 拓二 M2 山口 英 砂原 秀樹 門林 雄基
発表題目:エンドホスト主導とネットワークサポートを組み合わせた垂直ハンドオフアーキテクチャーの性能評価
発表概要:多種多様な無線アクセス網が混在する環境において、モバイルホストの移動透過性の実現が望まれおり、エンドホスト主導により無線媒体を切り替えアクセスエリアを拡大する研究がされている。しかしエンドホストのみでモビリティを実現しようとすると日本とヨーロッパ間のようにRTTが大きな通信で、頻繁に無線媒体の切り替えが起きると通信ができなくなる。そのためネットワークにMobility anchor point (MAP)を置き、MAPを介することにより通信を維持しネットワークの切り替えをすばやく行う。本研究では様々な状況を想定しMAPを使用するかしないかを決定するアルゴリズムを提案する。
 
竹内 茂樹 M2 山口 英 砂原 秀樹 門林 雄基
発表題目:リアルタイムアプリケーションにおけるバースト的なトラフィックのためのDCCPの性能評価
発表概要:近年,様々な種類のリアルタイムトラフィックのアプリケーションが増大している. これまでは, 比較的帯域の変動が少ないようなアプリケーションが想定されていたが, リアルタイムアプリケーションの多様化に伴い, 圧縮されたビデオやオンラインゲームなど, バースト的なトラフィックを生ずるものが増加している. しかし, これらのトラフィックは既存のトランスポート層では対応できない. DCCP(Datagram Congestion Control Protocol)は, ウィンドウフロー制御を用いてバースト的なリアルタイムトラフィックにも対応できる, 新しいトランスポート層プロトコルである. しかし,これまでの調査で,DCCPとTCPのアルゴリズムの違いによって不公平を生ずることが確認されている.本研究では,この調査に基づきDCCPのアルゴリズムを改善し,他のトラフィックと公平な通信を可能にする.
 
西川 求 M2 山口 英 砂原 秀樹 門林 雄基
発表題目:サーバーファームにおける電子証明書を用いたサーバーの脆弱性管理システムの提案
発表概要:学内のサーバールームでは、複数台のサーバーが1台のスイッチに集約されている。この時、あるサーバーのアプリケーションに脆弱性が存在すると、スイッチ超しに他の健全なサーバーに被害が及ぶ危険性がある。本提案では、サーバーアプリケーションのバージョンを証明書で管理し、脆弱な証明書を持つサーバーを接続ポートで隔離する。スイッチ超しの被害の拡大を防ぎ、ファイアウォール内の安全性を向上させるシステムを提案する。
 
嶋村 昌義 M2 山口 英 砂原 秀樹 楫 勇一
発表題目:ホースモデルを用いたVPNにおける動的な帯域制御に関する研究
発表概要:近年、インターネットによる情報共有を行うために、仮想的な専用網を構築するVirtual Private Network(VPN)が注目されている。VPNに求められることには、耐故障性、安定性、柔軟性、セキュリティ、ネットワーク資源の管理、サービス品質(QoS: Quality of Service)保証がある。将来、VPNを構築する組織の数が増加しても対応が出来るように、資源管理とQoS保証は特に重要となる。VPNモデルであるホースモデルを用いると、従来のカスタマーパイプモデルに比べて未使用帯域を少なくする事ができ、ネットワーク資源の利用効率が良い。しかし、ホースモデルは提案のみで具体的な実現手法が考えられていない。本研究では、コントロールパケットを用いた動的な帯域制御機構を用いてホースモデルを設計し、ネットワークシミュレータNSを用いてシミュレーションを行う。
 

会場: L2

司会:佐藤哲大 助手
神山 和宏 M2 千原 國宏   湊小太郎   眞鍋佳嗣

発表題目:脊髄麻酔のための実時間超音波透視による穿刺支援システム
発表概要:脊髄麻酔における麻酔針を用いた穿刺行為は、脊椎の形状や背中表面との位置関係の把握が困難なため難しい手技である。そこで、本研究では医師の穿刺行為の支援となるシステムを提案する。このシステムは超音波画像診断装置を用いて実時間で脊椎形状の計測を行う。そして、脊椎の3次元形状の再構成や可視化を行い、医師が穿刺箇所や方向を計画できるように計測結果の提示を行う。また、計測から提示までを実時間で行うことにより、未計測箇所やさらに詳しく知りたい箇所の再計測が随時可能となる。

 
本屋敷 尚吾 M2 千原 國宏   湊小太郎   眞鍋佳嗣
発表題目:没入型ディスプレイを用いた遺伝子発現情報の可視化
発表概要: 分子生物学の分野では、遺伝子の発現情報を網羅的に解析し、効果的に可視化を 行うことで、未知の遺伝子の機能の発見を促したり、実験データを見やすく したりするツールの開発が期待されている。そこで本研究では、没入型球面状ディスプレイを用いる事で、それらの問題を改善し、アノテーションを行えるインタフェースの開発をする。 具体的には、DNA発現量解析における球面自己組織化マップデータ に対してアノテーションを行うために、ミニチュアの球上での指の動きを赤外線カメラで取得し, 表示データを簡単に操作するデバイスを開発する
 
有馬 諭 M2 杉本 謙二 湊 小太郎 笠原正治
発表題目:光バースト交換におけるFECを用いたバースト伝送方式
発表概要:次世代フォトニックネットワークでのデータ転送方式の一つである光バースト交換では,優先度のあるトラヒックを扱う際にService Differentiationとして高優先トラヒックに対して低い棄却率を提供する必要がある.そこで本研究ではFEC(誤り訂正符合)を用いたバースト伝送方式を提案する.提案手法ではエッジノードにおいてデータを複数のバーストに変換し,かつFECによって対応する冗長バーストを生成する.これにより元データの棄却を分散させ,ロスデータを効果的に回復することが期待できる.本発表では提案手法の概要を中心に説明を行う.
 
植田 将之 M2 杉本 謙二 湊 小太郎 笠原正治
発表題目:光バースト交換におけるホップ数を考慮した割り込み型優先制御
発表概要:高速伝送を可能にする光バースト交換では波長予約がエンドツーエンドで行われないため, 中継ホップ数が多くなるにつれてバースト棄却率が高くなる. 本研究では, このホップ数に関するバースト棄却率の不公平性を改善する手法を提案する. 提案手法では, 最終ホップで空き波長がない場合, 伝送ホップ数に応じて他バーストが使用中の波長を優先的に割り込んで使用する. 計算機シミュレーションによって提案方式と従来方式の比較評価を行い, 提案手法の有効性を検証する.
 

会場: L3

司会:浮田 助手
天目 隆平 D2 横矢 直和 木戸出 正継 山澤 一誠
発表題目:ウェアラブル拡張現実感システムを利用した歩行者ナビゲーションに関する研究
発表概要:仮想環境と現実環境の融合を行う拡張現実感をウェアラブルコンピュータ上で実現することにより,ユーザの位置や姿勢に応じて場所に依存した情報をユーザに直感的に提示することが可能となる.我々はこれまでに,拡張現実感を利用したウェアラブル注釈提示システム「ARISE」の開発を行った.さらに,ユーザに提示する情報をネットワーク上の共有データベースで管理することで,ウェアラブルコンピュータのみならず,PDAや携帯電話といったモバイル端末を持つユーザに対してナビゲーションを行うヒューマンナビゲーションシステム「平城宮跡ナビ」の開発を行った.本発表では,「ARISE」および「平城宮跡ナビ」について詳述し,さらに今後の展望について述べる.
 
中里 祐介 M2 横矢 直和 木戸出 正継 山澤 一誠
発表題目:再帰性反射マーカと赤外線カメラを用いた位置・姿勢同定
発表概要: 近年,ウェアラブルコンピュータを利用した様々な応用が研究されており,中でもユーザのナビゲーションに関する応用が注目を集めている. ナビゲーションなどへの応用では,ユーザの正確な位置と姿勢が必要となる場合が多い. 従来, 実環境に多数のマーカを配置し,それらをユーザの装着したカメラで撮影することで,ユーザの位置・姿勢を求める手法が提案されている. このような手法はインフラの設置コストは低いが,多くのマーカを配置する必要があるため,実環境の景観を損ねるという問題があった. そこで本研究では実環境に配置した半透明の再帰性反射材からなるマーカに赤外光を照射し,その反射を赤外線カメラで撮影・認識することで,ユーザの位置を認識する方法を提案する. その際,赤外線LEDを連続的に点滅させ,それと同期してマーカを撮影することでマーカからの反射光以外の赤外光の影響を取り除く. これによりインフラの設置コストが低く,かつ景観を損なうことなくユーザの位置を検出することが可能である.