石部大介 | 植村俊亮 | 川端猛 | 石井信 |
発表者: 石部大介
発表題目:予測構造情報を用いたアミノ酸配列間からの遠縁なホモログの検出方法の開発 発表概要:ホモログを認識することはタンパク質の立体構造、分子機能を推定する上で重要である。 しかし、アミノ酸配列間の類似性が低いにも関わらず、 相同な関係にあることを"遠縁のホモログ"と言い、その発見は困難である。 従来の配列間相同性検索ツール(PSI-BLAST)でも、この全てを検出するのは困難である。 本研究ではこの遠縁のホモログの検出精度を高めることを目的とする。 手法について、まず、SCOPデータベースによる分類を元に、 各ペアに対して相同関係にあるかどうかを調べ、これを学習の正解セットとした。 次に学習のトレーニングセットに対して、PSI-BLASTを実行し、次の三つの値を求めた。 一つ目はこのプログラムが算出する配列間類似の統計的有意性を示す値(E-value)である。 二つ目は、PSI-BLASTのアライメント情報を元にして、 アライメントされた部分の二次構造予測を行ない、 一致した部分に対して求めた値である。 三つ目は、二つ目と同様にアライメントされた部分の 溶媒露出度による内外予測を行い、 一致した状態に対して求めた値である。 各ペアに対して求められた、これら三つの指標を入力として、 与えられたアミノ酸配列間に相同な関係にあるかどうかを判別するために、 重心法とSupport Vector Machine(SVM)の二つの学習法を用いた。 この結果、認識率やF-値において重心法とSVMとでは大きな差は見られなかったものの、 PSI-BLAST単体で認識させることよりも改善が見られた。 | |||
田中道廣 | 植村俊亮 | 五斗進 | 小笠原直毅 |
発表題目:代謝パスウェイを構築している化学反応からの熱力学的特徴抽出
発表概要:任意の分子二つを代謝パスウェイに与えた時、その二分子を結ぶ反応経路は無数に存在するが、生物系はその中から特定の経路を主経路(代謝パスウェイに記 述されている経路)として採用している。そうした経路の集合体が現在の代謝パスウェイである。先行研究により生物の代謝パスウェイはスモールワールドと いうネットワークの特性をもっており、任意の二分子を与えれば、その二分子を結ぶ最短経路は平均3に落ち着くとされる。これはどの化合物から出発しても 三つの段階で任意の化合物にたどり着くということである。しかし実際には、生物系でこの最短経路を通って反応が起こるわけではない。エネルギ−的、空間 的な要因により実際の反応経路には、より複雑な経路が採用される例は少なくない。では生物系がこうして獲得する反応経路にはどのような特徴があるのだろ うか。今回我々は、化学反応の自発性の指標とされるギブスエネルギー変化を反応の進行具合の指標として、純粋なグラフ構造からは抽出困難と思われる代謝 パスウェイの主経路の特徴の探索及び抽出を試みた。 | |||
正木敦之 | 植村俊亮 | NickCampbell | 鹿野清宏 |
発表題目:波形接続型 Speech-to-Speech 音声合成のための可変長音声単位による単位選択手法
発表概要:波形接続型テキスト音声合成では、大規模の音声データベースを用いたものが注目を集めているが、このデータベースは予め音素などの単位にセグメントされている必要があり、コーパスの作成や拡張が困難であった。そこで、スペクトルの流れを保存した可変長な音声単位を定義した。この音声単位を自動的に切り出すことでコーパスの自動作成を実現し、さらに単位を用いた波形接続型 Speech-to-Speech 音声合成を実現する。 | |||
丸山敦史 | 伊藤実 | 植村俊亮 | 安本慶一 |
発表題目:時間制約を付けた複数目的地巡回を支援する観光のためのパーソナルナビゲーションシステム
発表概要:観光案内においては、ユーザの要求を満たした経路を探索することが有用である。具体的な要求としては、出発・帰着地点と時刻、途中訪れたい複数の立寄地とそれ ぞれの優先度,各立寄地への到着希望時刻と滞在時間、交通手段などがある。この様な要求を満たす経路を求める問題は、NP困難として知られているTSP(traveling salesman problem)に類似した問題であり、最適解を求める計算コストは非常に 高い。そこで、我々は遺伝的アルゴリズムを利用し,準最適解を高速に求め る経路探索アルゴリズムを開発した。本研究では、経路探索アルゴリズムをWWWサーバ上のサーブレットとして実装し、PDAや携帯電話などのインターネット接続可能端末から利用できるようにしたナビゲーションシステムを提案する。 | |||
長尾寛行 | 砂原秀樹 | 山口英 | 藤川和利 | |
発表題目:複数の誤り制御手法による階層型ストリーミングの品質保証機構の実現と検証
発表概要:インターネットにおけるリアルタイム配信の要求が高まりつつあるが, 高品質なリアルタイム配信にてきしたシステムは未だ確立していない. 本研究ではネットワークの状況を把握してリアルタイムで且つ受信者の環境に応じた映像を提供するシステムを提案する. 提案手法としては受信者からフィードバックされた情報(RTT)により前方向誤り訂正(Forward Error Correction:FEC)と誤り検出再送要求(Automatic Repeat reQuest:ARQ)を使い分け, ネットワーク上での損失を最低限に抑える. また階層符号化手法を用いることで受信者の環境に応じた画質を提供する. 本研究では対象とする画像フォーマットを特に指定せず, 階層符号化手法を持つことのみが条件となるが, これによりある特定のフォーマットよりも汎用性を持たせることができる. またネットワークシミュレータを用いて検証を行なうが, これは実際のネットワークにはない再現性をもたせるためである. | ||||
中尾嘉宏 | 砂原秀樹 | 山口英 | 藤川和利 | |
発表題目:フローベースによるトラフィック計測システムの研究
発表概要:ネットワーク管理においてトラブルに対する研究は盛んに行なわれている。 しかし、ネットワークが正常に機能している状態のネットワークの利用傾向やネットワークの 性質に関する研究は少ない。 本研究では正常に機能しているネットワークの解析手法として、定常トラフィックの導出を 考えている。 | ||||
田中基貴 | 砂原秀樹 | 山口英 | 藤川和利 | |
発表題目:メモ情報の有効活用に関する提案
発表概要:個人がPCを所有するようになり、メモ、覚書き、作業ログなど(以降、メモ情報と呼ぶ)をPCでとるようになった。また、メモ情報は興味、関心が似た他者にとって有益な情報であることがある。しかし、現状としてメモ情報は個人のPCに蓄積されたままであり有効に活用されていない。そこで、各自にとって有益なメモ情報を収集するシステムを提案する。システムの実現において、有益なメモ情報であることを判断するため、自分の関心と類似したメモ情報を発見する手法、メモ情報の一般的な価値と個人の嗜好により変化する価値をあわせた価値といったものを考える必要があった。 | ||||
福田光利 | 砂原秀樹 | 山口英 | 藤川和利 | |
発表題目:受信者の要求に応じたMulticastルーティング方式の提案
発表概要:近年ネットワークが高速化した事で、IP電話やビデオ会議システム等の広帯域を必要とするアプリケーションの利用が可能になっている。現在普及しているビデオ会議システムは主に一対一、一対多方式である。今後ネットワークの高速化によりこれらのアプリケーションの利用頻度は高くなり多対多でのコミュニケーションが普及すると予想される。多地点間で双方向マルチメディアグループコミュニケーションを行う際の送信データに対する受信者の要求は多岐にわたると考え。多対多でのグループコミュニケーションを行う際に送信データに対する受信者の要求は多岐に渡ると考えられる。ダイナミックに変化する受信者の要求に応えるルーティングを行う仕組みを考案し提案する。 | ||||