生命/科学倫理 Bioethics and Responsible Society

川市正史

クラウス・シュペネマン

科学技術は進歩だけではなく、環境と人間を破壊する可能性を含んでいることが、現在充分に明らかになってきている。しかし、科学技術がどうあるべきかは決して明確ではない。個々人の研究者の関心及び大学の研究所、経済界や国の必要性だけでこれからの研究の内容と方向性を決めてよいのだろうか。より包括的な、すなわち倫理の立場と基準が必要ではないだろうか。しかし、もっとも古い学問である倫理学を現在の科学技術の諸問題と結びつけて、その問題を判断することは大変に困難である。本授業で、科学倫理の諸問題を解決することはできないが、それらの問題を整理し、受講生が少しでも問題意識を持てるようになるのが目的である。

授業計画:(予定。最初の授業に詳細な計画表を配布する。)
1.科学と倫理学
2.倫理的判断の方法
3.科学者の責任
4.生命倫理学
5.環境倫理学

授業中、プリントを配布する。

「科学者をめざす君たちへー科学者の責任ある行動とはー」
米国科学アカデミー編、池内了訳、化学同人、1996年
「科学は今どうなっているのか?」池内了著、晶文社、2001年

成績評価は、レポート(80%)及び出席状況(20%)による。