生命現象は生体分子間相互作用のネットワークであり、その主役は遺伝子産物であるタンパク質である。これらの相互作用はタンパク質の複雑な高次構造によって厳密に規定されている。ここでは、タンパク質をネットワークの論理素子であると捉えて、その動作原理を解明するため構造的基礎を提供する構造生物学を紹介する。
1) 構造生物学の実験的方法
2) 細胞内シグナル伝達の分子スウィッチGタンパク質
3) 相互作用の特異性
4) 構造変化と分子機能制御
以上のトピックについて、細胞骨格・細胞接着を制御するタンパク質群、DNA結合タンパク質、医学的に興味のあるタンパク質等を例に概説する。
また、分子シミュレーションの基礎とその構造生物学における重要性についても解説する。ポテンシャルエネルギー関数の定義、エネルギー最小化計算、基準振動解析、分子動力学法、モンテカルロ法などの基礎を扱う予定である。分子シミュレーションに関する講義は英語で行なう。
We will introduce techniques of molecular simulation and their importance in structural biology. The course will cover Potential Energy Functions, Energy Minimization, Normal Mode Analysis, Molecular Dynamics and Monte Carlo Simulation. The lectures will be conducted in ENGLISH with one (or two) take-home examination. If time permits, there will be some hands-on-experience. Familiarity with protein structure and a basic knowledge of chemistry will be helpful.