ソフトウェアとその開発/利用プロセスの計測,及び,計測結果に基づく開発者/利用者支援について,基本的な概念や具体的な技術について述べる.特に,従来からのソフトウェア開発形態だけでなく,オープンソース,コンポーネントウェア,レガシーシステムといったキーワードで表されるような,既存コードを利用したソフトウェア開発にも注目する.
なお,履修者に対しては,講義内容についてのレポートの提出を適宜求め,レポート内容の発表も行ってもらう.いくつかのレポートでは,計測ツールを実際に利用してもらい,得られた結果や知見について報告してもらう.
1. 概論(ソフトウェア工学の歴史,ソフトウェアメトリクス)
2. ソフトウェア保守(レガシーソフトウェア,オーバーホール)
3. コード解析と開発者支援(プロファイラ,プログラムスライシング,コードクローン,リファクタリング)
4. 利用プロセスの計測と利用者支援(ウェブ評価,機能実行履歴の共有)
5. ソフトウェア開発管理支援(ソフトウェア信頼度成長モデル,ファンクションポイント)

井上克郎,松本健一,飯田元,ソフトウェアプロセス,共立出版 (2000).
ISBN 4-320-02781-7

1. J.L.Bentley著,野下浩平,古郡廷治 共訳,プログラマのうちあけ話 −続・プログラム設計の着想,近代科学社 (1992). ISBN 4-7649-0177-3
2. 下村隆夫,プログラムスライシング技術と応用,共立出版 (1995). ISBN 4-320-02743-4
3. M. Fowler, Refactoring, Improvement the Design of Existing Code, Addison Wesley (1999). ISBN 0-201-48567-2
4. G. J. Myers(著),長尾 真(監訳),松尾 正信(訳),ソフトウェア・テストの技法,近代科学社 (1980). ISBN 4-764-90059-9
5. 山田茂,高橋宗雄,ソフトウェアマネジメントモデル入門 −ソフトウェア品質の可視化と評価法,共立出版 (1993). ISBN 4-320-02635-7
6. Capers Jones, Applied Software Measurement -Assuring Productivity and Quality, 2nd edition, McGraw-Hill (1997). ISBN 0-07-032826-9

(必ずしも先修条件ではない)
プログラミング手法,アルゴリズムとデータ構造,プログラミング言語,OS

成績評価は,講義の出席状況(20%),提出レポートの完成度や独創性(50%),提出レポートに基づく発表とそれに対する質疑応答状況(30%)によって行う.