超分子科学II
Supramolecular ScienceII
(「物質創成科学研究科授業科目改正に伴う科目読み替えについて」を参照すること)
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超分子科学の手法は分子間に働く弱い、可逆な相互作用を集積して分子を秩序ある集合体に組織化し、従来の方法論では困難であったナノテクノロジーの確立を可能にする。複雑な化合物の合成に力を注ぐよりも、生物に倣って簡単なユニットを合成し、これを組織化する超分子科学の手法を用いて、生体の根幹機能を担う人工システムを構築する研究は有機化学の最先端である。本講義では超分子組織体であり、機能性超分子構造を組織する場でもある生体膜と膜蛋白質の構造と機能の本質について理解を深める。超分子科学Iで取り上げたテーマ以外のテーマ、特には生体膜の構造と機能、分子認識・アロステリック機能及びその人工的構築について紹介する。
1.序論
(1)両親媒性物質の会合(ミセル、液晶、分子膜、リポソーム)
(2)超分子化学(ホストーゲスト分子認識)
2.生体膜と膜蛋白質の構造と機能
(1)生体膜の組成と構造(膜脂質の構造と性質、動的構造)
(2)生体膜の組成と構造(膜脂質と膜蛋白質の階層構造)
3.生体機能の構築研究
(1)機能性人工膜集合体の科学
(2)分子認識能
(3)アロステリック機能・活性化機能
(4)その他
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小夫家芳明著「生理現象の有機化学」丸善, 1998
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成績評価は、試験とレポート(80%)、授業出席(20%)を基準とする。
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