ゼミナール発表

日時: 11月26日(金)(11:00-12:30)


会場: L2

司会:辻井助手
M1 廣瀬 峰史 自然言語処理学
発表題目:チャットからの感情推定
発表概要:人とシステム,人と人との間のコミュニケーションの中で,どのような発言に対して,どのように快/不快の印象を持つかが問題となってくる.そこで会話やメールのやり取りの中で会話やメールを読んだ時に一般的にどのような感情を持つかという問題を考える.本発表ではまずテキストから感情推定を行う関連研究を紹介する.また会話の履歴を収集し,そこに話し手と受け手の両方の感情を付与したデータを作成,分析したので,その結果の報告と,今後の課題と問題点について述べる.
 
M1 福岡 健太 自然言語処理学
発表題目:機械学習を用いた日本語の書き言葉の文境界推定
発表概要:自然言語処理の係り受け解析器では入力単位は文であることが前提 となる.日本語の書き言葉の文境界は一般的には句点だが,句点以外でも文境界 になりうる文が数多く存在する.近年,日本語の話し言葉における文境界の自動 推定が行なわれているが,世の中に存在する多くのテキストは書き言葉であり, 書き言葉の文境界推定は必要な技術であると考える.また,ルールでの文境界推 定では限界がありコストもかかる.そこで,本研究ではSVMs(Support Vector Machines)を用いて書き言葉の文境界を自動的に推定することを試みた.その際, 書き言葉に特有の"改行"を有効に活用した.また,簡単なルールを用いたものと 比較した結果を示し,その上で現在うまく解析できない事例などを紹介し問題点 について考察する.最後に今後の方針として,括弧を含む文をどのように扱って いくかなどについて述べる.
 
M1 福岡 祐一 自然言語処理学
発表題目:GTTMに基づく楽曲構造分析とその発展
発表概要:Generative Theory of Tonal Music(GTTM)とは,人間の音楽の認知を形式化し, 楽曲をグルーピング構造,拍節構造,タイムスパン簡約,延長的簡約といったルールによりその構造を 分析する音楽理論である.しかしながらGTTMはルールの優先順位などに曖昧性があり,計算機上への実装が困難である. そこで本発表ではそのルールを紹介するとともに曖昧性解消の為の研究及び今後の方針について述べる.
 
M1 福嶋 祥太 ソフトウェア工学
発表題目:脳波測定を用いたWebユーザビリティ評価
発表概要:以下の内容について、関連研究や今後の方針を交えながら発表する。 Webのユーザビリティ(使い勝手や利用のしやすさ)というものは、そのWebの 目的を達成させる上において非常に重要であり、その評価の方法は様々 なものが提案されている。しかしながら脳波を用いたWebユーザビリティ評価 はほとんどなされていない。したがって本研究では、脳波には人の偽らざる心 情が表れるという仮定のもと、Webユーザビリティ評価を脳波を用いて行う。
 
M1 益井 賢次 インターネット工学
発表題目:情報流通のための Overlay Network の構築
発表概要:インターネット上に存在する資源は,その量と多様性の両面でなおも拡大を続けている.その一方で,それらに関する情報の流通と検索の手段に大きな変化はもたらされていない.このため,発信者の意図に反する情報流通や,利用者が求める情報に到達するまでのコストの増加が問題となっている.そこで本研究では,インターネット上の求める資源に対する効率の良いアクセスを可能にするプラットフォームの提供を目的とする.本発表では,既存技術の紹介を行うとともに,情報流通を目的とした Overlay Network の構築方式に関して,今後の研究計画を述べる.
 
M1 桝永 沙織 ロボティクス
発表題目:自律移動ロボットのための2.5次元地図生成と自己位置同定
発表概要:移動ロボットにおいて,実環境での自己位置同定およびマップ生成は重要な機能であり,これらを同時に行うSLAM(Simultanius Localization and Mapping)に関する研究が盛んに行われている. そこで関連研究として,静的な情報と動的な情報を切り分けることで,動的環境でSLAMを行う手法や ステレオカメラを用いて障害物の高さを考慮した2.5次元地図を生成し,超音波センサとのセンサフュージョンによって自己位置同定を行う手法を紹介する. また,現状として,ステレオカメラを用いた自己位置同定手法について実験結果とともに示し, 最後に今後の課題について述べる.
 

会場: L3

司会:上田悦子助手
M1 三嶋 潤平 像情報処理学

発表題目:論文紹介“Quantifying and Recognizing Human Movement Patterns from Monocular Video Images” R.D.Green and L.GuanCircuits and Systems for Video Technology, IEEE Transactions, 2004
発表概要:近年,カメラ映像からの人間の動作の認識に関する研究が盛んであるが, それらの研究対象は主に歩行動作など単純な動作に限定されていた.本論文ではより一般的な動作の認識を行うために認識の枠組みを提案する.また,最後に自分の研究との関連を述べる.

 
M1 南嶋 正嗣 知能情報処理学
発表題目:対話への自発的介入の解析
発表概要:自発的な会話介入システムの利用目的を提示し, 会話への自発的介入を研究することの有用性を示す. そして,
自発的な会話介入システムを実現するにあたり, 解析が必要と考えられる会話と介入の具体例を本研究室の過去のデータか
ら示しつつ, そこから研究の方向性と問題点, 今後の予定について述べる.
 
M1 本村 拓也 ソフトウェア工学
発表題目:(論文紹介)Linsandra V. Manzoni, Roberto T. Price, "Identifying Extensions Required by RUP (Rational Unified Process) to Comply with CMM (Capability Maturity Model) Level 2 and 3", IEEE Transactions On Software Engineering Vol.29, No.2, February 2003.
発表概要:近年,技術や産業の発展に伴い,ソフトウェアに対する要求が大きく高まりつつある.これを受けて,より短期間でより高度なソフトウェアの開発を実現するために,様々なソフトウェア開発プロセスフレームワーク及び,その改善モデルの提案が行われている.紹介する論文では,RUP(Rational Unified Process)フレームワークを対象に,ソフトウェア開発プロセス改善モデルであるCMM(Capability Maturity Model)中で定義されたプラクティス(活動)を利用した分析を行い,RUPの採用者がCMMの成熟度レベル2,あるいは,3を最小の労力で達成するための方法の提案が為されている.内容についての紹介を行い,私見と今後の方針についても述べる.
 
M1 森 康充 音情報処理学
発表題目:SIMO モデルに基づく ICA とバイナリ・マスク処理を組み合わせたブラインド音源分離手法の検討
発表概要:ハンズフリー音声認識システムを実環境で動作させるには, 雑音の抑圧が認識率の向上に大きな影響を与える. 雑音の抑圧方法の一つとして, 観測信号から目的音のみを取り出す音源分離と呼ばれる手法がある. この音源分離の従来の手法としては, 高品質な分離を行うが処理が重い手法, 処理が軽いが性能にばらつきのある手法の 2 種類に分類できる. したがって, これらの従来法を用いて実時間で高品質な雑音抑圧を行うことは困難である. 本研究では, 実時間で高品質な雑音抑圧を行う手法の構築を目標とする. 具体的には,各音源に対しマルチチャネルの分離信号が得られる single-input multiple-output (SIMO) モデルに基づくICA (SIMO-ICA) と, バイナリーマスクと呼ばれる人間の聴覚特性を基にした簡便な分離手法とを 統合する新しい音源分離手法を提案する.本発表では, 提案法の有効性を 検証するために従来法との比較実験の結果を報告する.
 
M1 森岡 俊之 システム制御・管理
発表題目:論文紹介"Evaluation of a Voice-Activated System Using a Driving Simulator"
発表概要:音声作動システムとは自動車の車載装置を音声によって操作するシステムである。このシステムは運転者のワークロード軽減が期待されているが、操作作業に伴う集中力低下の可能性について考慮が必要である。本論文では音声作動システムが運転者に与えうる影響を調べるために、ドライビングシミュレータを用いた実験が行われている。また、自分の研究との関連について述べる。