高分子機能材料I Advanced Polymer Materials I (「物質創成科学研究科授業科目改正に伴う科目読み替えについて」を参照すること)

藤木道也

古今東西を見渡すと、新素材・新材料の登場が新文明を生み出し、我々の生活を豊かにし、文化を発展させてきたと言える。20世紀後半は恐らく有用プラスチック(機能性人工高分子)の時代だったと言えるであろう。しかし21世紀は地球環境問題の解決など、新たな課題が待ち受けている。本講で取り上げる先端的な機能高分子とは、構造・物性・機能相関のデータベースと戦略的な分子設計のもと、反応制御、一次構造・高次構造制御、物性制御、機能の高度化、プロセス加工をも包含する間口の広い材料学である。具体的には、次の項目について講義をする予定である。

1.序論(官能基同士の相互作用、高分子効果、特異的反応場・物理場)
2.機能高分子材料設計(反応性モノマーの設計)
3.高分子反応(低分子化学反応との類似点と相違点、)
4.化学的機能高分子(高吸水性、触媒機能、分離機能)
5.物理的機能高分子(光機能、電子機能、磁性)
6.協同現象による刺激応答性機能高分子
7.将来展望?環境に優しい機能高分子設計へ

1.戸嶋・遠藤・山本著「機能高分子材料の化学」朝倉書店1998年(3800円)

 1.野瀬・中浜・宮田編「大学院 高分子科学」講談社1997年(9800円)
 2.遠藤・三田著「高分子合成化学」化学同人2001 (2800円)

概論科目の「高分子化学」を履修していることが望ましい。

成績評価は、試験とレポート(80%)、授業出席(20%)を基準とする。