ゼミナール発表

10月2日(木)3限


会場:L1

司会: 千原研,安室喜弘、井村誠孝
箕輪弘嗣 湊小太郎 千原國宏 杉浦忠男
発表題目:Second Harmonic Generation光を用いた神経細胞の活動電位の計測
発表概要:本研究では非線形光学現象であるSHG(Second Harmonic Generation)現象から発生する光を利用して非接触かつ低侵襲に活動電位が計測可能な系の開発を行う。現在までにSHG光を観測するためのSHG顕微鏡の光学系を開発し、神経細胞に付着させてSHG光を観測するための金コロイド試料からSHG光を計測することに成功した。現在は電極を内包したマイクロピペットを作成し、神経細胞の活動電位に見立てた電圧を印可し活動電位変化時にSHG光の光強度の変化を計測する実験を行っている。本研究では、開発した系を使って生きた細胞の活動電位のTime Course計測することを目標としている。
 
浅井俊弘 横矢直和 千原國宏 山澤一誠
発表題目:レンジファインダを用いた現実環境の三次元モデル化によるウォークスルー
発表概要: 計算機内の仮想環境に構築された三次元モデルを用いたウォークスルーは、エンターテイメント、シミュレーションなどの幅広い分野に応用が期待されている。近年、レーザーレンジファインダの発達により現実環境の三次元形状を広範囲かつ高精度に得ることが容易となったため、現実環境の三次元モデルを仮想環境に取り込む試みがなされている。そこで本研究では、多地点で得た全周レンジデータと全天球画像を統合することで、広範囲における現実環境の三次元モデル化を試みる。さらに、作成された三次元モデルを大型スクリーンを用いてユーザーに立体提示することでより臨場感のあるウォークスルーシステムを構築する
 
王静 関浩之 伊藤実 楫勇一
発表題目:ネットワークの安全性を保証する分散型侵入検知システムの自動生成法
発表概要: ネットワークシステムへの不正アクセスは, 機密情報の漏洩や, ネットワークサー ビスの妨害など, システム全体に甚大な被害をもたらす. 不正アクセスを検知す るシステムとして侵入検知システム(IDS,Intrusion Detection System)が広く 用いられている. 正規表現ネットワーク型IDSは, ネットワーク上に分散配置され た複数のIDSで不正検出を行うものであるが, IDSの配置数, 配置ホストおよび分 散攻撃シナリオを決定するアルゴリズムは場あたり的なものしか知られていない. そこで, 本研究では, この問題をIDS分割配置問題として形式的に定義し, その計 算複雑さや, それを解くアルゴリズムについて考察する.
 
成松英一 小笠原司 横矢直和 松本吉央
発表題目:室内における人物発見のための全方位サーモグラフの開発
発表概要:本研究では双曲面ミラーを用いた全方位サーモグラフを提案する.部屋の監視 や知能化(インテリジェントルーム)を実現するには,人間がどこにいるかを 正確に把握する必要がある.従来,このような目的には通常のカメラや全方位 視覚センサを用いたものが多数提案されている.しかし,これらの方法は照明 条件に強く依存し,暗い部屋では何も発見できない.そこで,本研究では赤外 線により熱画像を計測するサーモグラフと,全方位視覚用の双曲面ミラーを組 み合わせることで,照明条件に影響されない全方位熱画像の取得を行うシステ ムを試作した.また,そのシステムを用いて,室内における人物の発見につい て実験を行った.
 

会場:L2

司会: 松本裕治研,新保仁
田中俊光 鹿野清宏 NickCampbell 松本裕治 柏岡秀紀
発表題目:非語彙的な音声コミュニケーションにおける韻律の研究
発表概要:日常的な音声コミュ二ケーションで頻出する非語彙的な情報のやり取りでは韻律が重要な役割を果たすと考えられる。本研究では大規模な日常会話データに付与された人手による発話機能の分類を利用し、それらの違いについて韻律の観点から識別の可能性を探っていく。そこで発話機能の識別を決定木によって行い、その精度を示す。また対人性別による識別精度の分析に関しても併せて発表する。

 
花園正也 鹿野清宏 松本裕治 NickCampbell 猿渡洋
発表題目:<題目>混合正規分布モデルを用いた声質変換アルゴリズムの改良
発表概要:<概要>声質をある話者から任意の話者へ高品質に変換する手法として,混合正規分布モデルに基づく声質変換法が挙げられる.音声における話者性は韻律と声質で表現されるが,声質に重点を置き変換精度を更に改善することを狙う.本発表では,その手法としてオリジナル話者とターゲット話者との音響的距離を段階的に近づけるアルゴリズムを提案し評価を行う.
 

会場:L3

司会: 小笠原直毅研,小林和夫、石川周
清水仁 石井信 小笠原直毅 金谷重彦
発表題目:DNAマイクロアレイデータによるオペロン構造予測
発表概要:原核生物にはオペロンと呼ばれる転写単位が存在する。 本研究ではオペロン構造を予測する問題に取り組んだ。 まず、DNAマイクロアレイデータにおける遺伝子間の相関関係とオペロン構造 とを繋ぐベイズ的階層モデルを用いて、オペロン構造を予測する方法を提案する。 また、提案手法が有効であるための条件についても検討する。
 
川瀬奈都子 石井信 小笠原直毅 金谷重彦
発表題目:クラスタの有意性検定
発表概要:DNAマイクロアレイデータの解析において、クラスタ解析は重要な技術として広く用いられてきた。しかし、最近になって、クラスタ解析の結果得られた知見の信頼性に疑問が持たれ始めてきた。本研究では、クラスタリング解析から抽き出されるデータの性質について、その信頼性を考える。特に、カテゴリをその特徴的なパタンベクトルとその拡がりというパラメトリックな形で表現し、これが同じくパラメトリックに表現された背景ノイズの中で有意かどうかを検定する手法を考える。また、これの応用として主成分分析による部分空間の有意性における分布不均一の有意性の検定法も提案する。
 
田丸良子 植村俊亮 小笠原直毅 金谷重彦
発表題目:代謝経路を用いたDNAマイクロアレイデータの視覚化
発表概要: DNAマイクロアレイは遺伝子発現を網羅的に解析する手法として広く用いられている.本研究では,代謝経路を用いたDNAマイクロアレイデータの視覚化手法を提案する.本システムでは,データ交換フォーマットとして近年注目されている XML (Extensible Markup Language) 準拠の SVG (Scalable Vector Graphics) と代謝経路データを用い.動的に,マイクロアレイのデータを代謝経路にマッピングすることが出来る.
 
春名かおり 湊小太郎 小笠原直毅 杉浦忠男
発表題目: DNAマイクロアレイにおけるハイブリダイゼーション過程のリアルタイム検出
発表概要: 現在のDNAマイクロアレイでは、ハイブリダイゼーションを行うのに多大な時間を要しており、時間効率の悪さが問題点の一つに挙げられている。本研究では、この問題を解決するために、液中でのハイブリダイゼーション過程をリアルタイムで計測することで、ハイブリダイゼーションからDNA検出までにかかる時間を短縮することを目的としてリアルタイム検出装置の開発を行う。本研究の手法では、光学的にハイブリダイゼーション過程を計測するためにエバネッセント照明を用いた顕微鏡を用い、蛍光標識したターゲットDNAがプローブDNAに対しハイブリダイズしていく様子を観察し、その結果をハイブリダイズ量の時間変化として分析することで各スポットの遺伝子の発現量の推定を行う事を検討している。