ゼミナール発表

日時: 12月2日(火) 2限(11:00-12:30)


会場: L2

司会: 井村 誠孝 助手
藤井 聖 情報科学センター 砂原 秀樹
発表題目:フローを用いたトラフィック観測システムの運用と今後の課題
発表概要:我々の研究グループでは、トラフィックをフローという単位で計測し、その計測データを蓄積することで、様々な角度からのトラフィック観測が可能なシステムを開発、運用している。本提案システムの応用により、トラフィックの概要把握だけではなく、ワームやDoS攻撃などが検出も可能であり、ネットワーク運用への貢献が期待されている。本発表では、提案システムの概要とともに、提案システムによるワーム検出事例を紹介し、今後の研究課題について述べる。
 
藤林 潤 システム制御・管理 西谷 紘一
発表題目:論文紹介”Cognitive workload while driving and talking on a cellular phone or to passenger”他
発表概要:自動車事故による死者数は減少傾向にあるものの、事故発生件数そのものは増え続けている。特に近年,テレビや新聞ニュースなどのメディアでは携帯電話を使用していることが原因で発生した交通事故が取り上げられている.本論文では自動車の運転手が携帯電話を使用すると,運転にどのくらい影響するのかを客観的および主観的な側面から比較・評価している.その結果とあわせて,関連論文を紹介し,今後の私の研究方針を述べる.
 
佛圓 裕一 情報科学センター 砂原 秀樹
発表題目:"Bullet: High Bandwidth Data Dissemination Using an Overlay Mesh" (論文紹介)
発表概要:インターネット上で多地点間コミュニケーションを効率良く行なうための手法として、マルチキャストがある。従来これはネットワーク側が提供する機能であったが、計算機の高速化、アクセスラインの広帯域化が著しい近年、この機能をエンドノードで実現することで柔軟なサービスを提供することが可能なアプリケーションマルチキャストが注目されている。しかし、帯域の利用効率の点では従来技術に劣っており、また、配送木を用いることにまつわる耐故障性やデータ配送の信頼性の問題も充分に対処されているとは言い難いという現状である。本発表では、これらの問題を、配送木に加えてメッシュを用いることで解決するアルゴリズム"Bullet"について紹介する。
 
不殿 健治 視覚情報メディア 横矢 直和
発表題目:論文紹介 "Shape and Motion under Varying Illumination:Unifying Structure from Motion, Photometric Stereo, and Multi-view Stereo"
発表概要:この論文では,ビデオカメラにより撮影した動画像から,対象物の3次元復元を行う手法を提案する.
本手法は,多眼ステレオ法,照度差ステレオ法,Structure from Motionを組み合わせ,反復的に処理することで, 照明条件,カメラパス,対象物の反射特性を推定し,3次元復元を行う.また,対象物中の法線を推定することで, 3次元復元が困難な非テクスチャー領域に対しても,良好に復元する.
実験結果として,固定された照明,固定されたカメラの前で対象物を動かすことで良好な3次元復元結果が得られた.
 
増田 健司 ロボティクス 小笠原 司
発表題目:移動ロボットの自律性探索
発表概要:近年,ASIMO,HRP-2を始めとする多くのヒューマノイドが発表さおり,さらに高度な知能を持つことが期待されている.つまり人の様に考え行動できるロボットになることである. 本研究では,ロボットの知能の一つとしてヒューマノイドの自律性探索の実現を目指す. 今回の発表では関連研究として環境認識と経路計画について紹介を行ない,研究の進捗,今後の課題等を述べる.進捗内容はNomadic Techology社のNOMAD200用のシミュレータを用いてダイクストラ法により簡単な経路計画のシミュレーションを行なった。
 
辻江 正裕 応用システム科学 杉本 謙二
発表題目:論文紹介"プール型GAによる非線形システムの物理パラメータ推定"
発表概要:近年、システムの非線形性を考慮した同定手法が数多く報告されているが、非線形システムの性質上統一的な手法を得ることは事実上不可能であり、さまざまな問題に対して状況に応じた手法が用いられている。本論文ではすでに有効な手法として知られている遺伝的アルゴリズムを応用し、非線形システムの物理パラメータ推定の新しい手法を提案する。
 

会場: L3

司会: 李 晃伸 助手
東 剛生 音情報処理学 鹿野 清宏
発表題目:NAM(Non-AudibleMurmur)から通常音声への声質変換
発表概要:NAMとは声帯を振動させないつぶやき声で、専用のマイクを用いて収録される。NAMを機械的に通常音声に変換すること ができれば、他人に話の内容を知られることなく相手に内容を伝えることが可能な無音声電話を開発することができる。 実際に混合正規分布に基づく声質変換手法を採用し、変換を行った結果、まだ音声として品質が不十分であった。その理由として、今回採用した手法が通常音声の話 者変換を前提とした変換アルゴリズムであるため、音響的距離の大きいNAM-通常音声間ではスペクトル変換精度が落ちてしまうことや、 NAMは声帯振動によって駆動される音ではないためオリジナル音声からF0情報が利用できないことが考えられる。今後、これらの点を改善し、声質変換の品質をさらに向上させる方法を検討する。
 
平野 徹 自然言語処理学 松本 裕治
発表題目:照応解析のためのゼロ代名詞検出
発表概要:日本語には,「〜が」「〜を」「〜に」といった格を伴った情報が頻繁に省略されている.この省略されている情報はゼロ代名詞と呼ばれ,ゼロ代名詞が何であるかを特定すること(照応解析)は,質問応答や機械翻訳に役立つと考えられている.しかし,照応解析を行う前に,ゼロ代名詞は文章中に現れていないので,まずゼロ代名詞がどこにあるのかを特定してやらなければならない.そのために,一般に格解析を行い,格が埋まらなかったところがゼロ代名詞であると判断する方法がある.本発表では,このゼロ代名詞の検出について,すでに既知の手がかりの組み合わせを試し,解くべき問題点を明らかにする.
 
福中 謙一 像情報処理学 千原 國宏
発表題目:論文紹介
"Haptic displays based on magnetorheological fluids:design,realization and psychophysical validation"
11th Symposium on Haptic Interfaces for Virtual Environment and Teleoperator Systems
22-23 March 2003 Los Angeles,California,U.S.A. pp10-15
発表概要:VR環境でのリアリティの体感のために視覚・聴覚だけではなく力覚による情報提示も不可欠である。現在、点接触型の力覚デバイスは多数存在するがVR環境で自在に物を触るためには面接触型の力覚デバイスが必要となる。この論文では磁場の変化に伴い粘性の変化するMR流体を用いた力覚デバイスを提案し、その性能評価を行っている。
 
降幡 建太郎 自然言語処理学 松本 裕治
発表題目:機能動詞の言い換え
発表概要:言語表現を意味を保存したまま別の表現に変換する言い換え技術は、文章の要約や翻訳を始めとする様々なタスクに応用できる可能性がある。言い換えには単語から文まで様々な種類が存在するが、本研究では特に、読解支援への応用を視野に入れながら、可読性の向上に寄与すると考えられる機能動詞の言い換えの実現を目指す。その際、必要となる辞書的知識が汎用的なリソースとなるよう考慮する。本発表では、提案手法の概要、研究進捗および今後の課題について述べる。
 
増田 公彦 コンピュータ設計学 藤原 秀雄
発表題目:論文紹介"Testing High-speed SoCs Using Low-speed ATEs",IEEE VLSI Test Symposium 2002 pp.133-138
発表概要:回路の故障をテストするためのATE(Automatic Test Equipment)の寿命は、2〜4年であるのに対して、VLSIなどの速度は18ヶ月で平均して2倍になるといわれている。その結果、多くの設計者は、テスト対象の回路の動作周波数よりも遅いATEでテストを行わなければらない。本発表では、低速ATEを用いて、高速回路のat-speedテストを可能にするテストアーキテクチャモデル(ATE-TIC-CUTアーキテクチャモデル)を紹介する。
 
松尾 寿 像情報処理学 千原 國宏
発表題目:<題目> “Tracking Groups of Pedestrians in Video Sequence”(論文紹介)
発表概要:<概要>
歩行者を追跡することは、さまざまな用途で期待されている。しかし、歩行者を追跡する場合、オクルージョンが起こる、歩行者が合併、分裂するといった問題に対処しなければならない。この論文ではビデオ中からグループになった歩行者に対して、上の問題点を解決し、歩行者を追跡するアルゴリズムについて提案されている。